2018年10月29日
雑情報 (80-2)
ふるさと納税を行い地域の特産品を受領した その2
(ふるさと納税は自治体から納税者へのご褒美、知っている/実行した人だけが得をする制度)
要旨
1.ふるさと納税をした経緯と実際 * ふるさと納税サイトはそれぞれ特徴があるので、自分にとってメリットが多いサイトを選択する。 * ふるさと納税で人気がある返礼品は、牛肉、果物、米、カニ。 * 自治体への寄付金額は10,000円が大半を占め、還元率は概略寄付金の3割。 * ふるさと納税の手順は、欲しい品物をサイトから選び、カード決済する方法と同じ。 契約内容、品物、輸送日時などはすべてネット上から確認できる。 * 返礼品を受領した後、自治体から寄付金受納証明書とワンストップ特例申請書が送られてくる。 * ワンストップ特例申請をする場合は、書類に記載し自治体へ返送し、確定申告をする場合は、確定申告時に寄付金受納証明書を添付する。 2.返礼品の牛肉について * 10,000円の寄付の返礼品、和牛の切り落とし1.5kgを食べると、肉の固さは輸入牛肉並。和牛ならではのうまみとおいしさは実感できたが、ちょっとがっかり。 * 期待外れの要因は、和牛なので柔らかい肉だろうとの自分の思い込み、勘違い。 3.牛肉の品質表示の見方 ・切り落としはモモ、カタなど単一部位の肉をスライスしているので厚さが均一。 ・こま切れは様々な部位の端材を集めており、肉の厚みや大きさがばらばら。 ・こま切れは切り落としより安い。 ・ウデ肉は関西地方のみで使われている表示で、一般の名称はカタ肉。 ・返礼品を選定する際、牛肉のランク、牛肉の部位、加工の仕方により量が変わる。 ・量が多いものは、低品質のこま切れ、量が少ないものはランクが高いステーキ肉。 ・返礼品の牛肉に関しては、量に見合った品質となっており、お買い得品はない。 ・料理に適した牛肉の部位が違うので、料理にあった部位を選ぶのが賢い消費者。 4.ふるさと納税の見直しが進行中 * ふるさと納税の名称、仕組みを知っている人は9割、実際に利用した人は16%。 * 政府のふるさと納税の見直しの法規制が来年度から施行されそうなので、返礼品のメリットを十分に得られるのは今年いっぱい。 * ふるさと納税は高額所得者向けの税金優遇策なので、一般のサラリーマンには雀の涙程度の恩恵しか受けられない。 * それであっても、納税者は、ふるさと納税を利用し、ささやかながらも地方の特産品を受け取り家族で楽しもう! |
1.ふるさと納税をした経緯と実際
1)ふるさと納税を知ってからの対応
今年(2018年)の9月下旬、年金生活者でもふるさと納税を使えるかもしれないと知った。
すぐに、ネット上からふるさと納税のメリット、利用できる対象者、自治体からの返礼品、寄付金額に対する還元率などを調べブログにまとめた。
★雑情報 (80) 納税者はふるさと納税により地域の特産品をもらおう (概略200万円以上の年金受給者も恩恵を受けられる)、2018年10月3日
http://composttec.blog.fc2.com/blog-entry-349.html
2)ブログ作成後、ふるさと納税を行った
①ふるさと納税額の上限
今年(2018年)の我が家の納税予定額は、昨年(2017年)とほぼ同じ。
所得は夫婦2人の年金260万円のみ、控除額は昨年並みなので、今年の申告額は18,000円ぐらい。
ふるさと納税(自治体への寄付金)額は、納税額の8割程度に収めるのが望ましいことから15,000円ふるさと納税することとした。
②ふるさと納税サイトの選定
ふるさと納税をする自治体をどこにするかは頭を悩ます。
ふるさと納税サイトは、サイトにより掲載自治体の数の多少、カードが使える、サイトの利用によりポイントが得られるなどの違いがあるので、自分にとってメリットが多いサイトを経由するのがよい。
人気があるふるさと納税サイトは、ふるさとチョイス、さとふる、楽天ふるさと納税などである。
私の場合、返礼品のほかにサイトを利用するとポイントが得られることから楽天ふるさと納税サイトに決めた。
★ふるさとチョイス https://www.furusato-tax.jp/
★さとふる https://www.satofull.jp/
★楽天ふるさと納税 https://event.rakuten.co.jp/furusato/
③お目当ての返礼品を提供している自治体の選定
ふるさと納税で人気がある返礼品は、牛肉、果物、米、カニとなっている。
また、自治体への寄付金額は10,000円が大半を占め、還元率は概略3割。
我が家は、返礼品の人気度No.1の牛肉を提供している自治体から選ぶこととしたが、牛肉を特産品とする自治体はたくさんあり、どの自治体に寄付をするかは迷うばかり。
寄付金額10,000円に対応する返礼品の牛肉の品ぞろえは、
・和牛の高級ステーキ肉:2枚、合計400g。
・和牛のモモ、カタの切り落とし肉:800g。
・和牛の部位を表示していない切り落とし肉:1.5kg。
④返礼品として和牛を提供する自治体を決めた
楽天ふるさと納税サイトの中から、10,000円の寄付で返礼品として和牛切り落とし1.5kgを提供する自治体へ寄付した。
手続きは、楽天のサイトから物品を購入するのと同じ手順。
楽天のサイトを経由したことにより、寄付金額=購入金額として楽天ポイントを得た。
⑤寄付した自治体から確認のメール
寄付後、すぐに楽天のサイト、翌日に自治体から寄付金額、返礼品の内容確認のメールを入手。
⑥自治体から返礼品の配送の連絡
寄付をして12日後、自治体から返礼品に関する配送メールを受けた。
その後、配送会社から○月○日の○時間ごろ冷凍便で物品を配送するとのメールを受信。
⑦返礼品を受領
メールで連絡があった指定の日時に冷凍便で返礼品が届いた。
和牛の切り落とし1.5kgが複数個にパッキングされており、そのまま冷凍庫へ保管。
⑧返礼品を食べる
牛肉が届いた数日後、しゃぶしゃぶを食べるため、添付されていた解凍方法に従い、半日前に冷凍の牛肉400gをまず冷蔵庫へ移し解凍した。
解凍後の牛肉は、発色がよくおいしそう。
さっそく、しゃぶしゃぶにして食べたが、スライスがちょっと厚かったのか肉が固く、かつ筋があるため嚙み切らなければならなかった。
味は濃厚でおいしかったが、今回の切り落とし肉はしゃぶしゃぶには適さないとわかったので、次回はすき焼きにして食べることとした。
数日後、すき焼きとして400gを食べた。
スライスの厚みがすき焼きとしてあっていること、多少嚙み応えはあるが普段食べているアメリカ、オーストラリヤ産の輸入牛肉より味にコクがありおいしく感じられた。
⑨自治体から寄付金受納証明書を受け取る
牛肉を受領してから数日後、自治体から寄付金受納証明書とワンストップ特例申請書が郵送で送られてきた。
ワンストップ特例申請をする場合は、書類に記載し自治体へ返送する必要があり、確定申告をする場合には、確定申告時に寄付金受納証明書を添付すればよい。
私の場合、毎年確定申告をしているので、確定申告の時期になったら、e-Taxにより確定申告の際に寄付金の申告する予定。
★雑情報 (64-2) 2018年(平成30年)の確定申告はe-Taxを利用しよう、2018年2月1日 http://composttec.blog.fc2.com/blog-entry-333.html
2.返礼品の牛肉について
1)牛肉の品質はちょっと期待外れ
今回、はじめてふるさと納税を行い返礼品として牛肉の切り落としをもらった。
実際食べてみるまで、和牛の切り落としなので、もう少し柔らかい牛肉だと思っていたが、肉の固さは輸入牛肉並だった。
全体として、和牛ならではのうまみとおいしさは実感できたが、ちょっとがっかり。
2)期待外れの要因は、自分の勘違い
期待外れが起こった原因を調べるため、返礼品として受領した和牛の切り落とし1.5kgの仕様を再確認した。
牛肉の仕様を見ると、部位について記載はなく単に「和牛、切り落とし1.5kg」しか表示がなかったので、モモ、カタ(肩)、ウデ(腕)肉を切り落とし、単独あるいは混合したものと想定する。
最終的に、返礼品の表示違反ではなく、単に自分が勝手に和牛の柔らかい肉と勘違いしただけだとわかった。
私の経験から、ふるさと納税で返礼品として牛肉を選ぶ場合の参考になるよう、牛肉に関する情報をまとめた。
なお、返礼品の選択のみならず、スーパで牛肉を購入する際の参考になるかも?
3.牛肉の品質表示の見方
①切り落とし、こま切れの違い
・切り落とし:モモ、カタなど単一部位の肉をスライスしているので厚さが均一。
・こま切れ:モモ、カタなどの部位をスライスした時にでる端を集めているため、様々な部位の肉が混じっており、肉の厚みや大きさがばらばら。
・切り落とし、こま切れの表示には基準がないため、区別しないで販売していることもある。
・切り落としは部位により価格に差がある。
・こま切れは切り落としより安い。
★MYNews23、切り落とし肉とこま切れ肉の違いとは?値段が安いのはどっち?(2018年10月25日) https://mynews23.com/17923.html
②ウデ(腕)肉とは?
・牛のウデ肉は関西地方のみで使われている表示で、一般的な名称はカタ肉。
・関西地区以外の消費者はウデ肉の名称を聞いたことがない。
・なお、豚のウデ肉は、スジ,筋膜が多く、固いためほとんどがひき肉の材料として使われており、豚のウデ肉は売られていない。
★ことばマガジン、水のないプールとか、うで肉とか――関東人はミタ、2011年11月24日
http://www.asahi.com/special/kotoba/archive2015/danwa/2011111900001.html
③グレード(高級、価格が高い)の違い
牛肉をグレード順に並べる(多少の入れ替えはあるかもしれないが)
・肉の部位:ロース>モモ>カタ(肩)=ウデ(腕)>バラ(アバラ骨の周囲)
・肉の加工の仕方:ブロック>厚切り>切り落とし>こま切れ>ひき肉
・生肉の割合:生肉>成形肉(サイコロステーキ)>大豆たんぱく(植物性たんぱく)
・肉料理:ステーキ>しゃぶしゃぶ>すき焼き>焼肉>肉じゃが>野菜炒め
★macaroni、サイコロステーキがステーキじゃない!?「成型肉」の知られざる現状、(2018年10月25日)
★東洋経済ONLINE, 某ファミレス「人気ハンバーグ」の裏側外食の達人激怒!「このハンバーグはひどすぎる」、2014年5月30日
https://toyokeizai.net/articles/-/38788?page=2
④メニューに合った部位を選ぶ
・返礼品を選定する際、牛肉のランク、牛肉の部位、加工の仕方により提供している量が大幅に異なる。
・牛肉の量が多いものは、こま切れ(低品質)が多く、量が少ないものはランクが高いステーキ肉(高品質)となっている。
・自治体が提供する牛肉に関しては、量に見合った品質の牛肉となっており、お買い得品はない。
・肉料理のメニュー毎に、適した肉の部位が違うので、料理にあった肉の部位を選ぶのが最も賢い消費者。
★違いはねっと、牛肉の切り落としとバラの違い!それぞれどんな料理におすすめ?(2018年10月25日
https://違いは.net/archives/5232.html
★おが屋ブログ、牛肉の部位【肩・うで】の名称と特徴|美味しい食べ方をご紹介、2017年9月8日
http://oga-ya.com/blog/part/chuck.html
4.ふるさと納税の見直しが進行中
1)ふるさと納税は知っている人は多いが、利用しているのはわずか
ふるさと納税の名称、仕組みを知っている人は9割に達するが、ふるさと納税が開始されてから10年間の間に、実際に利用した人は16%しかない。
利用する理由は圧倒的に返礼品がもらえることとなっており、節税になるが続く。
利用した人は、9割以上が今後も続けたいと考えており、いったんふるさと納税をするとメリットが大きいことがわかる。
また、ふるさと納税は高所得者が多く住んでいる東京都心の区、兵庫県芦屋市、東京都武蔵野市などである。
高所得者がふるさと納税をするのは、納税額が多いため確定申告をしている、返礼品は豪華なものを得られることが要因だろう。
逆に言えば、高所得者はいろいろな方法で節税ができメリットを得られることを示している。
★CROMEGANE、ふるさと納税利用実態調査。利用経験の有無やその理由とは? 2018年8月28日
https://www.cross-m.co.jp/cromegane/ht20180828/
★日本経済新聞、ふるさと納税、東京都心3区が上位 高所得ほど活用、
2018年10月13日
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO36425260S8A011C1EA5000/
2)政府はふるさと納税の見直しを検討中
ふるさと納税制度は今後も継続されるが、10年間制度を続けてきたことで不都合が見受けられるようになった。
大きな問題は、自治体の地元産品ではない物品を返礼品として提供、旅行券、金券に類するものの提供、還元率が寄付金額の3割をはるかに超えているなど。
総務省から自治体への指摘などにより、制度の不備が徐々に改善しつつある。
例として、地元産品以外の提供は徐々に解消されはじめ、ネットや金券売り場で換金が容易な旅行券、クオカードなどもなくなってきた。
還元率も総務省の締め付けにより100%を超えるような返礼品はなくなった。
還元率が高い返礼品の実勢金額は、定価があってないような牛肉、果物、海産物が多く、本当に還元率が高い品物、品質かどうかは疑問。
牛肉の場合、素人が見ただけでランク、部位はわからない。
高い還元率の牛肉の実態は、低品質の牛肉かもしれない? 実際の還元率は30%程度?
政府のふるさと納税の見直しの法規制が来年度から施行されそうなので、返礼品のメリットを十分に得られるのは今年いっぱい。
ただし、サラリーマンは住宅ローン控除などを利用しているため、1,000万円以下の年収の場合、還元率が下がってもほとんど影響がない。
そもそも、ふるさと納税は高額所得者向けの税金優遇策なので、一般のサラリーマンには雀の涙程度の恩恵しか受けられない。
それであっても、納税者はふるさと納税を利用し、ささやかながらも地方の特産品を受け取り家族で楽しもう!
★ヤフーニュース、AbemaTIMES, ふるさと納税「行き過ぎ」問題、古賀総務政務官「ご納得頂けない自治体があれば返礼率の法案化も」2018年10月24日
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181024-00010001-abema-pol
★ヤフーニュース、JIJI.COM、ふるさと納税返礼品、9割が見直す方針=法規制前に自治体―時事通信調査、2018年10月12日
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181012-00000010-jij-pol
★ヤフーニュース、ZAIonline, ふるさと納税は“10月末”までにやらないと損をする!?総務省による「返礼品の法規制」が決まり、寄付金が多い人気の自治体でも「返礼品の見直し」が本格化!2018年10月25日
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20181025-00182977-dzai-bus_all
参照資料
雑情報を作成するにあたり、参考となる/参考にした新聞、雑誌、サイトなどの出典元、年月日、タイトルを載せる。
★BEEF IROHA,純国産黒毛和牛、部位について、(2018年10月25日)
http://www.beef168.co.jp/wagyu
Author:当仁覆面士
専 門:機械技術者