2017年7月17日
エアコンを使い快適な生活をしながら電気代を減らす(内窓の取り付け、扇風機の併用、すだれを使う、あるいは緑カーテンを育てる)
要旨
1.部屋の断熱化、遮音対策 * 既存の窓に内窓を取り付ける。 * 窓枠と窓との間には、耐候性(日光、雨風、温度などに耐えうる)のシール材が取り付けられているが、年月がたつと劣化してすきまが広がる。 * シール材の交換、あるいは追加のシール材の取り付けによりすきまを埋めることができるので、窓枠にあった材質、形状、寸法のシール材を購入する。 2.内窓の効果 * 内窓の断熱効果を感触として体感できた。 * 内窓により、セミの大合唱が気にならないほど小さくできたことから、遮音性能は素晴らしい。 3.エアコンの使い方、電気代を減らす * 都会に住もうと、緑が多く環境の良い地方にいようと夏場を快適にすごすためには、常にエアコンを使わざるを得ない。 * エアコンは使用開始時に多くの電力を消費するので、一旦、エアコンをつけたら、以降は入り切りを止めるのが効率的。 * エアコンの使用中は、扇風機を併用し部屋全体の温度分布を均一にする。 * 扇風機を置く場所は、室内の広さ、エアコンとの位置関係により適した場所があるため、扇風機の位置、風を向ける箇所は試行錯誤で決める。 * 扇風機を室内の空気循環用に使用する場合、首振りはさせないで一定の方向へ向けて風を送るのが室内に空気の流れができるので効果的かも? * すだれを取り付けると、直射日光が入るのを減らせるので、電気代の削減となる。 * キュウリ、ゴーヤ、アサガオなどの緑のカーテンで窓を覆うと、すだれ同様の節電効果を得られる。 * すだれ、緑のカーテンの室内は、想像していた以上に薄暗く、昼間でも照明が必要。 * すだれは状況の応じて開け閉めできる、夏が終われば保管できるので何年も使い続けられる。 * 緑のカーテンは水やりが大変な上、ひと夏しか使えない。 * 手間、お金をかけずにエアコンの省エネをはかりたいなら、すだれを使うのがベスト。 * 緑のカーテンの維持には、手間がかかるため園芸好き、かつ植物の面倒をみることができる専業主婦あるいは、高齢者家庭だけである。 |
1)リビングに内窓を取り付け
16畳のリビング+キッチンの冷暖房効率を上げ、光熱費を削減するため、部屋の断熱化を行った。
リビングの断熱化にあたり効果、費用、DIYの可否などを検討し、最終的にYKK-AP製の内窓、プラマードUを自分で取り付けた。
これらの経緯は、
★雑情報 (67) DIY(自分)で内窓を取り付け、 2017年5月24日
http://composttec.blog.fc2.com/blog-entry-315.html
に紹介している。
2)窓と窓枠の隙間をなくす
①窓と窓枠のシール材も劣化する
リビングなどに使われている窓は開け閉めができるようになっているため、窓を閉めた時に多少すきまが生じてしまう。
窓枠と窓との間には、すきまをふさぐため耐候性(日光、雨風、温度などに耐えうる)があるシール材が取り付けられている。
当初、シール材によりぴったりと窓と窓枠とがくっつきすきまはなかったものが、10年も経過するとシール材自体の劣化、弾力性の低下によりシール効果が弱くなる、場合によっては窓枠自体の変形、歪みも加わりより隙間が広がってしまう。
この結果、隙間を通して室内外の空気、熱が自由に出入りし遮音効果も低下する。
放置しておけば、ますます事態が悪化する。
②シール材を購入する際、材質、寸法を決める
シール材の交換、あるいは追加のシール材の取り付けにより隙間を埋めることができるので、やってみよう。
シール材は、耐候性がある材質を選定することは当然であるが、取り付けたい箇所にピッタリ収まるようにしないと効果を発揮できない。
事前に窓枠の寸法などを計測し、窓枠などに合った幅、高さ、長さのシール材を入手する。
シール材を購入する際に最も重要なのは耐候性である。
耐候性があり、入手が容易なシール材は以下の2製品なので、いずれかの製品を選ぶか、あるいはこれらと同等性能を持つ他社製品を購入する。
i) ニトムズ(日東電工の子会社)の防水ソフトテープ
ii)日東電工のエプトシーラー (色は黒のみ)
防水ソフトテープはどこの日用雑貨店、大型スーパで販売しているが、エプトシーラーは主に住宅施工業者向けに販売されているため大手のDIY店でしか入手できない。
ネットではいずれの製品も購入でき、価格はエプトシーラーの方が若干高い。
昨年(2016年5月)に窓サッシのシール材としてエプトシーラー(日東電工製、No.686 10×10×2,000)を貼り付けた。1年経過したが、弾力性を維持しており十分にその性能を発揮している。
★Nitto ニトムズ、防水ソフトテープ、(2017年7月13日)
http://www.nitoms.com/products/tape/shouene/waterproof.html
★Nitto、エプトシーラーについて、(2017年7月13日)
https://www.nitto.com/jp/ja/products/group/sealing/eptsealer/about/
画像2 右側の丸い黒いもの:窓のシール用に購入したエプトシーラー
左側:室内用のすきまふさぎ、戸当たり防音材
画像3 リビングの窓枠両側面に貼り付けたエプトシーラー
黒いスポンジ状のもの(日東電工製、No.686 10×10×2,000)
2.内窓の効果
①1年経過後に判断できる
2017年4月初旬に内窓を取り付けた後、6月末からエアコンを使い始めた。
内窓による電気代の低減効果は、最低でも1年間の電気使用量を昨年分と比較しないとわからない。
②内窓の断熱効果は体感できた
上記から、今すぐに内窓の効果を数値で示すことはできないが、感触として効果を体感できた。
7月に入り、30度を超える日中であっても、内窓の室内側のガラスは触ってもひんやりとしている。
内窓を開けると、既存の窓ガラスと内窓の間に溜まった熱気が出てくるのがわかり、更に既存の窓ガラス、窓サッシを触ると、外気により熱せられ温かくなっている。
③内窓の遮音効果は抜群
遮音効果が確認できたのは、九州北部の集中豪雨が終わった7月9日から、セミが一斉に鳴き始めた時からである。
昨年、セミの大合唱は7~9月までの3か月間続き、気が狂いそうになるほどうるさく、窓を開けていると、テレビの音がセミの騒音で聞こえなくなるほどであった。
ちなみに、セミの鳴き声は、80デシベル程度で窓が開いている地下鉄の車内位の騒音に相当するようである。
★ヤフー知恵袋、セミの本気鳴きの騒音レベルって例えると何に匹敵しますか? 2015年7月25日、
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12148254772
セミがうるさく鳴いている朝、既存の窓ガラスを閉めたけでは、セミの声はうるさいと感じる。
次に内窓を閉め、ロックした途端、セミの鳴き声はかすかに聞こえるほど小さくなった。
内窓の素晴らしい遮音効果を経験した瞬間となった。
その後、夏場、頻繁に行われている雑草刈り時に使用している草刈り機の金属音とエンジン音、いずれもカン高い連続音のため、猛暑の夏ますます不快感が増す。暑い中、草刈りに従事する作業員の方の苦労、大変さには同情するが・・・
内窓のおかげで、草刈り機の騒音は、遠くで太鼓をたたく音のように聞こえ、不快な騒音ではなくなった。
3.エアコンの使い方
3.1 従来、現在のエアコンの使い方
我が家のエアコンは、セミが鳴き出し始める前の6月末からフルに動いている。
朝起きて、全室内の窓を開放し室内の空気を入れ換えたら、窓を閉め、エアコンを付ける。夏場は夕方になっても外気温が高いため、使っている部屋のエアコンはつけっぱなしである。
ちなみに、関東地域のマンションに居住していた頃、夏はゼミの鳴き声は少なく気になることはなかったが、居住場所が道路、鉄道から100mと近かったため窓を開けると騒音が大きく、粉じんが部屋の中に舞い込むため、夏季は、部屋を閉め切りエアコンを一日中使っていた。
結局、都会に住もうと、緑が多く環境の良い地方にいようと夏場を快適にすごすためには、常にエアコンを使わざるを得ない。また、政府が推奨しているエアコンの設定温度28℃にすると、座っていても汗ばむので27℃に合わせている。
エアコンの代わりに扇風機を使う、夜間に窓を開けるなどへの対処、エアコンの使用時間を減らす、エアコンの設定温度を上げる、昼間は涼しい図書館、ショッピングモールへ出かけて過ごす、北海道へ夏場だけ移住する、避暑地で過ごすなどの方法もある。我が家は、ほとんど自宅で過ごす生活習慣から、費用対効果、快適な生活を維持するために常時エアコンを使用している。
そのため、エアコンの電気代を押さえる方策をネットなどから情報を得て実施している。
3.2 エアコンの電気代を減らす工夫
1)無駄のないエアコンの使い方
新聞、ネットなどから、エアコンはスイッチを入れてから安定するまでの時間(使用開始時)に多くの電力を消費するので、一旦、エアコンをつけたら、以降は入り切りを止めるのが効率的であると知ったので、我が家でも実践している。
エアコンは、夏場でも朝方は窓を開放したまますごし、外気温が上昇し暑くて耐えられなくなってきたら、リビングの窓を閉め、エアコンをつけている。あとは就寝する夜の12時までエアコンを止めることはない。
ただし、外出などで1時間以上部屋を開ける時には、当然、エアコンは停止している。
昼間に外出し、帰宅した際には、エアコンを使用する前に風が吹き抜けるように部屋の空気を入れ換え、室内の熱気がなくなる15分たったころ、リビングに通じている、玄関への通路、洋間のドア、和室のふすまを閉め、エアコンをつけている。
もちろん、リビングの既存のガラス窓は閉め、鍵をロック、内窓も閉めて、鍵をロックしている。
★日経プラス1、夏のエアコン 外出30分なら「つけっ放し」が省エネ、2017年7月14日
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO18552000W7A700C1W07000?channel=DF260120166522
2)エアコン使用時に扇風機を併用
エアコン使用中は、リビング内の上下の空気の流れを促し、リビング全体の温度分布が均一となるよう、既存の扇風機を極力天井に向けて動かしている。
正確に言えば、扇風機なので上向きに45度以上は傾けられないので、ななめ方向の壁に向かって扇風機をあてている。
扇風機を置く場所は、室内の広さ、状況、エアコンの位置により、適した場所があり、扇風機の位置、風を向ける(当てる)箇所を試行錯誤で決める必要がある。
我が家の場合、扇風機はエアコンとソファの間に置き、エアコンと直角方向の壁に45度上向きにして最低風速で使うのと効率的に部屋全体が冷えるようである。
試しに、扇風機を停止し5分たつと上下の温度むらが感じられるのみならず、エアコンの温度設定を1度下げないと涼しく感じない。
経験上、扇風機による、室内の空気循環の威力は絶大で、確実にエアコンの設定温度を1度上げることができた。
最近見たテレビによると、エアコンの電気代節減のため扇風機を室内の空気循環用に使用する場合、首振りはさせないで一定の方向へ向けて風を送るのが室内に空気の流れができるので効果的であると説明していた。
なお、エアコンと扇風機を併用することにより、室内の温度むらをなくし電気代を減らす効果はあるが、エアコンと扇風機の位置関係、扇風機の風向き方向についは、各種各様の意見があり、どの部屋でも共通してこれだ!と決め打ちすることはできない。
各自、扇風機を自分の部屋のあちこちに移動させ、風向を変えて冷え方が良いポイントを探すことが大事であろう。手間はかかるが、何度かトライすれば、そのうち最適の場所、風向が決まる。
以下のいくつかのサイトは、参考例として示したもので、これらの方法が使えるとは限らない。
★NOTEPRESS、エアコンと扇風機の併用!効率的な位置や向きは?図を使って説明!(2017年7月13日)、
http://visualshoxxx.com/36.html
★トレンド情報サイト、エアコンと扇風機の併用!本当に涼しい温度になるの?(2017年7月13日)
http://season-news.info/archives/2551.html
★siritakatta-info.com、冷房器具の効果的な使い方! エアコン正しい風向きと扇風機の併用法!2015年3月18日
http://siritakatta-info.com/archives/4461.html
3)すだれを使う
夏場の直射日光は、バルコニーを熱し、窓ガラスを通して室内を熱くする。
手軽な対策は、すだれを窓の外側に取り付けることで、直射日光が室内へ入るのを大幅に減らすことができる。
画像4 リビングの窓の外側にすだれを取り付け
なお、今回、取り付けすだれは7年前に購入し、毎年夏季4か月使い続け、秋になるとすだれの表面のみを濡れ雑巾で拭き、乾かせた後翌年の夏まで保管していたものである。
すだれの色は、購入当時に黄色から薄茶色に変わっているが、破損はなくまだまだ使える。
まだ、すだれを使っていながったら、さっそく実施して見よう。
すだれは、DIYの店から1枚、幅90cm×180cmサイズを300円程度で購入できる。
エアコンの節電対策として、すだれの取り付け方などを以下のサイトで紹介している。
★雑情報 (39-2) 賢く節電しよう。すだれは使える、2011年7月10日
http://composttec.blog.fc2.com/blog-entry-146.html
4)緑のカーテンを作る
すだれと同様の節電効果を生むのは、キュウリ、ゴーヤ、アサガオなどの緑のカーテンで窓を覆う方法がある。
緑のカーテンの概要、適した植物、育て方は以下のサイトを参照。
★雑情報 (31-3) 節電を兼ねたベランダ菜園、2011年6月27日
http://composttec.blog.fc2.com/blog-entry-120.html
今年、緑のカーテンとして5~6月にかけキューリ、ゴーヤを、それぞれ2本ずつプランターに植えた。
画像5 植え付け後に成長したキュウリ(左)とゴーヤ(右)
順調に成長し、7月中旬には、窓全体を覆い尽くすほどになり、キュウリ、ゴーヤが収穫できるようになった。
画像6 ジャングルのようになった緑のカーテン(キュウリ、ゴーヤ)
5)すだれ、緑のカーテンからわかったこと
すだれは長く使い続け、緑のカーテンは今年初めて、本格的に作った。
両方を試してわかったことして、
①生い茂った緑のカーテンの室内は、想像していた以上に薄暗く、昼間でも照明が必要。
→緑のカーテンの効果はありすぎた。
来年は、キュウリ、ゴーヤの植え付け本数を半分にする、作付けの間隔を広げれば大丈夫そう。
別の緑のカーテンの植物を新たに開拓する。
ただし、すだれを使用した場合にも、緑のカーテンと同様に室内が暗くなるので、本などを読む場合には照明を必要とする。
②ゴーヤ、キュウリの実がたくさんなり、7月以降スーパでこれらを買うことはなくなった。
→期待した以上にたくさん実り、喜ばしい。
キュウリは2人で食べきれる収穫量であるが、ゴーヤは多少苦味があり、料理のレパートリーが少ないため、来年度は2本から1本へ減らさないと食べきれない。
③台風などの強風が吹くと、植物を退避させることができないため、葉っぱがあおられ一挙にしてダメになる可能性がある。
→台風に遭遇する頻度は少ないだろうが、自然災害に合ったとあきらめるより仕方がない。
④緑のカーテンは葉っぱが増えるほど、水分を必要とするため、プランター栽培なら、朝と夕方の2回の水やりがかかせない。花好きでないとやっていられないかも?
→我が家は1日以上、室内を開けることはないため、来年も緑のカーテンを続けることができる。
⑤緑のカーテンは、アブラムシ、ハダニなどが発生することがあるので、葉や土壌への薬剤散布が必要となる。
→ネットで害虫駆除の情報を入手し、対応すれば問題なし。
⑥すだれは緑のカーテンと違い、昼間のくもり、雨及び夜間には巻き上げ機で簡単に上部に巻き取り収納できるので室内が暗くなることは無い。
また、台風が襲来する前に、すだれを室内へ取り込めるメリットがある。
→すだれは、安価で使い勝手が良いので誰でも手軽に使うことができる。
緑のカーテンはひと夏しか使えないが、すだれは、夏を過ぎたら、巻き取り室内に保管しておくと、何年も使い続けることができる。
これらから、手間、お金をかけずにエアコンの省エネをはかりたいなら、すだれを使うのがベスト。
緑のカーテンは、手間がかかるため園芸好き、かつ植物の面倒をみることができる家庭、すなわち、一日中自宅にいる専業主婦あるいは、引退した高齢者家族しか維持できない。
室内:内窓、既存の窓ガラス(+レースのカーテン)
屋外:すだれ
画像9 洋間の暑さ対策
室内:窓ガラス(+レースのカーテン)
室外:緑のカーテン
参照資料
雑情報を作成するにあたり、参考となる/参考にした新聞、雑誌などの出典元、年月日、タイトルを載せる。
★スガナミ楽器、防音対策の基礎知識!防音、遮音、吸音の違いとは、(2017年7月13日)
http://www.suganami.com/shop/sound/column/so0006
★雑情報 (22-2) 温かく冬を過ごす方法、その2 窓、室内仕切り、換気、2.2 窓ガラスの隙間テープの状況は? 2009年12月25日
http://composttec.blog.fc2.com/blog-entry-70.html
★weblio辞書、ガラス用語集、はめ殺し窓、(2017年5月13日)
http://www.weblio.jp/content/%E3%81%AF%E3%82%81%E6%AE%BA%E3%81%97%E7%AA%93
★エネチェンジ、こまめなオンオフは逆効果!エアコン冷房、つけっぱなしの電気代と効果的な節電、2017年5月24日、
https://enechange.jp/articles/aircon-cooling
★節約を楽しむシンプルライフ、エアコンの電気代を節約する13のテクニックで暮らしを楽に、(2017年7月13日)
http://idel-realization.jp/shelly/electricity-bill-saving-989
Author:当仁覆面士
専 門:機械技術者