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冬場の結露防止対策

201224
雑情報 (41)
   冬場の結露防止対策
 
要旨
1.  冬場の結露対策
今年(2012)の冬、関東地方で結露、カビの発生が増えた
関東地方では冬場は乾燥するため結露は起こらないとの先入観があった。
先入観、すなわち思い込みによる不覚は仕事やプライベートのみならず政治、経済、戦争及び災害などでしばしば経験する。
寒冷地では防寒(結露)対策は当たり前
 
2.  結露を防ぐ
1) 結露の発生原因
室内の湿度が高い
室内に水分を発生するものがある
室温が低くなることにより、相対的に湿度があがる
2) 結露が嫌がられる理由
カビが生える
壁、天井、サッシ取り付け枠が傷む
カビの臭いがして気分、体調が悪くなる
3) カビが発生しやすい場所
寝室
リビングルーム
ダイニングルーム
押入れ
4) 結露対策
過度な湿気の防止
換気の促進
空気の流通を良くする
室内を適温にたもつ
ファンヒータ、ガスヒータは燃焼時に水分を発生するため、極力暖房費が安いエアコンを使う。ただし、朝方の立ち上げ時、エアコンではすぐに暖まらないのでファン、ガスヒータを使い、途中でエアコンに切り替える。
寝室の就寝前と起床後の換気は結露防止に効果がある。
除湿器の使用は結露防止に役立つ。押入れには除湿剤が効果的。
既存の窓に内窓を追加したり、窓ガラスにプチプチや断熱材を張り付けると結露防止に効果がある。

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1. 冬場の結露対策
1)  今年(2012)の冬、関東地方で結露、カビの発生が増えた
今年は例年になく気温が低く、山陰、北陸、東北の日本海側では豪雪にみまわれている。
この時期、関東地方では毎年、気温は低いけれど雨が降らない晴天の日が続き、連日乾燥注意報が発令される。
しかし、2012年の関東地方は例年とは異なり大寒の121日、1ヶ月以上続いた乾燥注意報が終わったとたん、4日間雨や雪が降り続いたため、家庭によってはガラス窓やアルミのサッシにびっしりと結露し、締め切った部屋の壁や天井に黒カビが生えるなどが起きた。
 
このように、関東地方の多くの家庭において結露やカビの発生が発生したことから、1月下旬、新聞各紙に結露防止対策が掲載された。
 
2)  先入観、思い込みが災いを引き起こす
関東地方に住んでいると結露やカビは蒸し暑い梅雨の時期特有のものである。冬場は乾燥した日が続くため、結露やカビ対策とは逆の風邪の予防や室内の乾燥防止のために加湿対策が必要との先入観が災いし、今回のように結露、カビ対策を怠らせ(おこたらせ)、結果としてカビを生やすこととなった。
 
先入観、すなわち思い込みによる不覚は仕事やプライベートのみならず政治、経済、戦争及び災害などでしばしば経験する。
2011311日に発生した東日本大震災時(地震、津波の最大想定値はたかだか100年程度前までの地震、津波の記録を基になされ、地震、津波対策は、これらに耐えうるように設計、施工されていた)誰もが堤防の高さや避難対策を十分かつ安全だと確信していたこと、原発は何重もの安全対策が施されているために絶対安全であると信じていたことなど、多々思い起こさせる。
 
3)  寒冷地では防寒(結露)対策は当たり前
今回、冬場の結露対策を発行するにあたり、過去の冬場の結露に関する新聞記事を検索したが、ほんのわずかしか見当たらない。
関東地方において今年、気温が低く、湿度が高い日が数日間続いただけで結露とカビが問題になったのはなぜだろう?関東地方より北の地域では冬季、気温は氷点下が続き、湿度も雪が積もっているため高いにも係わらず結露の発生をほとんど聞かない。
 
東北地方以北や山間地の住居は寒さ対策として建屋の天井、壁、床部に断熱材を十分に敷き詰め、窓は二重窓とするなど防寒対策を十分にほどこし施工しているからである。
それに引き替え、関東地方から南の地域の住宅は冬場の防寒対策より夏場の暑さ対策*1)に重点をおいて建物の設計、施工を行っているため、冬場は住宅の断熱性が劣り、結果として外気に接触している箇所に結露やカビが発生することとなった。
 
*1)  夏場の暑さ対策
日本の建物の仕様については、高校時代に古文で習った、鴨長明(かもの ちょうめい)の「方丈記(ほうじょうき)」が良く引き合いに出される。
「家の作りやうは、夏をむねとすべし。冬はいかなる所にも住まる。暑きころわろき住居(すまひ)は、堪えがたきことなり。(中略) 天井の高きは、冬寒く、灯( ともしび) 暗し」 (方丈記、第五十五段 家のつくりやうは から引用)
 
「方丈記」は平安時代末期の1200年ごろ京都に住んでいた鴨長明により書かれた。当時の気温は現代よりも夏、冬ともに低かったであろうが、その時代でも蒸し暑い夏を過ごすのは大変だったようである。冬は着こんで隙間風を防げればなんとかなったのであろう。
現代は、エアコンが普及しているため夏の蒸し暑さを防げ、冬の寒さも建屋と暖房設備により快適に過ごすことができる。
 
アイリス収納 生活お役立ち情報、冬の結露対策
アイリス収納・インテリアドットコム生活お役立ち情報→第8回:冬の結露対策
http://www.iris-interior.com/tokusyu/08/01.html
 
 
2. 結露を防ぐ
1)  結露の発生原因
結露は、室内の湿気を含んだ暖かい空気が温度の低い部分に触れると発生する。
結露の例として良く引き合いにだされるのが、ガラスコップに冷たい水を入れると、コップの外側に水滴がつく現象である。
また、当然のことながら、部屋の湿度が高いと結露が発生しやすくなる。
では、どのような場合に室内の湿度が上がるのであろうか?
 
1 室内の湿度が上がる要因
番号
湿度が上がる要因
事  例
1
室内の湿度が高い
梅雨の時期
2
室内に水分を発生するものがある
室内に人がいる*2)
植物を置いている
金魚などの水槽がある。水中へ空気を送っていると更に湿度があがる。
ファン(灯油)ヒータ、ガスヒータを使っている
室内に洗濯物を干している
浴室を開けっ放しにしている
加湿器を使っている
3
室温が低くなることにより、相対的に湿度があがる
朝方外気温が低くなるにつれ室内の温度も下がり、それにつれ湿度があがる。
 
*2)   から排出される水分
成人が1日に補給、排出する水分のバランスを表2に示す。
人体からは就寝時を含む24時間、汗で700ml、呼吸で300mlの合計1,000mlの水分が排出されている。すなわち1,000ml/日÷24時間=42ml/時間空気中へ放出されている。
 
表2 人体の1日の水バランス (ml/日)
補 給
排 出
食物
800
尿
1,200
飲料水
1,300
糞便
200
代謝物*X)
300
700
 
 
呼吸
300
合計
2,400
合計
2,400
 
*X)  代謝物:人体内において、体を構成している炭水化物、タンパク質、脂肪が酵素により分解され水となり排出されるもの
 
2)  結露が嫌がられる理由
結露は家庭の主婦にとって嫌がられる存在である。嫌がられるわけを以下にまとめる。
①  カビが生える
結露は量が少ないと、周囲の温度が上がるか、あるいは湿度が下がると自然に水分が蒸発し結露はなくなる。
しかし、冬場の朝方、窓ガラスやサッシについた結露が夕方までに蒸発してしまわないまま、翌日また結露をすることを繰り返すと、室内の湿度は一日中カビの発生が起こりやすい70%以上となったままである。
当然、1週間も続くと、室内の壁、天井、家具の後ろにカビが生えてくる。
また、窓ガラスの内側に吊るしたレースなどのカーテンは結露で濡れたり、湿度がいつも高くなっているためカビが生えやすい。
 
②  壁、天井、サッシ取り付け枠が傷む
結露により壁紙、プリントした天井板にカビが生えて汚くなり、サッシ取り付け枠周囲の木材が吸湿して腐ってくる。
この他、押し入れの壁、床のベニヤ板が吸湿してカビが生え、ボロボロになったりする。
 
③  カビの臭いがして気分、体調が悪くなる
カビの菌が室内に常時繁殖していると、部屋に入ったとたんカビの臭いがする。人によっては、カビにより気分や体調が悪くなるなどの害が出てくる。
カビの種類は黒カビが多い。黒カビは人体にそれほど悪影響は与えないが、壁などへ生えると、その後、室内の湿度が下がり、黒カビが死滅しても黒色が残るため、染みついた黒色を取り除くのは大変である。
 
3)  カビが発生しやすい場所
結露によりカビが発生しやすい場所を表3に示す。
 
3 結露によりカビが発生しやすい部屋
番号
部屋の名前
結露の要因
1
寝室
常時締め切っている
就寝時1人当たり4050g/時間の水分が発生
2
リビングルーム
夜間暖房を使った後、朝方室温が下がる
人がたくさん集まるため水分が発生
3
ダイニングルーム
食事の支度、食事の時(鍋料理など)に水蒸気が発生
食器乾燥機、食器洗い機から水分が蒸発
4
押入れ
空気の流れが悪い
 
4)  結露対策
結露防止の4原則*3)を以下に示す。
 
過度な湿気の防止
換気の促進
空気の流通を良くする
室内を適温にたもつ
 
*3)  結露防止の4原則
結露防止の4原則は建設省監修「結露防止ガイドブック」(財)建設環境・省エネルギー機構 が掲げたもので建築関係、建物の結露防止の文献、サイトで良く引き合いに出される。
役人が作成したため、非現実的な項目も見うけられる。
 
結露防止の4原則に具体例をつけたものを表4、その他の結露対策を表5に示す。
 
 
4 結露防止対策の具体例
番号
4原則
結露防止対策
具体的な対策
1
過度な湿気の防止
植物を少な目にする
植物を室内に置くと湿度が5%上昇。
 
2
洗濯物を室内にできるだけ干さない
洗濯物を室内に干すと湿度が26%上昇。
3
お湯を張った浴槽のドアを開放しない
 
浴槽にお湯を張ったまま浴室のドアを開けたままにすると室内の湿度が18%上昇。
 
(参考)ビジネスホテルなどへ宿泊した際、部屋が乾燥しすぎる場合、お湯を張った浴室の扉を開けたままにすると部屋の湿度を上げることができる。
4
ファン(灯油)ヒータ、ガスヒータの使用を控えたり、長時間使用しない
ファンヒータ(FF式(密閉式、強制給排気型)のファンヒータは室内に燃焼ガスを直接放出しないので除外)、ガスヒータは燃焼時に水分を室内へ放出するため、これらの暖房機器の代わりにエアコンを使う。
更にエアコンの暖房代はファンヒータの1/2、ガスヒータの1/4で済むため、エアコンが一番経済的である。
ただし、エアコンは短時間に室内の温度を上げることができない。朝一番に冷えきった部屋をすぐに暖めるにはファン、ガスヒータが優れており、これらを30分ほど使い、部屋が暖まったらファン、ガスヒータの使用を停止し、エアコンに切り替えるのが最適な暖房器具の使用方法である。
冬場に乾性皮膚炎(乾燥すると症状が出たり悪化する)になりかゆみや発疹がでる家族がいる場合、室内を乾燥しすぎないようにすると症状が改善するため、水分を発生するファンヒータ、あるいはガスヒータとエアコンを切り替えて運転したり、同時使用すると良い。
5
加湿器の使用は最小限にとどめる
関東地用では、冬場、乾燥注意報が発令される日が多いため加湿器を使用する家庭が多い。
加湿器の設定湿度を55%程度にとどめ過湿しすぎないようにする。
 
6
換気の促進
就寝時に部屋の湿度を下げる
就寝前に窓を5分程度開け、室内の暖まった湿度の高い空気を外気と入れ替えることにより部屋の湿度を下げる。
5分程度の窓開けなら、室内の温度はほとんど下がらない(室内の天井、壁、床、設置している家具などが暖まっているため)。
7
起床時に寝室の窓を開ける
寝室の湿度は就寝中に身体から排出された汗、呼吸により上がっているため、起床後、寝室の窓を開け、換気することにより寝室の湿度を下げる。
8
換気扇を常時使用する
ただし、冬場は冬季運転モードとする
新しいマンションでは、密閉性が高いため1日中常時換気が普通となっており、換気扇を止めないこと。
春~秋季の間、浴室換気扇は「標準設定モード」に設定し1日中連続運転とするが、冬場は標準風量だと浴室へ室内の暖かい空気が流れ寒く感じるため、風量を通常の半分程度の設定となっている「冬季運転モード」に変更し常時運転する。
風呂に入ったあとは、浴室内の湿度が高いため、1時間程度「高風量モード」とし、その後は「冬季運転モード」とする。
浴室換気扇、キッチンの換気扇は運転時には外気が窓の隙間から部屋へ流れ込むため室内の湿度は下がるが同時に室温も下がる。換気扇の運転時間や風量が多すぎると暖房の効きが悪くなるため、換気と暖房器具使用のバランスをとることがたいせつ。
9
使わない部屋、押し入れも換気する
使っていない部屋、倉庫代わりの部屋などは普段立ち入らないため、室内の空気がよどんでいるため、湿度が少ない昼間に窓やドアを開けて換気する。
押入れも乾燥したからっとした日にドアやふすまをあけて開放する。
10
空気の流通をよくする
家具は壁から離す
家具の後ろは空気の流れが悪いため、湿気がこもりがちとなりカビが発生しやすくなる。
理想として家具は壁から5~10cm以上離す。
実際は、狭い部屋を広く使うため壁際いっぱいまで家具を押し込む家庭がほとんどである。
また、理想として家具は床から2cm高く置きたいが、実用、美観上難しく、家具を床から高く置いた家庭を見たことがない。
11
押入れの収納物は床や壁から離す
押し入れは、開ける頻度が少ないため、押し入れ内の空気は常によどんだままのため湿気がこもりやすい。
押入れの床にすのこを敷く、プラスチックの収納容器、段ボールは壁から5cm離すことにより空気
が流れやすくする。
多くの家庭で乾燥剤を押し入れに置き、乾燥剤の効果がなくなったら交換するのも良い除湿対策である。
12
室温を適温に保つ
室温を適切に
冬場は20~23℃
夏場は25~28℃
冬場の室温を20~23℃に保ち過度に室温を上げない。
結露は温度差が大きいほど発生しやすいので過度に室温を上げすぎないことも重要。
13
部屋の中で低温の場所を作らない
暖房したリビングルームとドアをはさんで暖房していない玄関があると、ドアの隙間から暖かい湿った空気が玄関へ流れ込み結露が発生することがある。
全室暖房すれば解決するが、一般家庭では使わない部屋を暖房するなど無駄なことは絶対にやらない。
この項目は10.の家具と壁や床との隙間の確保と同様にまったく採用できない内容である。
 
 
5 その他の結露対策
番号
方法
結露防止対策
具体的な対策
1
部屋の断熱性を増す
窓ガラスの改造
 
窓ガラスを二重ガラス(ペアガラス)に交換する
既存の窓の内側にもう一枚内窓を取り付ける
窓ガラスの内側にプチプチやプラスチック板を張り付ける
2
カーテンの改良
カーテンで窓全体を覆うようにする
カーテンボックスの上部、側面を隙間をなくす
カーテンを厚手に交換したり、二重にする
3
水分を除去する
結露を取り除く
朝、窓ガラスやサッシについた結露を雑巾、結露とりグッズで取り除く。
結露は取り除かないと、室内の気温が上昇すると蒸発し室内の湿度を高める要因となるため朝取り除く。
4
除湿器を使う
湿度が高い部屋へ除湿器を持っていき、除湿する。
除湿器は持ち運びできるため、除湿する部屋を変えて使うと効果的である。
5
乾燥剤を使う
押入れ、ウォークインクローゼットなど通常密閉され、開ける頻度が少ない場所の除湿には乾燥剤が効果的である。
 
 
 
参照資料
雑情報を作成するにあたり、参考となる/参考にした新聞、雑誌などの出典元、年月日、タイトルを載せる。
 
1. 冬場の結露対策
★朝日新聞          2012128   家のしごと相談所 カビ・結露対策
                                                         小まめに拭き(ふき)湿度管理
 
★日本経済新聞    2012128   暮らしのワンポイント 常識点検
                                                         結露を防ぐ こまめな換気が大事
 
2. 結露を防ぐ
★日本経済新聞    2005122   HOME AND GARDEN
                                                         結露を絶つ  窓に断熱用シート
                                                         換気は2時間に1
 
★日本経済新聞    2010116   日経生活モニター会議
                                                         効果を感じた結露対策
                                                         寒くても寝る前に換気
 
★日本経済新聞    20111126加湿器を賢く選ぶには
                                                         手入れのしやすさ大切
 
★東京ガス 湿気から家を守るヒント10箇条
東京ガスTOP湿気から家を守るヒント10箇条  > ご家庭のお客さま > 食と暮らしの情報局 > my home, my style > 家づくりの秘訣 >
http://blog.tokyo-gas.co.jp/mystyle/hiketsu/page06.html
梅雨時を含めた結露対策全般を説明している。
 
TANIOKA ARCHITECTURAL DESIGN OFFICE 結露の話
http://homepage.mac.com/emichan_/ofc_web2/sumai/sumai-ketsuro.html
結露とは、結露防止の4原則について説明している。
 
住まいのTIPS 結露を防止したい!効果的な結露防止対策とは?
http://www.ienakama.com/tips/page/?tid=344
結露とは、結露防止対策をわかりやすく説明している。
 
分離発注でマイホーム、窓の結露
http://yes-net.ddo.jp/myhome/page2/119.html
結露の基本について計算式を用いて説明。多少、物理の知識がないと難しいかも?

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  1. 2013年01月23日 13:23 |
  2. 節約(税金 方法 防寒)