2022年1月27日
雑情報 (64-6)
2022年(令和3年分)の確定申告はe-Taxの利用が便利
要旨
1.確定申告(申告・納税)の時期が近づいてきた * 2022年(令和3年分)の確定申告(以降、申告と呼ぶ)の申告受付期間は、2022年2月16日(水)~3月15日(火)。 * 申告するのは令和3年分(2021年(令和3年)1月1日~12月31日)に発生した所得である。 2.e-Taxを利用した確定申告が便利 * 昨年度からスマホによる申告がかなり便利になり、自宅にいながらパソコン、スマホを用いると24時間いつでも申告が可能となった。 * e-Taxの利用手続きがより簡単になり、①マイナンバーカード方式、②ID・パスワード方式で手続きができる。 * ①マイナンバーカード方式はマイナンバーカードとICカードリーダの両方を事前に取得しておく必要があるが、手続きの簡略化が図られている。 * ②ID・パスワード方式は、今後パソコン、スマホを用いたマイナンバーカード方式に一本化される。 * 今後いつまで利用できるかわからない過渡期のID・パスワード方式より、パソコン、スマホを使ったマイナンバーカード方式でのe-Tax申告を勧める。 3.確定申告時の注意事項 * 医療費控除は内容、明細書の様式に変更はない。 * ふるさと納税を行ったサラリーマン、年金生活者は申告を忘れないように! 4.我が家の確定申告と納税、還付 * 今年(令和3年分)の申告・納税は、パソコンを用いマイナンバーカード方式のe-Tax申告により、申告期間前の1月26日に済ませた。所要時間は1時間半。 * 準備する書類の中で入手が遅いのは「国民健康保険料の納付済額のお知らせ」。 * Windows10のセットアップ方法は毎年変わっており、少し手間取った。 * マイナポータルとの連携が始まったが、ソフトの出来が悪く改善の余地がある。 * 「マイナポータルと連携する」にアクセスしうまくいかないなら、「連携しないで申告書等を作成する」に切り替えて申請書を作成することを勧める。 5.マイナンバーカードのメリットとデメリット * マイナンバーカードの普及率は2021年12月に40%に到達。 * マイナンバーカードの普及は行政業務の合理化により無駄な費用の削減となる。 * マイナンバーカードの導入で先行している諸外国は、普及により個人情報の漏洩、政府による国民監視などの弊害もある。 6.サラリーマン、年金受給者の納税知識 * 医療費控除、保険料控除、ふるさと納税、住宅ローン控除、投資により損益が出た際は申告をしないと税金の還付、課税の減額、投資による損失の繰り越しを受けることはできない。 |
1.確定申告の時期が近づいてきた
2022年(令和3年分)の確定申告(以降、申告と呼ぶ)の申告受付期間は、2022年2月16日(水)~3月15日(火)。
この期間に申告するのは、令和3年分(2021年(令和3年)1月1日~12月31日)に発生した所得である。
★令和3年分 確定申告特集 (nta.go.jp)、(2022年1月26日)
2.e-Taxを利用した確定申告・納税が便利
パソコン、スマホを保有しているとe-Taxを利用できるので、わざわざ税務署、確定申告会場へ足を運び申告書を作成・提出する、あるいは自宅で作成した申告書の郵送などの手間を省くことができる。
数年前からスマホによる申告がかなり便利になった。
★国税庁からのお知らせ <スマホ申告の対象範囲が増えます>:令和3年分 確定申告特集 (nta.go.jp)、(2022年1月26日)
1)e-Taxの利用手続き
e-Taxの手続きがより簡単になり、①マイナンバーカード方式 あるいは②ID・パスワード方式で申告ができる。
①マイナンバーカード方式
マイナンバーカードとICカードリーダの両方を事前に取得しておく必要がある。
マイナンバーカードの普及促進のため、手続きの簡略化が図られている。
★マイナンバーカード方式について| 【e-Tax】国税電子申告・納税システム(イータックス) (nta.go.jp)、(2022年1月26日)
②ID・パスワード方式
マイナンバーカードを取得していなくても、ID・パスワード方式ならe-Taxにより申告ができるが、マイナンバーカードが普及するまでの暫定的な方式である。
★ID・パスワード方式について| 【e-Tax】国税電子申告・納税システム(イータックス) (nta.go.jp)、(2022年1月26日)
2)将来を見越した確定申告
今後、申告は暫定的なスマホを使ったID・パスワード方式から、パソコン、スマホを用いたマイナンバーカード方式に一本化される。
今後いつまで利用できるかわからない過渡期のID・パスワード方式より、パソコン、スマホを使ったマイナンバーカード方式でのe-Tax申告を勧める。
★確定申告のe-taxでidパスワード方式はいつまで使えるの? スマートフォン×マイナンバーカードでe-Taxが普及するまで (kakuteishinkoku-season.com)、2021年10月9日
3.確定申告時の注意事項
1)医療費控除は明細書の様式に変更なし
平成30年分の申告で大きく変わった医療費控除は今年は変更なし。
①医療費控除の提出資料
i) 医療費の領収書の提出又は提示が不要、ただし領収書は5年間保存する。
ii) 医療費控除の明細書(指定の書式に記載)の提出が必要。
②セルフメディケーション税制
健康の保持増進及び疾病の予防のため12,000円以上の対象医薬品を購入した場合、「セルフメディケーション税制」を受けることができる。
ただし、市販のビタミン剤、栄養ドリンク、予防的要素が強いサプリメントなどは医療費控除の対象にならない。
★セルフメディケーション税制の概要・手続など:令和3年分 確定申告特集 (nta.go.jp)、(2022年1月26日)
また、医療費控除とセルフメディケーション税制のどちらかを選択しなくてはならず、ダブって申告できない。
★医療費控除を受ける方へ:令和3年分 確定申告特集 (nta.go.jp)、(2022年1月26日)
2)ふるさと納税の申告
ふるさと納税を行ったサラリーマン、年金生活者は、申告を忘れないように!
「確定申告書等作成コーナー」に載っている、寄付金控除のふるさと納税(寄付)に従い申告する。
ただし、ふるさと納税ワンストップ特例を行った場合、申告は不要である。
申告前にふるさと納税の総額が納税金額より少ないかどうかを確認しよう。
ふるさと納税額が納税金額より少なければ問題ない。
多かった場合、来年度のふるさと納税額を納税予想金額より減らさないと、過剰な寄付をすることとなる。
★ふるさと納税をされた方へ:令和3年分 確定申告特集 (nta.go.jp)、(2022年1月26日)
4.我が家の確定申告と納付/還付
1)今年の確定申告
確定申告の作成に必要となる「公的年金の源泉徴収票」「国民健康保険料の納付済額のお知らせ」「地震保険料控除証明書」「医療費控除に必要な領収書」「寄付金受領証明書」「特定口座年間取引報告書」などを揃えた。
一番、入手が遅いのは、「国民健康保険料の納付済額のお知らせ」で今年は1月26日に郵送されてきた。
さっそく、1月26日の夕方から「国税庁の確定申告書等作成コーナー」にアクセスし手続きを進めた。
5年以上e-Tax申請をして申告には慣れており、自宅のパソコンからマイナンバーカードを用いICカードリーダを使う方式で申請した。
Windows10のセットアップ方法は毎年変わっており、少し手間取った。
それをクリアしたと思ったら、マイナポータル連携でつまずき、「マイナポータルと連携する」に2回チャレンジしたがうまくいかない。結局、マイナポータルとの連携をあきらめ、「連携しないで申告書等を作成する」に切り替えて申告書を作成した。
★【確定申告書等作成コーナー】-マイナポータル連携の選択 (nta.go.jp)、(2022年1月26日)
数年間e-Tax申請を行ってきた感想として、国税庁が親切心からマイナポータルとの連携をもくろんだのであろうが、ソフトの出来が悪く改善の余地が大いにある。
「マイナポータルと連携する」にアクセスしうまくいかないなら、「連携しないで申告書等を作成する」に切り替えて申請書を作成することを勧める。
完成度が低いソフトに付き合うと無駄に時間を費やすばかり。
「連携しないで申告書等を作成する」で申告書を作成しても、昨年の申請の手間と同じで手間が増えるわけではない。
今年の申告書の作成の要した時間は、つまずいた「マイナポータルとの連携」作業に20分。
「連携しないで申告書等を作成する」に切り替えてから、申告書の作成、e-Taxによる申請、電子納税、申告書の控えをプリンターで印刷、5年間保存する添付書類をまとめる作業、確定申告書ファイルに収めるまでに約1時間費やした。
2)過去の確定申告
①2016年以前の確定申告
2005年頃から2016年まで自宅のパソコンで申告書を作成、印刷し申告提出期間に揃えた書類一式を所轄の税務署へ持参あるいは郵送していた。
②2017年(平成28年分)の確定申告
2017年の申告から、申告書の作成、提出方法をe-Taxに変えた。
前もってマイナンバーカートの取得、ICカードリーダを準備し、自宅のパソコンからe-Tax申告を行った。
e-Taxを利用したため申告期間前に申告が終わった。
★人生と生活に役立つトレンディな情報マガジン e-Taxを利用し確定申告を自宅から行う (fc2.com)、2017年2月5日
③2018年(平成29年分)の確定申告
2017年に引き続きマイナンバーカードとICカードリーダを使い、申告期間前にe-Tax申告を行った。
★人生と生活に役立つトレンディな情報マガジン 2018年(平成29年分)の確定申告はe-Taxを利用しよう (fc2.com)、2018年2月1日
2017年から継続しているe-Tax申告を申告期間前の1月末に終えた。
今回のe-Tax申告は、事前準備が簡略化されていたため、自宅のパソコンを用いて申告の手続きを始めてから完了するまでに2時間程度で済んだ。
「確定申告書等作成コーナー」を利用したe-Tax申告に慣れたこともあるが、マイナンバーカードとICカードリーダによる事前準備が簡略化されたことも時間短縮につながった。
★人生と生活に役立つトレンディな情報マガジン 2019年(平成30年)の確定申告はe-Taxの利用が便利 (fc2.com)、2019年2月4日
⑤2020年(令和元年分)の確定申告
令和元年分の申告は2月11日に済ませた。
事前準備としてWindows10のパソコンにエッジに対応した国税庁のソフトをインストールしてから申告を行った。
申告、納付に要した時間はWindows10のエッジを用いた申告準備に30分。
申告書の作成に1時間、申告書の内容確認に15分、申告書控えのプリントアウトに15分を要した後、納付の手続きを行った。
すべてを終えるのにかかった時間は2時間。
その後、添付書類などの保管などを行い5年間保管するようにした。
★人生と生活に役立つトレンディな情報マガジン 2020年(令和元年分)の確定申告はe-Taxの利用が便利 (fc2.com)、2020年2月18日
⑥2021年(令和2年分)の確定申告
令和2年分の申告は1月31日に申告と還付手続きを済ませた。
事前準備として確定申告コーナーから新しいエッジに対応したソフトをインストールしその後マイナンバーカードの認証手続きを行った。
パソコンを使い毎年申告を行っているため1時間でe-Tax申請を終えた。
その後、諸官庁などから入手・受領した源泉徴収票、健康保険、社会保険料、民間保険などの証明書、医療費などの領収書、ふるさと納税の寄付金証明書などをまとめて保存して終了。これらの添付書類は5年間保管する義務がある。
★人生と生活に役立つトレンディな情報マガジン 2021年(令和2年分)の確定申告はe-Taxの利用が便利 (fc2.com)、2021年2月2日
5.マイナンバーカードのメリットとデメリット
①マイナンバーカードの普及率
マイナンバーカードの普及率は2021年12月に40%に到達した。
★マイナンバーカード普及率4割に 政府、ポイント付与で取得促進:時事ドットコム (jiji.com)、2021年12月6日
②マイナンバーカードのメリット、デメリット
国民一人一人へのマイナンバーカードの普及は、徴税などの行政業務の合理化により無駄な費用の削減となる。
事例に当てはめると、特別定額給付金の支給、コロナワクチンの接種管理の業務を迅速、確実に行うことが期待されるが、まだ道は遠い。
マイナンバーカードの導入で先行している諸外国は、普及により個人情報の漏洩、政府による国民監視などの弊害もでておりメリットばかりではない。
★世界各国のマイナンバー事情(前編) | ストラテ (atglobal.co.jp)、2021年6月2日
★世界各国のマイナンバー事情(後編) | ストラテ (atglobal.co.jp)、2021年6月10日
★マイナンバーは海外ではどう使われている?個人番号制度の国際比較 | ZEIMO、2020年6月25日
★国民識別番号 - Wikipedia、(2022年1月27日)
マイナンバーカードの取得には手間と日数がかかるので自治体のマイナンバーカード取得の情報を前もって調べておくとよい。
6.サラリーマン、年金受給者の納税知識
1)手間をかけただけ税金が安くなる
サラリーマン世帯は、通常源泉徴収により納税しているため申告することはない。
しかし、医療費控除、保険料控除、ふるさと納税(寄付金控除)、住宅ローン控除、投資により損益が出た際は申告をしないと税金の還付、課税の減額、投資による損失の繰り越しを受けることはできない。
年金生活世帯の場合、年金受給額が400万円以下は確定申告をしなくとも社会保険、健康、介護保険、配偶者控除などは税務署において控除され所得税がきまる。
もし、医療費をたくさん支払った、生命保険、地震保険、災害を受けたことがあれば、控除することができるので、数千~数万円税金を減らしたい(還付を受ける)なら、申告をしないと税金は戻ってこない。
税金は、なにもしなければ決められた控除しか受けられないが、手間をかけて医療費の領収書を取りそろえる、生命保険会社から郵送された生命保険控除を申告するなどを行うと手間をかけた分税金が安くなる。
2)税金について情報を調べ、知識を増やす
サラリーマン、年金受給者は、申告したらどの程度税金が安くなるか、税金が還付されるかを調べてみよう。
たとえ数千円しか税金が安くならなくとも、サラリーマン、年金受給者は税金の仕組み、税金を安くする、取り戻す方法などを知ることができる。
事業主、資産家は、税理士、公認会計士などの専門家に依頼しいいろいろな節税方法を駆使して一円でも納税額を減らそうとしている。
この機会に、サラリーマンもネットを通して納税の仕組みを知り、支払う必要(控除できる)がない税金を取り戻そう。
△ページトップへ戻る
Author:当仁覆面士
専 門:機械技術者