雑情報 (32-4)
家事が楽になるタイパ家電、その3 ロボット掃除機
要旨
1.普及が伸び悩むロボット掃除機 * タイパ家電として人気なのはドラム式洗濯乾燥機、食洗機及びロボット掃除機。 * ドラム式乾燥機は洗濯から乾燥まで一貫して終えるため、待ち時間を含め3~4時間を自由に使える。 * 食洗機は食器、鍋を並べると洗浄から乾燥まで工程を30分~1時間で終えることができ、その時間、家族団らんなど自由に使える。 * クイックルワイパー、ハンディ型掃除機、キャスター型掃除機は人手を要するが単独で床掃除を完了できる。 * ロボット掃除機は人手を使わずに床掃除ができるが、部屋の隅の部分など掃除ができない欠点があるため、他方式と併用しないと掃除が完結しない。 * 掃除の重要度は洗濯、食後の後片づけより低く、頻繁に掃除をする必要はない。 * 床掃除するのはリビング、キッチン、寝室などで、洗面所、浴室などと掃除の方法が異なるため、部屋に適した掃除機よりも、臨機応変に使える掃除機の方が便利。 2.ロボット掃除機 1)ロボット掃除機の特徴、メリット * ロボット掃除機は、自動で床面にあるごみを吸引してくれる優れもの。 * 掃除が終わると自分でホームベースへ戻り、充電を行う。 2)ロボット掃除機のデメリット * 部屋の隅は掃除できない、ロボット掃除機が入り込めない、段差がある、物が散らばった室内は掃除できない宿命がある。 * どの程度きれいになったかの判断が難しい。 * ロボット掃除機が動いている間騒音を出しており、誰も室内にいなければ問題にならないが、在宅の場合は気になる。 * 自動で室内を動き回るためカーペットの端、畳の一部、コード類、こぼれた水、ペットのふんを吸い込んでしまい、ロボット掃除機の故障や床面を汚してしまう。 * ロボット掃除機は段差があると乗り越えられない、また階段、掃き出し窓の端を検知できずに落下することがある。 * ロボット掃除機が動く際に家具にぶつかり傷つけることがある。 3)デメリットの改善策 * デメリットの中の「隅、狭い場所など掃除できない箇所がある」はロボット掃除機の構造、物理的に対応できないため、仕方がないと割り切って使うしかない。 * 他のデメリットは、実地のデータ取得、センサー、ソフトなどの技術の進歩により上位機種はかなり改善された。 4)ロボット掃除機の評価 * 掃除は部屋の隅ほどきれいにしたいのに、それができないロボット掃除機は掃除機として致命傷。ロボット掃除機は一言でいえば中途半端な家電製品である。 * 掃除の重要度が低い家庭はロボット掃除機に満足できる。 * コストパフォーマンスが低い上、事前に床面から物をどけておくなど準備作業をしていないと使えない。 |
1.普及が伸び悩むロボット掃除機
1)人気になっているタイパ家電
タイパ家電として脚光を浴びているのはドラム式洗濯乾燥機、食洗機及びロボット掃除機。
その中で、普及率が高い順に①洗濯、干す(乾燥)機能を一体化したドラム式洗濯乾燥機、②食後の食器、鍋の洗浄から乾燥までできる食洗機、③床掃除を自動で済ますロボット掃除機となっている。
2)ドラム式洗濯乾燥機、食洗機とロボット掃除機の性能の差
①ドラム式洗濯乾燥機
ドラム式乾燥機は洗濯から乾燥まで一貫して終えるため、脱水後に屋外、浴室内で干す、取り込む作業がなくなる他、待ち時間を含め3~4時間を自由につかうことができる。
ドラム式洗濯乾燥機はタイパが格段に優れていることから3割以上の家庭に普及した。
★ドラム式洗濯乾燥機所有率36.5%、「本体価格」を重視して購入/利用率、総合満足度第1位は「パナソニック/ドラム式洗濯乾燥機 LXシリーズ」|株式会社こどもりびんぐのプレスリリース (prtimes.jp)、2023年1月30日
②食洗機
食洗機に食器、鍋を並べると洗浄から乾燥まで工程を30分~1時間で終えることができ、その時間、家族団らんなど自由に使えるようになった。
ドラム式洗濯乾燥機と同様、タイパが良いため普及率が30%を超えている。
★もう普及率35%まで来た 新「三種の神器」食器洗い乾燥機の進化:日経ビジネス電子版 (nikkei.com)、2021年3月25日
③ロボット掃除機
従来のクイックルワイパー、ハンディ型掃除機、キャスター型掃除機は人手を要するが単独で床掃除を完了できる。
ロボット掃除機は人手を使わずに床掃除を2時間程度で終わらせることができるが、部屋の隅の部分など掃除ができない欠点があるため、他方式と併用しないと掃除が完結しない。
その結果、普及率は10%程度に留まっている。
★ロボット掃除機は超進化!それでもセカンド掃除機が必要な理由と使い分け術を家電ライターが指南 (1/3)| 8760 by postseven (news-postseven.com)、2022年9月1日
★アイロボットが障害物を学習するロボット掃除機前面にカメラ搭載の「ルンバj7」 | 電波新聞デジタル (dempa-digital.com)、2022年2月10日
★なかなか普及しないロボット掃除機「2つのハードル」とは|ニュースイッチ by 日刊工業新聞社 (newswitch.jp)、2020年2月12日
★共働き世帯の約3割が所有、コロナ禍で稼働減少の理由とは?/「ロボット掃除機」ランキング、利用率第1位は「アイロボット ルンバシリーズ」|株式会社こどもりびんぐのプレスリリース (prtimes.jp)、2022年1月12日
3)掃除の重要度は洗濯、食後の後片づけより低い
①掃除は頻繁にする必要はない
家事の中で洗濯をして乾燥させる、料理後の食器などの洗浄、乾燥作業は日々欠かせないが、掃除は頻繁にする必要がない。
②臨機応変に対応できる掃除方法が重要
床掃除するのはリビング、キッチン、寝室、子供部屋などで、洗面所、浴室、トイレ、玄関などは掃除の方法が異なる。
そのため、部屋に適した掃除機よりも、臨機応変に使える掃除機の方が便利である。
クイックルワイパーは万能の掃除道具であり、次にハンティ型掃除機が使い勝手がよい。キャニスター型掃除機はきれいに掃除できるが、コードがあるため使いづらい。
ロボット掃除機は自動で掃除ができるメリットがあるが単独ではきれいに掃除できない。
2.ロボット掃除機
1)ロボット掃除機の特徴、メリット
ロボット掃除機は、自動で床面にあるごみを吸引してくれる優れものである。
最新機種は、部屋のマッピングをして最適な移動ルートを見つけ動き回り、ごみを吸引し床面をきれいにする。
掃除が終わると自分でホームベースへ戻り、充電を行う。
上位機種はロボットが戻るホームベースに、収集したごみを吸引しダストボックスに貯留する機能をもっている。
2)ロボット掃除機のデメリット
①隅、狭い場所など掃除できない箇所がある
ロボット掃除機のデメリットは、「四角な座敷を丸く掃く」あるいは「四角い部屋を丸く掃く」(意味は物事をいいかげんに済ませること)のように部屋は四角なのに、部屋の隅は掃除できない、ロボット掃除機が入り込めない、段差がある、物が散らばった室内は掃除できない宿命がある。
★四角な座敷を丸く掃く(しかくなざしきをまるくはく)の意味・使い方をわかりやすく解説 - goo国語辞書、(2023年5月25日)
②どの程度きれいになったかの判断が難しい
ロボット掃除機の動き回るルートがランダムでは床面がどの程度きれいになったのが不明であり、マッピングしても床面の清掃具合がわからない。
③騒音が大きい
ダイソンのハンディ型掃除機の騒音問題がロボット掃除機でも懸念されている。
ロボット掃除機が動いている間騒音を出しており、誰も室内にいなければ問題にならないが、在宅の場合は気になるだろう。
④トラブルになる物を吸い込む
自動で室内を動き回るため、床面に何が置かれているかを確認できず、カーペットの端、畳の一部、コード類、こぼれた水、ペットのふんを吸い込んでしまい、ロボット掃除機の故障や床面を汚してしまう。
⑤段差を乗り越えられない、階段から落下
ロボット掃除機は段差があると乗り越えられない、また階段、掃き出し窓の端を検知できずに落下することがある。
⑥家具を傷つける
ロボット掃除機が動く際に家具にぶつかり傷つけることがある。
★買って後悔した家電ランキング、1位は子育て世代が絶賛するアレ(Forbes JAPAN) - Yahoo!ニュース、2023年5月17日
3)デメリットの改善策
デメリットの中で、①隅、狭い場所など掃除できない箇所がある はロボット掃除機の構造、物理的に対応できないため、できないものは仕方がないと割り切って使うしかない。
②~⑥は、実地のデータ取得、センサー、ソフトなどの技術の進歩により上位機種はかなり改善された。
★ロボット掃除機のメリットやデメリットを解説!選び方のコツも紹介! | 君は何が好きなの? (myblog-kiminani.com)、2022年11月23日
★ロボット掃除機はいらない?必要か?メリット、デメリット10選 | (kaden-log.com)、2023年5月30日
4)ロボット掃除機の評価
①ロボット掃除機は中途半端な家電製品
室内に積もるほこりは全床面を掃除しないときれいにならない。部屋の隅、狭いところほどほこりがたまり易くダニの繁殖、カビ発生の要因なりかねない。
掃除は部屋の隅ほどきれいにしないとだめなのにそれができないロボット掃除機は掃除機として致命傷。
一般家庭はクイックルワイパー、ハンディ型掃除機、あるいはキャニスター型掃除機で掃除をする際、イス、テーブルは動かしてごみの取残しがないようにしているが、ロボット掃除機はそのような器用な真似はできない。
これらから、ロボット掃除機は一言でいえば中途半端な家電製品である。
対策は、前記したように、クイックルワイパー、ハンディ掃除機、あるいはキャニスター型掃除機をロボット掃除機と併用するしかなく、2度手間になる。
②掃除の重要度が低い家庭はロボット掃除機に満足
家事の中で掃除は洗濯、食後の後片づけと比べると掃除をしなかった/できない場所があっても許される現実がある。
これより、部屋の隅にごみが残っても気にならない、多少掃除ができない場所があってもやむを得ない考える家庭ではロボット掃除機に満足するだろう。
ロボット掃除機を検討しているなら、以下の情報が役立つ。
★メーカーがぶっちゃけ回答!「高いルンバ」と「安いルンバ」の“決定的な違い”とは | TRILL【トリル】 (trilltrill.jp)、2023年4月13日
★「ルンバ」を中国勢が猛追、日本メーカーの今後は? 最新ロボット掃除機市場:知らないと損?業界最前線(1/4 ページ) - ITmedia ビジネスオンライン、2022年6月2日
③コストパフォーマンスが低い
ロボット掃除機は1~2時間で掃除が終わるがドアを開けておく、段差をなくす、床面から物をどけておくなど準備作業をしていないと使えない。
自動ゴミ収集機能付きのロボット掃除機は価格が15万円を超えており、コストパフォーマンスが低い家電といえる。
クイックルワイパー(価格2,000円)、ハンディ型掃除機(価格30,000円)なら70m2の住宅なら15分で掃除が終わり、キャニスター型掃除機(価格20,000円)でも20分で終わる。
なお、我が家はロボット掃除機を持っていないし、上記などの検討結果から購入する予定はない。
掃除については、
★人生と生活に役立つ情報マガジン 快適な掃除方法&スティック型掃除機の選定 (fc2.com)、2018年4月10日
に記載のマキタのスティック(ハンディ型)型掃除機を購入し5年使い続けているが、充電池、本体ともトラブルなく使用している。
今後も日々の掃除はスティック型掃除機とクイックルワイパーを交互に使い、月に1回の頻度でキャニスター型掃除機を使用する。
参照資料
雑情報を作成するにあたり、参考となる/参考にした新聞、雑誌などの出典元、年月日、タイトルを載せる。
★家電のプロが伝授! おすすめの最新ロボット掃除機|静岡新聞アットエス (at-s.com)、2023年4月23日
★お掃除ロボットにはデメリットもある!活用のコツ・選び方を解説 | グリーン住宅ポイント制度の交換商品一覧|京王百貨店(セレクチュアー) (keionet.com)、2021年9月24日
★「ロボット掃除機」って実際コスパ的にどうなの? 電気代やメリット・デメリットを検証 | ファイナンシャルフィールド (financial-field.com)、2923年2月7日
★「使い始めたらストレスから完全解放された!」一生、手離せない!推し家電13 | サンキュ! (benesse.ne.jp)、2023年4月12日
★「いちばん大変だと思う家事」ランキング!既婚男女576人の声を紹介 | kufura(クフラ)小学館公式、2022年1月8日
★米アマゾンがアイロボットを買収、その狙いは何か?:知らないと損?業界最前線(1/5 ページ) - ITmedia ビジネスオンライン、2022年8月30日
★「角(かど)」と「隅(すみ)」の違いって? | ことくらべ (kotokurabe.com)、(2023年6月11日)
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Author:当仁覆面士
専 門:機械技術者