関連タイトル
- 2017年01月25日 09:38 |
- 葬儀・相続(ビジネス 遺産)
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2012年8月5日
雑情報 (38-5)
日経トレンディ「エンディングに備えるマネー術」の紹介
1.幸せなエンディング(死)を迎えるための各種情報
本日(2012年8月5日)
日経トレンディ 2012年9月号「エンディングに備えるマネー術」
日経BP社 690円
が発売された。
“日経トレンディ”は、毎号、最新の流行、特に若い世代向けに家電、携帯電話、レジャー施設、アウトレットモールなどの情報をいち早く載せているが、今回初めて中高年向けの話題をテーマとした。
中高年の読者層が多い“週刊ダイヤモンド”、“東洋経済”、“プレジデント”などは従来から、定年、相続、葬儀、介護などを特集として取り上げていた。
今回の“日経トレンディ”のコンテンツ「エンディングに備えるマネー術」は、日本経済新聞社の情報網をフルに使って作成したようで相続、年金、介護、資産運用、葬儀を網羅しバランス良くまとめている。
“日経トレンディ”のコンテンツのうちエンディングノート(ライフプラン)、相続、葬式、介護に関しては情報メルマガで発行した内容とあまり変わらないため、これらを読み直せば済む。
表1に情報メルマガダイジェスト版からの関連ファイルを示す。
ただし、“日経トレンディ”はエンディングに関する情報をひとつにまとめているため、読みやすい。
関心があれば、本屋あるいはコンビニで立ち読みし、気に入ったら購入すると良い。
表1 情報メルマガダイジェスト版からの抜粋
番号 | タイトル | 情報番号 | サブタイトル | 発行年月日 |
129 | ライフプラン 人生設計 | ライフプラン(6) | | 2006年12 月28日 |
130 | ライフプラン 人生設計 定年後 | ライフプラン(6-2) | | 2006年12 月31日 |
132 | ライフプラン 人生設計 資産 | ライフプラン(6-4) | | 2007年6 月17日 |
27 | 葬儀 | 雑情報 (29) | | 2010年2月9日 |
30 | 相続 | 雑情報 (38) | | 2011年1月22日 |
31 | 相続 | 雑情報 (38-2) | | 2011年2月5日 |
32 | 相続 | 雑情報 (38-3) | | 2011年2月25日 |
33 | 相続 | 雑情報 (38-4) | | 2011年5月27日 |
76 | 家族,帰省, 介護,相続, 葬儀 | 雑情報 (35) | | 2010年8月10日 |
77 | 家族,帰省, 相続,葬儀 | 雑情報 (35-2) | | 2010年8月10日 |
2. 日経トレンディ「エンディングに備えるマネー術」の概要とコメント
1) エンディングノートが流行っており、30~50代が作成するライフプランの延長線上のものとみなすことができる。
エンディングノートは、自分の死期がいつ訪れてもよいよう、事前の準備のためのものである。遺族が死後にドタバタ、無駄な出費、争いをしないように書きとどめたい。
ただし、エンディングノートには遺書とは異なり、法律上の拘束力はない。
遺産配分のトラブルを避けるためには、事前に遺書を作成することが大事。
2) エンディングノート(若い世代はライフプラン)を作成すると、将来計画が見えてくる。
子供の教育費、住宅の取得費、老後の生活費などにかなりのお金が必要なことがわかる。
(私見)
エンディングノート(ライフプラン)の作成は、現在の自分の状況、将来の計画を知るために役立つので、ぜひとも作成したい。
3) 将来の年金があてにならないため、貯蓄は60歳までに3,000万円を貯めたい。リスクを避けるため分散投資をおこない、貯蓄を増やす。
(私見)
記載している、資産運用の目標の年率3、5、7%はまったく現状ではありえない想定値。銀行の定期預金の利回りが最高でも年率0.3%しかないのに、夢を載せても意味がない。投資のプロ中のプロでも年率3%の好成績を20年間、続けることはありえず、うそ話である。
世界経済が不安定な中、日本ではデフレが続いており、資産を増やす必要はなく、減らさないことが大原則。
ハイリスク、ハイリターンの投資話に乗って資産を減らさないようにしよう。
「エンディングに備えるマネー術」に載せられている資産運用の部分は、夢の話としてスキップ(読まないか流し読み)するのが正解。
4) 相続税の施行が2014年から行われる予定となり、大都会に土地持ちのサラリーマンは、相続税対策を検討しよう。
(私見)
都心に土地を持たない、あるいは地方で生活しているサラリーマンは相続税の改正があっても、ほとんど影響がないが、一応、相続税改正の概要は知っておこう。
サラリーマンであっても、親から土地や財産をもらった、離婚して子供がいる、養子縁組をした、愛人がいるなどの場合は、相続対策を準備しておかないと、あとでトラブルの元となる。
5) 無駄な出費の一つの保険を再検討しよう。住宅ローンも借り換えると得をするかもしれない。保険は無駄なものは止めるのが鉄則。
6) 死ねばネット上の情報は永遠に残る。
ネット証券、銀行など通帳がないネット系は死後、遺族がネット系に資産があることがわかるようにしておくことがたいせつ。
7)介護の方法、費用など介護に必要な費用を載せている。
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- 2013年06月10日 16:54 |
- 葬儀・相続(ビジネス 遺産)
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2011年5月27日
雑情報 (38-4)
相続をどうするか その4
相続権及び相続人に係わるトラブル
要旨
1.相続税増税法案の一時棚上げ * 東関東大震災の発生により、相続税を含む税制改正の成立が遅れることとなった。 2.遺産相続時の重要事項 * 遺産相続時に確認しなければならない重要事項は、① 遺産はどの程度か、② 誰が相続権を持っているのか ③ 遺産を誰にどのように分けるのかの3点。 3.相続権について 1) 相続権について勘違いしやすい重要事項 * 相続権の決まり事は相続時の最重要項目の一つなので、常識中の常識として誰もが内容を十分すぎるほど理解し勘違いがないようにしたい。 * 相続では配偶者の位置づけがどのような場合でも最上位にあり、法的に相続権がない内縁の妻、同棲、愛人、離婚した妻とは天と地ほどの差がある。 * 養子縁組を行うと養子は実子と同じ相続権を持つ。 * 子どもがいない配偶者や独身者は遺書の作成が絶対に必要。 * 連れ子で再婚した子供は相互に養子縁組を行うこと。 2) 相続権の決まり事 a)相続権がある人は法定相続人として法律で定義されている。 b)法定相続人は順位が決まっている。 c)配偶者はどのような場合でも相続人。 d)第一順位は直系卑属(親の子供)、第二順位は直系尊属(祖父母)、第三順位は傍系血族(おじ、おば)。 3) 一般的な相続人 * 実際の資産価値を元に、子供達の間であまり遺産分配に差がでないようにするのがトラブルを避ける方法。
4. 相続人をめぐるトラブルの例 1) 親が内縁の妻と一緒に暮らしていた 2) 親に愛人がいた 3) 愛人の子供がいた {参考} * 結婚制度と株式会社は人類が見出した社会、経済制度として最も素晴らしいものである。 * ほとんどの国での一夫一妻制度は男女の生まれる比率がほぼ1から、社会平等の根幹となっている。 4) 豪華な結婚式をしたが未入籍 5) 養子の相続権 6) 連れ子を伴う再婚 * 連れ子は父の子、母の子いずれも、父、母相互に養子縁組をしないと相手方の連れ子は遺産を相続できない。 7) 離婚した元配偶者と子供 8) 事実上、離婚状態の配偶者 |
△ページトップへ戻る 1. 相続税増税法案の一時棚上げ
雑情報(38)~(38-3) 相続をどうするか その1~3 は相続税の増税を含む税制改正が2011年4月1日から実施されるとのことで急遽作成していた。
基礎控除額の削減、最高税率のアップを盛り込んだ相続税の改正が施行されると、一流企業の部長クラスを経て退職した高齢者、土地評価額が高い都心に1戸建ての居住用宅地を保有している高齢者は新たに相続税を納税する可能性が大であった。
しかし、3月11日に発生した東関東大震災により、国会の審議が事実上ストップ、つなぎ法案以外は棚上げになりそうなため税制改正の成立の目処がたたなくなった。
これにより相続税は今のまま継続されるが、借金まみれの国家財政に大震災復興の追加資金が加わるため国家はますます困窮する。消費税率アップを目指した復興税も検討されており、どう転んでも近いうちに相続税の増税を含む税制改正は国会で成立、施行されるであろう。
相続に関し、ちょっとの期間だけ猶予をもらったと考え、直ちに親子で相続に係わる資産の確認、遺言書の作成など相続に向けた準備をしておくのが賢い方法である。
2. 遺産相続時の重要事項
遺産相続時に確認しなければならない重要事項は、①遺産はどの程度か、②誰が相続権を持っているのか ③遺産を誰にどのように分けるのかの3点である。
① 遺産はどの程度かについては、1世帯当たり平均、自分及び配偶者の両親の計4人から相続する遺産の総額は住宅分が1,400万円、金融資産が1,900万円の合計3,300万円となっている。既発行の以下の資料を参照。
2011年2月5日発行
また、相続が行われるであろう親の世帯の相続財産の算定の方法は以下の既発行を参照。
2011年2月25日発行
② 誰が相続権を持っているのか、③ 遺産を誰にどのように分けるのかについては以降に記載する。
3. 相続権について
1) 相続権について勘違いしやすい重要事項
相続権の決まり事は相続時の最重要項目の一つなので、常識中の常識として誰もが内容を十分すぎるほど理解し勘違いがないようにしたい。
相続では配偶者の位置づけがどのような場合でも最上位にあり、法的に相続権がない内縁の妻、同棲、愛人、離婚した妻とは天と地ほどの差がある。
また、子どもがいない配偶者や独身者が亡くなった場合、遺書を残しておかないと、遺産は思ってもいなかった親族へ渡ることとなる。このため遺書の作成が絶対に必要。
養子縁組を行うと養子は実子と同じ相続権を持つ。
あとで説明するが、連れ子で再婚した子供は相互の父、母と養子縁組をしていないといずれかの親が亡くなった場合、連れ子は相続を受けられなくなるので、該当する場合には相互に養子縁組を行うこと。
これらを含んだ相続権の決まり事を2)に示す。
2) 相続権の決まり事
a)相続権がある人は法定相続人として法律で定義されている。
相続権の元となっている婚姻制度は社会秩序の安定の根幹を成すものである。そのため、相続権は解釈の違いがないよう明確に定められている。
b)法定相続人は順位が決まっている。
c)配偶者はどのような場合でも相続人。
相続権の基本は血族(血縁関係にあるもの)であるが、配偶者は血族ではないけれどどのような場合でも相続人となる。
すなわち、亡くなった時に婚姻届に記載されている配偶者(亡くなる前日に婚姻届を出していても、離婚届を提出しないで籍を残したまま数十年間別居していようとも)のみが常に相続人となる。離婚した元妻、内縁の妻、同棲、愛人は相続人にはなれない。
d)第一順位は直系卑属(親の子供)、第二順位は直系尊属(祖父母)、第三順位は傍系血族(おじ、おば)。
第一順位は実子及び実子以外に離婚した元妻の子供(亡くなった親の直系卑属)も入り、実子と元妻の子供いずれも相続の権利は同じ。
内縁の妻、愛人の子は認知された場合に限り、実子の半分の相続権がある。
e)第一順位の親の子供が亡くなっていれば、その子供(孫)が代襲相続人となる。孫もなくなっていると更にさかのぼれる。
血族である限り、その親が亡くなっていても子供に相続権がある。
f)第一順位の相続人が誰もいない場合(子供がいない夫婦、独身者)に限り、第二順位の祖父母が相続人となる。祖父母が亡くなっている場合、更にさかのぼれる。
子供がいない配偶者、あるいは独身者の場合、祖父母が法定相続人に加わる。
相続は親から子供への資産の受け渡しが原則のため、子供がいない夫婦の場合には、遺書を残していないと、いずれかが亡くなった場合、配偶者へすべての財産を残せない恐れがある。独身者の場合、遺書がないと遺産すべてが祖父母へいく。
g)第二順位として相続人が誰もいなければ、第三順位のおじ、おばが相続人となる。
子供がない夫婦のどちらかが亡くなった場合、祖父母は高齢で既に亡くなっている場合には、あまり面識がないおじ、おばが法定相続人に加わる。
子供がない夫婦場合、配偶者へ全財産を確実に残すためには遺書を作成し配偶者へ全財産を残すようにしておかないと、第二あるいは第三順位の人へ遺産の一部が渡されることとなる。
独身者の場合、遺書がないと遺産のすべてが兄弟へわたる。もし、兄弟もいなければ、法定相続人がいないことになり遺産は国庫へ繰り入れられる。
h)養子縁組の相続権は実子と同じ。
養子縁組をすると、養子縁組をした子供は実子と同様第一順位に位置し、実子と同等の相続権を持つ。よって、養子縁組をした子供は養子縁組をした両親と実の両親の両方から相続を受けることができる。
3) 一般的な相続人
両親のうち片方が亡くなった場合、相続人は配偶者とその子供達となる。その場合、配偶者が遺産の大部分を受領し、子供達への配分は少ないのが普通である。
片親が既に死亡し残りの親が亡くなった場合、子供達だけの遺産配分となるため、親の居住用土地と建物を1人が受領し、残りの子供達が金融資産を分けるケースが多い(現物分割)。その際、土地と建物の資産価値が金融資産より多い場合は、遺産配分の公平性から土地と建物を受領した子供が金融資産を受領した子供達へ現金などで渡す方法(代償分割)が行われる。
いずれにしろ、実際の資産価値を元に、子供達の間であまり遺産分配に差がでないようにするのがトラブルを避ける方法である。
このように相続人が配偶者とその子供達だけの場合には、遺産配分に関し多少のトラブルはあっても相続人をめぐるトラブルはない。
4) 相続をめぐるトラブル
遺産相続をめぐるトラブルや事件は、推理小説やテレビのサスペンスドラマ、映画などに様々な事例が紹介されている。横溝正史の「犬神家の一族」「八つ墓村」は典型的な遺産相続殺人事件であり、コナン・ドイルの「シャーロックホームズの冒険」にもいくつかの遺産相続に端を発した事件が発生する。
内容は故意に相続人を殺して自分の相続順位を上げたり、自分の他に相続人がいないようにしたり、都合の悪い遺言書を廃棄したり、偽造したりするなど多々ある。
実際の遺産相続では殺人までは犯さないにしても、遺言書の廃棄、偽造、そそのかしや騙しによる遺言書の作成などが発生している。
(発行元のサイトは削除されているが、グーグルで検索すると、このサイトを引用したブ
ログなどから内容を読むことができる)
そのほか一澤帆布(いちざわはんぷ)工業の遺言書の真偽をめぐる最高裁判決などもあった。
4. 相続人をめぐるトラブルの例
典型的な相続をめぐるトラブルはそれぞれの家庭において家族構成、資産の多寡、婚姻の有無など条件が異なるため千差万別である。
巷で良く見聞きする例を以下に示す。
1) 親が内縁の妻と一緒に暮らしていた
内縁の妻*1)は法律上、配偶者ではないため相続権はなく、遺産を受け取ることはできない。同様に、手術時の同意書へのサインやその時の医師の説明は法律上の配偶者や家族でないとダメである。これは、医療機関として手術に関係し患者が死亡した場合、相続、後遺症残った際のトラブルや裁判を避けるためである。
このように、生死や財産に係わるもののような基本的な権利は内縁の妻には認められていない。
内縁の妻に認められている法律上権利は、亡くなった男性に相続人がいない場合、家庭裁判所が内縁の妻(生計を一緒にしていた者)に相続財産を与えることができる(特別縁故者への分与)こと及び内縁の妻に借家権を引き継ぐことが認められている。
このため、内縁の妻が亡くなった男性から遺産を受け取るには、特別縁故者の手続をするか、遺書を書いてもらい遺産を譲り受ける以外に方法はない。
普通のサラリーマンでは内縁の妻などを見聞きすることはほとんどないが、新聞やネットではやくざ、芸人の同居人が罪を犯す、スキャンダルが発覚すると「内縁の妻」「同棲」の表示がしばしば出てくる。
内縁の妻は何らかの理由で婚姻届を提出できない場合も多い。
内縁の妻を法律婚へできない理由として、一緒に生活している男女がそれぞれ、あるいは一方が結婚して配偶者を持っているため、結婚したくとも重婚となるため結婚できない。すなわち、内縁の妻とは不倫あるいは愛人関係にある女性のことを指すのが最も適切かもしれない。
婚姻制度が社会制度の根幹をなしていることから、同棲、内縁関係はすみやかに婚姻届により解消するのが当然であろう。
同棲、内縁の妻など法的な夫婦と同じような生活をしながら、婚姻届を出さないのは、夫婦関係を公にできない、男の身勝手な行動のように思える。
このため、知人や友人の内縁の妻がいたら、なんでそのような男性だけ得をする内縁の妻、あるいは愛人、同棲を続けているの?女性にとってメリットは何もないはずだが・・・と考えてしまう。
*1) 内縁の妻
法律婚:婚姻届を出した夫婦。
内縁の妻:事実婚、実際に夫婦と同様の関係がある妻。
内縁の妻には、相続以外の権利は法律婚と同様にしようとの考えも一部には有る。
フランスでは内縁の妻にも法律婚と同様な権利が与えられているため、結婚していない同棲関係が4割程度いる。そのため、生まれてくる子供の4割が婚約外の子供。日本で婚約外の子供はわずかに1.6%。事実婚は国民性と法律の両方で内縁の妻を認めるようにならないと広がらない。
2) 親に愛人がいた
愛人は配偶者ではないため相続権はない。
愛人が遺産を受け取るには、遺書に愛人へ遺産を渡すと書いてあることが必須の条件である。
ただし、遺書に愛人へ遺産を渡すと書いてあっても、取り分は最大、法定相続人の遺留分を除いたものとなる。
愛人の発覚は親が亡くなる前でも後でも家族に衝撃を与え、かつ、遺書があった場合には相続時に大きなトラブルが発生する。
芸人の中には資産家の愛人として遺産を相続できないのはわかっていながら、相続分に匹敵する以上の資産を貢いでもらっている、遺書を書いてもらっているからと割り切っているものもいる。しかし、スポンサーが亡くなると、法定相続人の本妻あるいは子供達から愛人に与えていた財産は当然法定相続人へ渡すべきだと返還請求の訴えを起こされることもある。
結局、世間から愛人は冷たい目で見られ、阻害される。本人は貧乏人どもがくだらない噂をしているだけで、自分は贅沢三昧ができて幸せだと割り切れば良いであろうが、子供がいればその子供は父なし子、私生児でいじめを受ける、就職、結婚時に不利な取り扱いを受けざるを得ず、愛人の身勝手な行動は次世代まで災いが続くこととなる。
3) 愛人の子どもがいた
親と愛人の間にできた子共(非嫡出子(ひちゃくしゅつし))*2) がいた場合、親がその子供を認知*3) していると、子供には養育費及び相続する権利を有するが、(2015年4月26日変更)権利は実子と同じの半分*4) である。逆に認知されないと養育権、相続権はない。
平成25年12月11日施行の民法の一部改正により、嫡出子と非嫡出子の相続分を同等とした。効力は平成25年9月5日以降の相続分から。
★法務省、民法の一部が改正されました
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00143.html
もし、親が非嫡出子の認知を拒否する、認知しないまま死亡した場合、死亡後3年以内に子供(愛人が代行)が強制認知の裁判を起こすことができる。その場合、裁判により認知されれば相続権が発生する。
親が愛人の子供の認知について、存命中に家族の反対があったため認知できなくても、遺言で認知すれば遺産を愛人の子供へ遺せる。
しかし、遺言により愛人の子供への遺産譲渡が発覚した場合の遺された家族の驚愕はどのようなものであろうか?
このような場合往々にして実子と非嫡出子(愛人の子供)との間で遺産争いが勃発する。
*2) 愛人との間にできた子供(非嫡出子)
非嫡出子とは結婚していない者同士の間に生まれた子供を指す。
結婚した夫婦間に生まれた子供は嫡出子(ちゃくしゅつし)と呼ぶ。
*3) 認知
父親が子供を認知すると、父親の戸籍に認知したことが記載される。同時に生まれた時からの養育権、相続権が発生する。養育費は認知した子供が20歳(18~22歳)頃まで平均5万円/月を支払う。
子供の相続権は実子の1/2。
*4) 非嫡出子の権利
日本では認知された非嫡出子の相続の権利は実子と同じ。
(2015年4月26日変更)の1/2であるが、先進国では1970年代に非嫡出子は実子と同様となった。このことが、逆に同棲はしても結婚しない家族、非嫡出子の増加を招いている弊害もある。
{参考}
結婚制度と株式会社は人類が見出した社会、経済制度として最も素晴らしいものである。
ほとんどの国での一夫一妻制度は男女の生まれる比率がほぼ1から、社会平等の根幹となっている。
ちなみに幸福度、世界一のブータンでは一夫多妻制を取っており世界の中の最貧国の一つである。
また、9.11テロの首謀者のオサマ・ビン・らディンはパキスタンで殺害されたが、その時に3人の妻がいたと報道された。ついでに彼が隠れていた屋敷から多量のポルノビデオが見つかっており、人間の二面性を如実に示している。
同様にBRICsの一角を占める南アフリカの大統領は4人の妻をもっている。
イスラム諸国では4人まで妻を娶ることができるが、結局、少数の王族、富豪が女性を独占するため、貧民はいつまでたっても結婚できない。たまに富豪が貧乏人に恵んだところで富みの不均衡は解消できず、社会の不平等は開くばかり。
社会制度や生活環境、価値観が異なる国に対して先進国の法律が正しく是正すべきだとの考えはあまりにも偏向したものだろう。しかし、誰もが結婚や快適な生活をしたいとの欲求は、ネットの情報により加速し続けており、イスラム系国家の王族、富豪が維持し続けたい特権階級のみに有利な法律や風習は徐々に修正せざるを得ないであろう。
4) 豪華な結婚式をしたが未入籍
いくら対外的に豪華な結婚式をしても、未入籍(婚姻届の提出をしていない)なら内縁の妻と同じ扱いにしかならならず、妻に相続権はない。
まさか、昔しばしば聞いた「成田離婚(結婚式を終え、海外へ新婚旅行に行き、成田空港へ戻ってきたら、もうバイバイと離婚する)」を避けるために籍を入れないのではと勘ぐったりしている。
結婚式だけして籍を入れない男は最低である。
一緒に生活(同棲)し、このまま将来も一緒に生活できそうと双方が決めたら婚姻届をまず提出し法的に夫婦となり、結婚式はその後、季節や新婚旅行の日程、両家の都合を考慮して決めるのはトラブル防止から良いことである。
不景気が続く中、入籍はしても結婚式をしなかった、記念の写真だけとか、お金が溜まってから結婚式をするとかで済ます若い二人も増えてきた。
結婚式はしなくとも婚姻届を提出した夫婦の方が、豪華な結婚式だけ行い未入籍のカップルよりもよほど賢明かつ常識人である。
5) 養子の相続権
養子(普通養子)は親子の血縁関係にないものが養子縁組の届けを提出することにより親子関係となる。また、相続の権利は実子と同じのため、養子は養父母の相続権と実父母の両方の相続権がある。
6) 連れ子を伴う再婚
連れ子は父の子、母の子いずれも、父、母相互に養子縁組をしないと相手方の連れ子は遺産を相続できない。
父が亡くなったとき、配偶者である再婚した母と父の実子である連れ子は父の遺産を相続できるが、母の連れ子は血縁関係がないため父と養子縁組をしていないと遺産を相続できない。
逆に、母が亡くなったとき、再婚した父(配偶者)と母の連れ子(実子)は母の遺産を相続できるが、父の連れ子は血縁関係がないため養子縁組をしていないと母の遺産を相続できない。
連れ子を伴う再婚では、父の養子縁組として母の連れ子は行うが、母の養子縁組として父の連れ子を忘れがちなので注意のこと。
このため、子連れで再婚したら、父母とも相手方の連れ子を同時に養子縁組して、実子と同じ相続権を与えることが親の義務である。
7) 離婚した元配偶者と子供
離婚した元配偶者には相続権はない。しかし、元配偶者との間に生まれた子供は嫡出子として相続権がある。
8) 事実上、離婚状態の配偶者
長期間別居、音信不通などが続き離婚状態であっても、一方が死亡した時点で婚姻関係が続いている限り、配偶者として相続権がある。
有名人の妻など、誰が見ても結婚生活が破綻し別居生活が数十年続いていても、妻が離婚届に判を押さないのは、遺産目当てであろうが・・・
このように配偶者の地位、権利は法律上、絶大な力を発揮し、愛人、内縁の妻などは足元にも及ばない。
参照資料
雑情報を作成するにあたり、参考となる/参考にした新聞、雑誌などの出典元、年月日、タイトルを載せる。
1.相続税増税法案の一時棚上げ
★日本経済新聞 2011年3月25日 増減税の柱 棚上げ
法人税率下げ、所得・相続増税、環境税導入
「つなぎ法案」を優先
3.相続権について
★週刊ダイヤモンド 2011年1月22日号 相続が大変だ
法定相続人に関するルール
4.相続人をめぐるトラブルの例
★週刊ダイヤモンド 2011年1月22日号 相続が大変だ
「相続人のトラブル」
ケース 子連れ同士の結婚で訪れた思わぬ結果、養子縁組を忘れないで
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- 2013年06月05日 20:57 |
- 葬儀・相続(ビジネス 遺産)
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2011年2月25日
雑情報 (38-3)
相続をどうするかその3
相続財産の算定方法、サンプル表示
要旨
1. 遺産相続の勃発を避ける 1) 葬儀、相続のトラブル * 葬式や相続に関しては、年老いた親も子も何となく避けていた話題。 * 事前の準備を行わないまま親が亡くなると三ラウンドのトラブルが勃発。 * 第一ラウンドは葬儀、第二ラウンドは相続当初、最終の第三ラウンドでは遺産の分配をめぐる骨肉の争い。 2) 親が健康な時に話し合う * 親が正常に物事を判断できる間、すなわち、平均寿命から6歳ぐらい若い健康年齢(男性72歳、女性80歳)に到達したら早めに葬儀や相続について話し合おう。 2. 相続の事前準備 * 税制改正により、一般の家庭でも相続税を払わなくても良いような資産の配分、相続の仕方などの相続対策が必要となってきた。 2.1 相続税課税の仕組み * 誰でも課税の仕組み、評価基準に従い計算すると、相続税の申告、納税の有無から、納税が必要な場合はどのようにすれば相続税額を低減できるかなどを検討できる。 2.2 相続財産の算定 1) 親の財産の把握 * 親の財産の把握が第一ステップ。 2) 相続に係わる財産の算定 (算定用のエクセルシート及び説明) * 別途エクセル、財産算定用シート(参考表示)の各項目に金額などを記入すると自動計算により、遺産の総額から相続税納税の有無がわかる。 * 財産算定用シート(参考表示)を記入するに当り、要点や注意事項を示す。 * 作業を通して親と話し合う機会ができることが最大のメリット。 3) 相続財産の評価額 * 相続税に係わる資産評価額は現金や有価証券は死亡時の現在価格。 * 土地の評価額は実勢価格(路線価)の7割で評価され、かつ家族が住み続ける自宅の宅地は240m2まではその2割。 * 路線価を知る方法を紹介。 |
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1. 遺産相続の勃発を避ける
1) 葬儀、相続のトラブル
葬式や相続に関しては、年老いた親も子も何となく避けていた話題であった。
事前の準備を行わないまま親が亡くなると、すぐにトータル三ラウンドのトラブルが勃発する。
第一ラウンドは葬儀により切って落とされる。葬式時には葬儀のやり方や費用を巡り遺族と葬儀業者及び坊主と間に発生する。第二ラウンドは相続当初に発生し、親の貯金が下ろせない、各種手続に手間がかかるのにうんざりする。最終の第三ラウンドでは遺産の分配を巡り子供達の間に骨肉の争いが勃発する。
2) 親が健康な時に話し合う
子供達は高齢化した親を敬い、意向を尊重し、親の目の前や死後にいさかいをさらしたくないものである。そのためには、親子が揃って葬儀のやり方、遺産の分け方について話し合うことが必要となる。
高齢化した親は物忘れが多くなり、判断力が鈍くなってくる。また、寿命が延びたおかげでアルツハイマーなどの痴呆症*1)も増えてくる。このため、親が正常に物事を判断できる間、すなわち、平均寿命から6歳ぐらい若い健康年齢(男性72歳、女性80歳)に到達したら早めに葬儀や相続について話し合おう。
長寿でない家系、寿命に影響する糖尿病、脳梗塞、心臓疾患などにかかっている場合、葬儀や遺産についての準備をしよう、子供達と話そうと思っている間に時間切れとなる。すぐにでも準備を開始し子供達が惑わないよう、つまらないことで手間やお金をかけないようにするのが何よりの親心である。
当然であるがガンを告知される、何らかの手術をする場合には、万一の可能性があるため、直ちに相続などの準備をしよう。
*1) 痴呆症:65歳以上の高齢者の7%、約200万人がかかっている。痴呆症は年齢と共に発症率が増加し、60歳代では1%であるが90歳代では半数がかかる。
2. 相続の事前準備
従来、相続税を納めていたのは死亡者のわずか4%程度の富裕層のみであったが、今回の税制改正により大企業の部長クラスでも相続税を納めることとなった。これにより普通の家庭でも相続税を払わなくても良いような資産の配分、相続の仕方などの相続対策が必要となってきた。
2.1 相続税課税の仕組み
相続税について、保有する資産、死亡保険、借金、葬儀費用などの各項目に関し、資産の評価方法、非課税枠、基礎控除などの課税の仕組み、評価基準などが決まっている。
そのため、誰でも課税の仕組み、評価基準に従い計算していくと相続税の申告、納税の有無から、納税が必要な場合はどのようにすれば相続税額を低減できるかなどを検討できる。
表1の相続税課税の仕組みを参照。
表1 相続税課税の仕組み |
項目 | 財産の種類 |
①遺産総額 | 相続財産 | 相続財産 | 金融資産 | 現金 |
預貯金 |
有価証券 |
不動産 | 土地 |
建物 |
その他 | ゴルフ会員権 |
自家用車 |
家財 |
美術品、骨董品 |
仏具、墓地 |
みなし相続財産 | 死亡時に入る現金 | 死亡保険 |
死亡退職金 |
相続財産に加える もの | 贈与した財産 | 相続人に3年以内に贈与した財産 |
相続時清算課税制度を利用して贈与した財産 |
②非課税枠 | 相続財産から除くもの | 非課税財産 | 死亡保険金の非課税限度額 |
死亡退職金の非課税限度額 |
葬儀費用 | 葬儀代金 |
債務 | ローン、借金 |
未払い金、税金 |
③課税価格の総額 | ①-② |
④基礎控除額 | 3,000万円+法定相続人×600万円 |
⑤最終課税対象額 | ③-④ |
2.2 相続財産の算定
1) 親の財産の把握
親が居住用の土地や住宅を保有し、預金、株式などの金融資産を持ち、死亡保険などに加入していたかが正確に分からないと次のステップへ進めない。
親自身、長年生きてきたことにより財産を増やし様々な金融資産へ投資してきたであろう。預金、株式、投資信託、資産用土地、ゴルフ会員権、金地金など・・・
手元にある金融資産は、使用している貯金、債券以外に、長期間取引がなく存在すら忘れている預金通帳、塩漬けされた株券、家庭用金庫の中に眠っている金貨などがあるかもしれない。また、
預金通帳は記帳や取引が行われなくなってから10年で時効*2)となるが、払い戻しの可能性がある。株券は会社が倒産していない限り価値がある。バブル期に1,800円/gで購入した金地金の価格は現在(2011年2月)金の高騰により2.5倍の4,000円/gに近づいている。
(2013年6月5日追記、金価格は今日現在4,800円/g)
まず、親の財産の把握が第一ステップとなる。
*2) 預金の時効:銀行預金の時効は10年である。今のところ、10年を過ぎた預金は通帳などがあれば銀行は払い戻しに応じているが10年を過ぎた分の利子はつかない。銀行は小額で忘れられた休眠口座だけで莫大な利益を得ている。銀行口座総数は16億口座もあり、1人平均13もの銀行口座も保有していることとなっている。
2) 相続に係わる財産の算定
(2013年6月5日追記、ブログではエクセルソフトを添付できないため、参考表示)
別途添付した財産算定用のエクセルシートを紹介する。
エクセルシートの下方欄には3種類のシートが含まれている。それらは、表2財産算定用シート(サンプル例)、(記入用)、(オリジナル)である。表2のサンプル例は以下に示す。
(サンプル例)を見て使い方を知り、(記入用)を用い各項目に金額などを記入すると自動計算により、遺産の総額から相続税納税の有無がわかる。
記入するに当り要点と注意事項を表3、4の 財産算定用シートの記載内容に示す。
年老いた親にとってパソコンの取り扱い、エクセルシートの作成、細かい字や内容は理解しがたいと思われるため、子供達はエクセルのシートを印刷して親に渡し必要事項を手書きで書いてもらうと良い。
親がほぼ記入し終わったら、子供達がエクセルシートへ打ち込み、終了したら親と一緒に内容(実際の預金通帳、預り証、登記簿、金貨など)を一つずつ確認していく。
この作業により、ほとんど預金が残っていない銀行口座、長年預けたままの郵便貯金、値下がりして塩漬けになったままの株式や投資信託、忘れていた親代々引き継いだ土地などの通帳や書類を発見する、思い出すことであろう。
これらの作業を通し、親と話し合う機会ができることが最大のメリットかもしれない。親子の絆が更に深まるであろう。
表2 財産算定用シート (サンプル例) |
| | | | | | | | | | | | (万円) | |
項目 | 財産の種類 | 財産の詳細 | 実際の価値 | 相続税に係わる 財産の評価額 | 相続税に係わる 評価方法 |
①遺産総額 | 相続財産 | (a)相続財産 | (1)金融資産 | 現金(証券、金地金) | 保管・預け先 | 場所 | | | 現金 | 現金 | 現金 | 相続開始日の現金 |
1 | 家庭用金庫 | 押入れ | | | 50 | 50 | 50 |
2 | 携帯用金庫 | 洋タンス | | | 30 | 30 | 30 |
3 | 貯金箱 | 本箱 | | | 5 | 5 | 5 |
4 | 貸金庫 | | | | | 0 | 0 |
5 | その他 | | | | | 0 | 0 |
預貯金 | 金融機関名 | 支店名 | 種類 | 口座番号 | 預金残高 | 預金残高 | 死亡した日の残高 | 死亡した日の残高 |
1 | 朝日毎日銀行 | 読売 | 普通 | 123456 | 600 | 600 | 600 |
2 | 読売産経銀行 | 東京 | 普通 | 1234576 | 900 | 900 | 900 |
3 | | | | | | 0 | 0 |
4 | | | | | | 0 | 0 |
5 | | | | | | 0 | 0 |
株式 | 金融機関名 | 支店 | 種類 | 口座番号 | 時価 | 時価 | 死亡した日の残高 | 死亡した日の時価 |
1 | サンケイ証券 | 東京 | 特定 | 987654 | 200 | 200 | 200 |
2 | | | | | | 0 | 0 |
3 | | | | | | 0 | 0 |
投資信託 | 金融機関 | 支店 | 種類 | 口座番号 | 時価 | 時価 | 死亡した日の残高 | 死亡した日の時価 |
1 | ニチニチ証券 | 横浜 | 特定 | 456789 | 100 | 100 | 100 |
2 | | | | | | 0 | 0 |
3 | | | | | | 0 | 0 |
債券(国債) | 金融機関 | 支店 | 種類 | 口座番号 | 時価 | 時価 | 死亡した日の時価 | 死亡した日の時価 |
1 | トクスル證券 | 東京 | 特定 | 258963 | 750 | 750 | 750 |
2 | | | | | | 0 | 0 |
3 | | | | | | 0 | 0 |
REIT | 金融機関 | 支店 | 種類 | 口座番号 | 時価 | 時価 | 死亡した日の時価 | 死亡した日の時価 |
1 | | | | | | 0 | 0 |
2 | | | | | | 0 | 0 |
3 | | | | | | 0 | 0 |
小 計 (1) | 2,635 | 2,635 | |
(2)不動産 | 家族が住み続ける自宅の敷地 (240m2までの部分) | 登記簿上の住所 | 地籍 | 面積 (m2) | | 路線価*2) (万円/m2) | 路線価×1.3 | 路線価×70%×20% | 路線価×70%×20% *2) 路線価はネットの国税庁、路線価データで調べる。 マンションの場合、面積は登記簿に記載された所有面積の持分割合分とする。 |
1 | 東京都中央区日本橋1-1 | 240.0 | | 14.8 | 4,617 | 497 |
家族が住み続ける自宅の敷地 (240m2超の部分) | 登記簿上の住所 | 地籍 | 面積 (m2) | | 路線価 (万円/m2) | 路線価×1.3 | 路線価×70% | 路線価×70% |
1 | 東京都中央区日本橋1-1 | 25.3 | | 14.8 | 486 | 262 |
家族が住み続ける自宅の建物 | 登記簿上の住所 | 家屋番号 | 面積 (m2) | | 固定資産評価額*3) (万円) | 固定資産評価額 | 固定資産評価額 | 固定資産評価額*3) 役所から送られてくる固定資産税納税通知書を見る。
|
1 | 東京都中央区日本橋1-1 | 145.2 | | 1,089.0 | 1,089 | 1,089 |
上記以外の自宅と敷地 | 登記簿上の住所 | 地籍 | 面積 (m2) | | 路線価 (万円/m2) | 路線価×1.3 | 路線価×70% | 路線価×70% |
1 | | | | | | 0 | 0 |
2 | | | | | | 0 | 0 |
登記簿上の住所 | 家屋番号 | 面積 (m2) | | 固定資産評価額 (万円) | 固定資産評価額 | 固定資産評価額×70% | 固定資産評価額×70% |
1 | | | | | | 0 | 0 |
2 | | | | | | 0 | 0 |
貸家の土地 | 登記簿上の住所 | 地籍 | 面積 (m2) | | 路線価 (万円/m2) | 路線価×1.3 | 路線価×80%×70% | 路線価×80%×70% |
1 | | | | | | 0 | 0 |
2 | | | | | | 0 | 0 |
貸家の建物 | 登記簿上の住所 | 家屋番号 | 面積 (m2) | | 固定資産評価額 (万円) | 固定資産評価額 | 固定資産評価額×70% | 固定資産評価額×70% |
1 | | | | | | 0 | 0 |
2 | | | | | | 0 | 0 |
小 計 (2) | 6,192 | 1,848 | |
(3)その他 | 自家用車 | メーカ | 車種 | | ナンバー プレート | 下取り価格 | 下取り価格 | 下取り価格 | 下取り価格 6年経過すると無価値 |
1 | | | | | 50 | 50 | 50 |
2 | | | | | | 0 | 0 |
家財 | 品目 | | | | 再調達価格 | 再調達価格 | 再調達価格 | 再調達に必要な金額 通常1式で30万円 |
1 | | | | | 30 | 30 | 30 |
ゴルフ会員権 | ゴルフ場名 | 会員種別 | | 会員番号 | 取引相場 | 取引相場 | 取引相場×70% | 取引相場×70% |
1 | | | | | | 0 | 0 |
2 | | | | | | 0 | 0 |
リゾート会員権 | リゾート名 | 会員種別 | | 会員番号 | 預託金 | 取引相場 | 預託金 | 会員権が売却されるときに返還される預託金 |
1 | | | | | | 0 | 0 |
2 | | | | | | 0 | 0 |
美術品・骨董品 | 品名 | | | | 時価 | 時価 | 評価額 | 通常、無価値 |
1 | | | | | | 0 | 0 |
2 | | | | | | 0 | 0 |
仏具・墓地 | 品名 | | | | 時価 | 時価 | 非課税 | 華美でない限り非課税
|
1 | | | | | 20 | 20 | 0 |
2 | | | | | 80 | 80 | 0 |
| 小 計 (3) | 180 | 80 | |
| 小計 (a)相続財産=(1)+(2)+(3) | 9,007 | 4,563 | |
(b)みなし相続財産 | 死亡時に入る現金 | 死亡保険金 | 保険会社名 | 保険の種類 | | 保険証券 番号 | 死亡保険金 | 受取った 死亡保険金 | 受取った 死亡保険金 | 受取った死亡保険金 |
1 | 長生き生命 | 死亡保険 | | 123456 | 500 | 500 | 500 |
2 | 皆民共済 | 死亡保険 | | 123456 | 300 | 300 | 300 |
3 | 県民共済 | 死亡保険 | | 345678 | 200 | 200 | 200 |
4 | | | | | | 0 | 0 |
5 | | | | | | 0 | 0 |
死亡退職金 | 勤務先名 | | | | 死亡退職金 | 受取った 死亡退職金 | 受取った 死亡退職金 | 受取った死亡退職金 |
1 | | | | | | 0 | 0 |
2 | | | | | | 0 | 0 |
小計 (b)みなし相続財産 | 1,000 | 1,000 | |
(c)相続財産に加えるもの | 贈与した財産 | 相続人に3年以内に贈与した財産 | 贈与した相手 | 贈与した金、物品 | | | 贈与時の 価格 | 贈与時の 価格 | 贈与時の価格 | |
1 | | | | | | 0 | 0 |
2 | | | | | | 0 | 0 |
3 | | | | | | 0 | 0 |
相続時清算課税を利用して贈与した財産 | 贈与した相手 | 贈与した金、物品 | | | 贈与時の 価格 | 贈与時の 価格 | 贈与時の価格 | |
1 | | | | | | 0 | 0 |
2 | | | | | | 0 | 0 |
3 | | | | | | 0 | 0 |
小計 (c)相続財産に加えるもの | 0 | 0 | |
①遺産総額=相続財産合計 (a)+(b)+(c) | 10,007 | 5,563 | |
②非課税枠 | 相続財産から除くもの | (d)非課税財産 | 死亡保険金の 非課税限度額 | | | | | 法定相続人*1)(人) | | 非課税限度額 500万円×法定相続人 | 500万円×法定相続人 (*1)同居している扶養家族、未成年者、障害者に限定) |
| | | | | 2 | | 1,000 |
| | | | | 法定相続人 | | 実際の非課税額 | 非課税限度額は受取った死亡保険料の合計が最大金額 |
| | | | | 2 | | 1,000 |
死亡退職金の 非課税限度額 | | | | | 法定相続人 (人) | | 非課税限度額 | 500万円×法定相続人 |
| | | | | 3 | | 1,500 |
| | | | | 法定相続人 | | 実際の非課税額 | 非課税限度額は受取った死亡保険料の合計が最大金額 |
| | | | | 3 | | 0 |
小計 (d)非課税財産 | | 1,000 | |
(e)葬儀費用 | 葬儀費用 | 葬儀関係費用 | 葬儀会社名 | | | | 葬式代金 | 葬式代金 | 葬式代金 | |
1 | 天国社 | | | | 100 | 100 | 100 |
宗教法人名 | | | | 祈祷・戒名代 | 祈祷・戒名代 | 祈祷・戒名代 | |
1 | 法名寺 | | | | 40 | 40 | 40 |
仏壇・仏具 | | | | 物品代 | 物品代 | 物品代 | |
1 | 極楽社 | | | | 20 | 20 | 20 |
墓 | | | | 物品代 | 物品代 | 物品代 | |
1 | 天国霊園 | | | | 80 | 80 | 80 |
小計 (e)葬儀費用 | 240 | 240 | |
(f)債務 | ローン・借金 | 住宅ローン | 金融機関名 | 支店名 | 種類 | 口座番号 | ローン残高 | ローン残高 | 死亡した日の残高 | 死亡した日の残高 |
1 | 日々銀行 | 本店 | | | 450 | 450 | 450 |
2 | 住宅金融公庫 | 本店 | | | 600 | 600 | 600 |
3 | | | | | | 0 | 0 |
自動車ローン | 金融機関名 | 支店名 | 種類 | 口座番号 | ローン残高 | ローン残高 | 死亡した日の残高 | 死亡した日の残高 |
1 | | | | | | 0 | 0 |
2 | | | | | | 0 | 0 |
教育ローン | 金融機関名 | 支店名 | 種類 | 口座番号 | ローン残高 | ローン残高 | 死亡した日の残高 | 死亡した日の残高 |
1 | | | | | | 0 | 0 |
2 | | | | | | 0 | 0 |
借金 | 金融機関名 | 支店名 | 種類 | 口座番号 | 借金残高 | 借金残高 | 死亡した日の残高 | 死亡した日の残高 |
1 | 長生き生命 | | | | 350 | 350 | 350 |
2 | | | | | | 0 | 0 |
未払い金・税金 | 病院医療・入院費 | 医療機関名 | | | | 支払額 | 支払額 | 支払額 | 支払額 |
1 | 回復医療法人 | | | | 25 | 25 | 25 |
2 | 養老医院 | | | | 10 | 10 | 10 |
3 | | | | | | 0 | 0 |
健康・介護保険料 | 厚労省 | | | | 支払額 | 支払額 | 支払額 | 支払額 |
1 | 健康介護保険 | | | | 5 | 5 | 5 |
公共料金 | 官庁など | | | | 支払額 | 支払額 | 支払額 | 支払額 |
1 | 電気・ガス・水道 | | | | 3 | 3 | 3 |
2 | NHK・NTTなど | | | | 1 | 1 | 1 |
3 | クレジットカード | | | | 4 | 4 | 4 |
保険料 (生命保険、医療保険、がん保険など) | 保険会社名 | 保険の種類 | | 保険証券 番号 | 支払保険料 | 支払保険料 | 支払保険料 | 支払保険料 |
1 | 長寿生命 | 医療保険 | | 234567 | 5 | 5 | 5 |
2 | ガン征圧生命 | がん保険 | | 654987 | 4 | 4 | 4 |
3 | | | | | | 0 | 0 |
4 | | | | | | 0 | 0 |
税金 | 国税庁 | 税金の種類 | | | 納入税額 | 納入税額 | 納入税額 | 納入税額 |
1 | | 所得税 | | | 10 | 10 | 10 |
2 | | 固定資産税 | | | 20 | 20 | 20 |
3 | | | | | | 0 | 0 |
小計 (f)債務 | 1,487 | 1,487 | |
②非課税枠=相続財産から除くもの 合計 (d)+(e)+(f) | "負債合計", =L99+L108+L141 | 2,727 | |
③課税価格の総額 ①-② | | 2,836 | |
④基礎控除額 3,000万円+法定相続人×600万円 | | | |
| | | | | | | | | | 法定相続人 (人) | | 基礎控除額 | 500万円×法定相続人 |
| | | | | | | | | | 3 | | 4,800 |
⑤最終課税対象額 ③-④ | プラスになると課税、マイナスは課税されない | -1,964 | |
| | | | | | | | 相続税の申告、納税は不要 | |
表3 財産算定用シートの記載内容 相続財産
財産の種類 | 財産の詳細 |
財産の明示 | 留意事項 |
保管、預け先 | 財産の明示 |
相続財産 | 金融資産 | 現金 (証券、金地金) | 家庭用金庫 | 20kg程度の家庭用金庫はダイヤル+鍵の両方で開閉する方式。 ダイヤル番号、鍵の保管場所及び開閉方法を明示。 | 家庭用金庫、その他どのような小型の金庫、貯金箱であろうと、鍵がないと開けることができない。 親が亡くなったあと鍵が見つからない、ダイヤルロック式金庫の開ける方法がわからず、最終的に金庫、貯金箱を壊して中味を取り出すこともある。 カギ屋へ金庫の開閉を依頼すると費用がかかるため、バールで扉を壊して内容物を取り出すこともあるが大変。 |
携帯用金庫 貯金箱 | 手軽に持ち運べる金庫は鍵で開閉する。 鍵の保管場所を明示。 |
貸金庫 | 銀行の貸金庫は預金と同様に本人しか開閉できない。死亡後は貸金庫も凍結される。 遺書を貸金庫へ保管している場合には、相続人へ遺言書を保管していることを伝えておく。また、事前に銀行と打合せを行い貸金庫に遺書が保管してあり、死亡後すみやかに取り出せるようにしておく。 | |
その他 | 現金、重要証券、金地金などを保管している場所が相続人にわかるように明示。 | 保管場所として普段ほとんど近づいたり、開けたりしない場所、例として床下や庭の土の中、家具、仏壇の棚の裏、家電製品の中、本の中などに現金、金地金などを隠していると、死後、遺族が誤って捨ててしまったり、発見されることがないまま失ってしまうおそれがある。 |
預貯金 | 銀行 | 銀行名、支店、口座の種類(普通預金又は当座預金)、口座番号、名義人を明示。 銀行は名義人の死亡を知ると口座の凍結を行う。 口座が凍結されると、公共料金の口座引き落としも停止されるため、遺族は速やかに銀行へ連絡し対応する。 | 預金通帳に残高があるからといってその金額が残っているかどうかはわからない。カードでの引き出し、自動振替などで減額している可能性がある。 銀行口座は複数持っていると死亡後の名義変更などの手続が大変なので、使っていない小額の銀行口座は解約した方が良い。 預金の時効は10年なので、この機会に使っていない預金通帳は解約しよう。 |
相続財産 | 金融資産 | 株式 | 証券会社 | 証券会社名、支店、口座番号、名義人、株式の銘柄。 ネットだけで取引している場合には、どの程度の資産を株式などへ投資しているのがわかりにくい。 遺族が資産内容を知るためには、パスワードが必要。 | 株券は原則手元にないため証券会社の預かり資産を確認する。 パソコンで取引をしている場合には、パソコンを立ち上げるためのパスワードが必要となるかも? |
投資信託 | 証券会社 (銀行) | 証券会社(銀行)名、支店、口座番号、名義人、投資信託の種類、口数。 証券会社の預り証、投資信託の取引契約書を保管。 | 証券会社(銀行)の預かり資産を確認する。 |
債券(国債) | 証券会社(銀行)名、支店、口座番号、名義人、債券の種類、口数。 証券会社(銀行)の預り証、債券の取引契約書を保管。 |
不動産 | 家族が住み続ける自宅の敷地 | 登記簿上の住所、地番、地目など、面積、形態、形状など、名義人、抵当関係。 路線価は該当する表示されたm2当りの価格に土地の形状により増額(角地、二方面道路)、減額(奥行きが長い、間口が狭い、がけ地、形状が不正形など)される。詳細は3)相続財産の評価額 を参照。 | 一軒屋の場合、相続税評価時の価格は240m2までの部分と240m2を超える部分とで評価額が変わる。 マンションの場合、敷地の評価には路線価を用い、敷地全体の評価額(固定資産評価額はマンション敷地全体を表記)に土地持分の割合のm2とする。 |
家族が住み続ける自宅の建物 | 住所、面積、評価額。 毎年市役所から送られてくる固定資産税評価額を見る。 | 一軒屋、マンション共、固定資産税評価額とする。 |
上記以外の自宅と敷地 | 登記簿上の住所、地番、地目など、面積、形態、形状など、名義人、抵当関係。 相続税の算定基準となる、路線価は、国土庁のサイトの路線価で調べることができる。 路線価は該当する表示されたm2当りの価格に土地の形状により増額(角地、二方面道路)、減額(奥行きが長い、間口が狭い、がけ地、形状が不正形など)される。 | |
貸家の土地 | |
貸家の建物 | 住所、面積、評価額 毎年市役所から送られてくる固定資産税評価額を見る。 | |
相続財産 | その他の資産 | ゴルフ会員権 | ゴルフ場名、会員種別、口数 | |
リゾート会員権 | リゾート会員権名、会員種別、口数 | |
自家用車 | 車種、年式、ナンバープレート | |
家財 | 特に高価なもの | |
美術品、骨董品 | 特に価値のあるもの | |
仏壇、墓地 | 非課税 | |
みなし相続財産 | 死亡時に入る現金 | 死亡保険金 | 保険会社 国民共済 県民共済 ガン保険 | 保険会社名、保険の種類、証券番号、被保険社名、契約者名、死亡時保険金、死亡時保険金受取者名、特約 | 生命保険契約者は支払い保険金の範囲内において低利で借りられる貸付金制度があり広く使われている。融資を受けていると死亡時に融資を受けていた分が清算される。 バブルの頃に入った生命保険(死亡保険)は価値があるため保険料の払い忘れがないように銀行の自動振替にしておく。払い込み期限がない(無期限)の生命保険には特に注意すること。 死亡保険金の受取者は指定していないと法定相続人となる。 ガン保険などの医療保険には、死亡保険金が付加されている場合がある。 |
死亡退職金 | 勤務会社 | 勤務会社名 | |
相続財産に加えるもの | 贈与した財産 | 相続人に3年以内に贈与した財産 | 贈与した相手及び贈与した物、金額 | |
相続時清算課税を利用して贈与した財産 | |
表4 財産算定用シートの記載内容 相続財産から除くもの (1/1)
財産の種類 | 財産の詳細 |
財産の明示 | 留意事項 |
保管、預け先 | 財産の明示 |
相続財産 から除くもの | 非課税財産 | 死亡保険金の非課税限度額 | 非課税限度額=500万円×法定相続人(留意事項を参照) | 今回の税制改正により、死亡保険金の非課税対象となる法定相続人として親と生計を一緒にしていない子供は除外された。 ただし、未成年者と障害者は生計が別でも良い。 |
死亡退職金の非課税限度額 | 非課税限度額=500万円×法定相続人 | |
葬儀費用 | 葬儀代金 | 葬儀代金、戒名料など。 | 葬儀代金、戒名料などの領収書を受領する。 葬儀は見栄を張るのを止めて家族葬、直葬にすると大幅に費用を低減できる。 |
債務 | 借金、ローン | 住宅、自動車、教育ローンなど。 貸し金業者からの借金。 連帯保証人。 | 住宅、自動車、教育ローン、あるいは貸し金業者のローンの返済残が残っている。 自営業者では銀行などからの借金。 借金の連帯保証人*3)になっていないか? |
未払い金、税金 | 病院などへ支払う医療費、入院費など。 電気、ガス、水道、電話、NHK受信料などの公共料金。 クレジットカードなどの未払い金。 生前に納めなければならない所得税、固定資産税などの税金及び健康保険料などの社会保険料。 | 領収書などを保存しておく。 |
*3) 連帯保証人:借金などに関し借りた本人と同様の責任を負う者である。通常、金銭の保証人は連帯保証人を指すため連帯保証人になったばかりに他人の負債を抱え込み一生を棒にすることにもなりかねない。他人の連帯保証人には絶対にならないこと!サラリーマンが連帯保証人になるのは子供の住宅ローン契約時以外はありえない。
3) 相続財産の評価額
相続財産に相続税がかかるのかどうか、かかる場合の相続税はどの程度かは相続財産の評価額を算定することにより分かる。
相続税に係わる資産評価額は、現金や有価証券は死亡時の現在価格のままである。土地の評価額は実勢価格(路線価)の7割で評価され、かつ家族が住み続ける住宅用土地の場合は240m2まではその2割でよいため、大都市圏に一戸建ての土地を持っていても、評価額は1,000万円程度と小さい。ただし、首都圏に一戸建ての土地付き住宅を保有していると土地の評価額が大きいため評価額が数千万円となり、相続税を払うこととなろう。
{参考} 路線価の調べ方
住所が分かれば全国ほとんどの地域の最新の路線価を知ることができる。
参照資料
雑情報を作成するにあたり、参考となる/参考にした新聞、雑誌などの出典元、年月日、タイトルを載せる。
★週刊 ダイヤモンド 臨時増刊 葬儀・寺・墓・相続 2010年4月29日
「相続で使われる路線価の仕組み」
△ページトップへ戻る
- 2013年06月05日 14:07 |
- 葬儀・相続(ビジネス 遺産)
-
-
2011年2月5日
雑情報 (38-2)
相続をどうするか その2
遺産はどの程度もらえるか?
要旨
1. 人間は土から生まれ土へ還る 1) 人間は生まれた瞬間から死への旅路に向う 2) 動物は冬を越せれば・・・ 3) 生物には長生きできない仕組みが組み込まれている * 人間の寿命は最大120歳が限度。 4) 死ねば人から物になる 2. 相続の知識&情報 1) 相続についての知識や情報を入手し行動する * 葬式や相続を準備していたかどうかにより遺族の手間と費用が大幅に変わる。 * 相続の準備のために、相続に関する知識や情報を得て実行すること。 2) 相続情報は個人の最高機密 3) 金持ちの資産状況は脱税報道で知る 3. 遺産は誰もがいつかは受け取れるビッグなお年玉 1) 遺産相続は当たり前の出来事 * 毎年100万人が亡くなる。全年齢の平均死亡率は0.91%。 * 年齢と共に死亡率が上昇するが70歳までは1%と低く、その後急勾配で増加。 2) サラリーマンでも若い時に遺産を受け取ると生活が一変 * 50歳前に遺産を受けた家庭は親の今まで住んでいた住宅へ移るか、遺産を住宅ローンの返済に回し借金から開放され、子供達へも十分な教育費を充当できる。 3) 遺産は誰もがいつかは受け取れるビッグなお年玉 * 遺産は誰でもいつかは受け取れる * 若い時に遺産を受け取らなかった世帯は、遺産により老後資金を一挙に積み増すことができ老後は安心して過ごすことができる。 4. 資産を持つ高齢者と赤字のサラリーマン
1) 高齢者は恵まれている 2) 生涯収支が赤字のサラリーマン * サラリーマンは生涯収入2~2.5億円、生涯支出2.5~3億円。 3) 遺産相続が疑問を解決 4) 生きているうちに親に感謝をし続けよう 「いつまでもあると思うな親と金、無いと思うな運と天罰」 「親孝行したい時には親はなし」 * 親が亡くなった後に感謝するより、親の存命中に精一杯、親子孝をし続けよう。 5. 老後設計、ライフプランに相続分を加えよう 1) 現在の老後設計、ライフプランにうろたえない * 本や雑誌などに載っている老後設計、ライフプラン(人生設計のための資金計画)には相続により親から受け取る遺産(土地・住宅と金融資産、保険金)が抜け落ちている。 2) 遺産相続分を加算すると事態は急変 3) 既存の老後設計、ライフプランの見直し * 遺産相続を勘案することにより、将来の不安が物心両面において軽減されゆとりを持って対応できる。 4) 相続を期待できないケース * 遺産相続に当り、親がサラリーマンの場合には見かけと実体は余り違わないが、自営業の場合には過度な期待は禁物である。取らぬ狸の皮算用となる可能性も高い。 6. 遺産はどの程度もらえるか? 1) 富裕層の遺産相続 * 死亡者100万人中、相続税を払っているわずかに4.7万人。その相続課税対象遺産は10兆円を超え、死亡者1人当たり2.3億円を残している。 2) 一般人の遺産相続のシミュレーション (1) 高齢者の保有資産が相続分 * 相続を受け取る子供の年齢は平均40歳。 * 親から受け取る遺産は土地、住宅分が1,500万円、金融資産が1,800万円の合計3,300万円。 (2) 実際の相続のデータ * 遺産を相続した子供は、夫あるいは妻のいずれかの両親から遺産を受けている。 * 相続した資産は2,000万円の金融資産及び居住用土地、住宅。 (3) 遺産相続のまとめ ① 大半の世帯が遺産相続を受けている。 ② 遺産相続は居住用土地、住宅は実取引価格で1,500万円+金融資産1,800万円の合計3,300万円。 ③ この程度の遺産相続では相続税の申告も納付も不要。 ④ 相続税を納めているのは、年100万人の死亡者中わずかに4.7万人の富裕層に限定されていた。2015年1月施行の、相続増税により相続税を納める対象者が6万人程度となり、大企業の部長クラス程度まで範囲が広がる。 |
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1. 人間は土から生まれ土へ還る
1) 人間は生まれた瞬間から死への旅路に向う
人間は生まれた瞬間から死への長い道に旅立つ。その間、病気、事故、災害などの苦難が立ちはだかるが努力、運、社会や周囲の助けを受けつつ生き抜き、次の世代の子供を授かり、育て、見守りながら過ごしていく。子供が独り立ちするころから老化現象が始まり、ついには短い一生を終える。
人間は聖書の言葉「人間は土から生まれ、土へ還る」を途方もない世代繰り返し、次の世代へ生を引き継いできた。
日本人の平均寿命は弥生時代30歳*1)、江戸時代でも40歳。1947年の統計では男50歳、女54歳であったが、この60年の間に急激に伸び2009年には男性79.6才、女性86.4才と世界トップクラスとなった。寿命が延びたのは食物の安定的な摂取と寒さ対策、医療の向上による乳幼児の死亡率の減少、3大死亡原因のガン、脳血管疾患、心疾患が克服されつつあるからである。
*1) 平均寿命:昔は乳幼児の死亡率が数十%と高いため、平均寿命を定義している0歳時の平均余命を基準にすると、平均寿命は弥生時代では15歳程度となる。このため昔の寿命は15歳到達時の平均死亡年齢を使用した。
2) 動物は冬を越せれば・・・
人間以外の動物は生きるため日々の食物を確保するのに精一杯である。冬季は動物にとって最大の危機となる。寒さや食物の枯渇による飢えをしのぐため冬眠、卵やさなぎとして次の世代へ命を託しているが、それでも冬季を越すことができずに死んでしまうことが多い。その年に生まれた子スズメの半数、自然界に生息しているカメも半数は春を待つことなく死んでしまう。
他の動物と比較し人間は頭脳を発達させたおかげで他の生物よりも長く生きることができ地球上で繁栄している。
3) 生物には長生きできない仕組みが組み込まれている
どうあがいても、人間の寿命は最大120歳が限度である。
生物は遺伝子などに長生きできない仕組みが組み込まれ、確実に次の世代へ若い時期の健全な遺伝子を引き継いでいくようになっている。動物界の弱肉強食は少しでも良い遺伝子を次の世代へ確実に残すための仕組みである。
4) 死ねば人から物になる
エジプトのファラオ、中国の皇帝などは自分と家族だけが永遠の命を授かるよう遺体をミイラ化し、壮大な墳墓の中に生前と同じ生活ができるよう装飾品などを納めたが、ほとんどが無残にも墓荒らしに遭っている。運よく墓泥棒を免れたミイラを眺め、誰も魂が宿っているとは思わない。単に墳墓などの壮麗さと精巧さに驚嘆し、内部から発見された素晴らしい装飾品から当時の環境や生活状況の手がかりとなり、美術品、工芸品として評価するだけである。
人間は死ねば遺体、すなわち物になる。だからこそ、海外で亡くなり遺体を日本へ運ぶ際、飛行機で遺体を置く場所は客室ではなく貨物室である。死ねばすべてが無となり、故人としての思い出が残るのは配偶者や子供など限られた遺族だけである。故人と縁がない者の死は、単なる死亡情報の一つでしかない。
2. 相続の知識&情報
1) 相続についての知識や情報を入手し行動する
親や自分の亡くなったあとの葬式や相続のことを事前に準備していたかどうかにより、亡くなったあとの遺族の手間と緒費用が大幅に変わってくる。相続の準備のためには、相続に関する知識や情報を得ていないと始まらないし、かつ、実際に行動を起こさないと意味をなさない。
つい最近前まで、葬儀や相続については
禁句*2)とはいわないが、親も子供たちもなんとなく避けてきた話題である。
そこをつけこまれて、葬儀の時には坊主や葬儀業者の言いなりになりバカ高い葬儀費用を支払わされたり、坊主に高額の戒名料を取られたりするケースが非常に多く、後悔や苦情があとを絶たない。
相続に関しても事前に準備しておかなかったため手続に時間と手間がかかったり、難しいと考え自分で手続をせずに専門家に依頼したために不必要な経費を払うはめとなったり、うまく行えば相続税を節税できたのに・・・、仲良くしておかなければならない遺族間に疑心暗鬼やいさかいが起こったりすることも多い。
*2) 禁句(きんく):聞き手の感情を害さないように使わない言葉や話。
和歌や俳諧で使用を避けるべき言葉。
同類として禁忌(きんき):忌(い)みはばかって使ってはいけない言葉。
タブー :近づくこと、触ること、話すことを禁止されていること。
2) 相続情報は個人の最高機密
相続は誰もが一生のうちに何回か当事者となるが、親の遺産はどの程度あったのか、どのように配偶者や子供達へ分割したのか、相続税はいくら納めたかなどは遺族だけの最高機密の一つであるため、外部へ流出することはない。
3) 金持ちの資産状況は脱税報道で知る
数年前まで毎年高額納税者公示制度(長者番付)と共に高額相続税者、高額贈与税者を公示していたため著名人などの資産額を垣間見ることができたが、2006年の個人情報保護法の施行により廃止された。それ以降、有名人から地域の名士にいたるまで高額所得者がどの程度稼ぎ、故人がいくら遺産を遺したのかがわからなくなった。
唯一、資産家が相続・贈与資産を適切に申告せず、後で税務署の調査で見つかると新聞、テレビで報道され、遺産をどのようにして隠し相続税をごまかしていたかを知ることができる。これらは、一般国民にとってまったく縁がないが、飲み屋での話しの種となっている。
例として、鳩山由紀夫の母親が毎月1,500万円を息子達へ与えていたにも係わらず贈与税をごまかし追徴課税されたが、5年より前の贈与税は時効で回収できなかった。
(発行元のサイトは削除されているが、グーグルで検索すると読むことができる)
また、消費者金融会社(悪徳高利貸し)を営み莫大な不当利益を上げ、後に倒産した「武富士」の前会長が長男へ株式の贈与を行い1,300億円の追徴課税を受けた件は裁判中である。
(2013年1月25日追加)
2011年2月18日に最高裁の判決により、長男が株式の贈与を受けた時期に、海外での生活が日本より長いとのことで(その当時の相続税法)で相続税はかからないことで結審。国は利子を上乗せして2,000億円を長男へ支払った。
このように、一般のサラリーマン家庭では金持ちの資産保有額や遺産金額を知っても虚(むな)しいだけであるが、平均的な家庭の遺産相続の現状(金額、配分の状況など)知っておくと、今後の自分の老後計画、ライフプランの参考となる。
3. 遺産は誰もがいつかは受け取れるビッグなお年玉
1) 遺産相続は当たり前の出来事
この5年ほど毎年100万人が亡くなり(表1を参照)、その大半が高齢者のため、遺産相続にまつわる明暗があちこちで起こっている。相続により多額の遺産を受け取った遺族はその後の人生が急変するケースもある。
親の死後、息子が会社を継いで社長となり更に家業を拡大、繁盛させた例、反対に店を潰す事例は日常茶飯事である。
映画やドラマでは思いがけなく遺産が舞い込み、遺産を元に事業を起こして成功した、逆に遺産を受け取ったばかりに贅沢三昧の生活に明け暮れ荒廃した人生となった、悪意を持って近づいてきた悪人に騙されて遺産をすべて取られてしまったなどがある。
表1 年間の死亡者数の推移
年 次 | 年間死亡者数(万人) |
2004 | 103 |
2005 | 108 |
2006 | 108 |
2007 | 111 |
2008 | 114 |
2009 | 114 |
表2は5歳階層別の死亡率をまとめたものであるが、全年齢の平均死亡率は0.91%、すなわち1年間に100名中1人死亡している。
年齢を重ねるとともに死亡率が上昇するが70歳までは1%と低く、その後急勾配で増加する。それでも80歳前半の死亡率は5%弱しかなく、亡くなるのは20人に1人だけである。
表2 年齢階級別死亡率(2008年)
年齢階層 (歳) | 死亡率(%) |
全年齢 | 0.91 |
60~64 | 0.67 |
65~69 | 1.01 |
70~74 | 1.67 |
75~79 | 2.87 |
80~84 | 4.92 |
85~89 | 8.45 |
90~94 | 14.8 |
95~99 | 22.7 |
100歳以上 | 33.7 |
2) サラリーマンでも若い時に遺産を受け取ると生活が一変
遺産相続を受けた子供達が友人などへ多額の遺産が入ったとしゃべる者はだれもいない。
しかし、周囲を見回すと、サラリーマンであっても50歳前に遺産を受けた家庭では親の今まで住んでいた住宅へ移るか、遺産を住宅ローンの返済に回し借金から開放される。また、子供達へも十分な教育費を当てることができる。
30~40代のサラリーマン世帯は手取り収入の伸びが少ない中、図1に示すように、30、40代は住宅・土地のための負債が1,000万円程度あり、40、50代は子供の教育費のためのローン代も多い。このため、30代では資産は赤字、40代でトントンとなっている。
50代になると給料の伸びに加え一部は相続を受け、60代となると退職金や相続により負債が急減し、貯蓄が急増する。
親が長生きできずに亡くなる事は残念なことであるが、子供にとってはビッグなお年玉としての遺産(詳細なデータは後述するが、遺産全体として親が住んでいた土地、住宅及び2,000万円程度の金融資産)が転がり込むとそれまでの苦労続きの生活が一変する。
図1 世帯主の年齢階級別貯蓄・負債現在高(二人以上の世帯)
3) 遺産は誰もがいつかは受け取れるビッグなお年玉
若い時に遺産を受け取ったからと言ってウハウハしてはいけない。遺産は誰でもいつかは受け取れるもので、たまたま住宅、教育資金としてお金が一番必要な若い時期に受け取れただけである。あくまでも、一時的なお金と考え会社では今まで通り働き続けないと、せっかくの若くして受領した遺産のメリットを生かすことができない。
若い時期に遺産を受け取らなかった世帯では、住宅ローンの返済、子供の教育費の捻出に大変な努力と苦労をし続けてきたが、その苦労がいつか報われる時期が来る。定年を過ぎてもまだ遺産を受け取っていない世帯では、親が亡くなると不足していた老後資金を一挙に積み増すことができその後の老後は安心して過ごすことができる。
このように、遺産はあくまでも限定した(自分の両親、配偶者の両親の計4回ある)ビッグなお年玉と考え、親へ感謝の念をもち、自分の老後設計、ライフプランへ組み込むと良い。
4. 資産を持つ高齢者と赤字のサラリーマン
1) 高齢者は恵まれている
周囲を眺めると、70歳を超えた高齢者は夫婦、単身あるいは子供達と一緒に自己保有の家に住み、それなりの恵まれた生活をしているようである。その背景として、若い世代と比較すると優遇された年金を受け取っていることがあげられる。
それを裏づけるデータとして年代別の個人金融資産の状況がある。表3から、高齢者の保有している金融資産保有高は他の世代よりはるかに多く、個人の金融資産の21%を50代、60%を60代以上、合計で80%を占め、かつ世帯当り50代は1,103万円、60代以上は2,200万円以上もある。はなぜだろう?との疑問がわく。
表3 年代別の個人金融資産の状況
年 代 | 年代別個人金融資産残高(比率) (%) | 純貯蓄額 貯蓄-負債 (万円) |
20代以下 | 0.4 | -132 |
30代 | 5.7 | -192 |
40代 | 12.1 | 183 |
50代 | 21.0 | 1,103 |
60代 | 32.1 | 2,253 |
70代以降 | 27.9 | 2,336 |
合 計 | 100.0 | - |
2) 生涯収支が赤字のサラリーマン
一方、サラリーマンは生涯収入2~2.5億円、生涯支出2.5~3億円と想定され、一生を通し数千万の赤字の収支となっている。この赤字はどのように補填あるいは解消されているのであろうか?
会社の負債は破産に伴い清算され、個人の負債も自己破産や死亡時の相続放棄でゼロとなるが、サラリーマン世帯の子供達が親の借金の肩代わりを防ぐために相続を放棄したと聞いたことはほとんどない。
なぜだろう?
3) 遺産相続が疑問を解決
これらの疑問に対する答えは遺産相続である。
一つ目の疑問、高齢者が多額の資産を保有している理由は
70歳以上の高齢者は、既に親は亡くなり相続により土地・住宅を譲り受け、金融資産も受け取っている。また、生活するために必要な年金を受給しているため、相続した資産は食い潰すことなくそのまま残っている。
二つ目の疑問、赤字のサラリーマンの生涯収支が合わない件については、
親の遺産が子供達へ引き継がれた分の土地・住宅と金融資産がカウントされていないことから、生涯収支のアンバランスはちょうど相続分に合致する。
これらから、遺産相続を考慮すると高齢者が自己保有の住宅に住み、多額の金融資産を持っているのも納得できるし、サラリーマン家庭が負債を抱えずに生涯を過ごすことができる理由も理解できる。
4) 生きているうちに親に感謝をし続けよう
「いつまでもあると思うな親と金、無いと思うな運と天罰」
「親孝行したい時には親はなし」
誰もが心しておきたいことわざである。
親は大事に大切にしなくてはいけない!
ほとんどの家庭では親から遺産相続を受け取ることができるので、今まで以上に親孝行をしよう!
親が亡くなった後に遺影や墓へ向かい育ててもらったことや遺産などを感謝するのではなく、親が存命中に精一杯、親子孝をし続けよう。
(2013年1月25日追加)
5. 老後設計、ライフプランに相続分を加えよう
1) 現在の老後設計、ライフプランにうろたえない
現在発行されている老後設計、ライフプラン(若い世代から中高年までの人生設計のための資金計画)について書かれた本や雑誌、金融機関のパンフレットには年齢毎に保有する貯蓄額、年間所得収入など金融資産の統計データと寿命、想定受領年金額、老後の必要生活費などを基に書かれているが、相続により親から受け取る遺産(土地・住宅と金融資産、保険金)が完全に抜け落ちている。
欠落している理由の一つは個人情報の厳格化、プライバシー意識の高まりにより遺産相続に関する統計データが少ないことによる。
もう一つ大きな理由があり、親の死はいつ起きるか分からないし、親により遺産金額はゼロから数十億円と巾が広く、相続人の順位や数によっても配分が異なる。遺産の中味も預金、株式などの動産と土地、住宅の不動産、保険金とに分かれており、不動産は親が居住していたものの他に遊休土地、他人に貸している貸家を引き継ぐこともある。
このように、相続により受け取る遺産は千差万別のため一概に平均値はこれだ!と決めにくいことから、老後設計、ライフプランの中に資産は当初から無視したり、あるいは考慮すると遺産に係わる各種事例が多岐にわたり大変となるため除外して説明していない。
サラリーマンに対しライフプランの必要性を強調しベストセラーとなり、
2006年12月28日発行、4.4読むべき参考資料 に紹介した本
★藤川太 「サラリーマンは2度破産する」 朝日新書 720円+税
を読み直したが、遺産相続の件は一言も書いてなく、実情をきちんと書いているとは言いがたい。
この結果、老後設計、ライフプランを読むと、これは大変だ!!年を取ったら大変な事態となると思いこませてしまう。
典型的な老後設計の例によると、60歳の定年まで働いてやっと住宅ローンを払い終え、子供も大学を卒業し教育費がなくなり、最終的に退職金2,000万円と自己住宅のみが財産として残る。定年後は年金暮らしとなるが、65歳まで年金は満額の23万円/月の半分しかもらえず、65歳を超えてもゆとりを感じないまま死ぬまで退職金を食いつぶしながら生活することとなる。今後年老いて動けないようになり、自己負担分の医療費や介護費が多額にかかるようになると心配だ・・・
対策として、再就職しないといけない、家内もパートで働かないとダメである、子供がまだ学校を卒業していないのなら相当生活を切り詰めないといけないなど・・・
たぶん、このような文章を読んで、心配しうろたえていたことだろう。
2) 遺産相続分を加算すると事態は急変
前記で説明したように、親からの遺産相続を考慮すると土地・住宅及び金融資産を加算できるため、事態は一挙に良い方向へ転回する。
3) 既存の老後設計、ライフプランの見直し
まだ親が亡くなっていないのなら、確定ではないけれどいつの時期か間違いなく受け取れる遺産を考慮して老後設計、ライフプランを練り直すことができるため、灰色の老後がほのかなバラ色へと変貌する。
相続により親から受領できる金融資産が2,000万円あれば、年金に加え今後20年間毎年100万円のお金を得ることができることとなり、生活に大きなゆとりが生まれる。
たとえ、遺産金額が500万円であっても老後資金として大事に使うことができる。
既存の老後設計やライフプランに一言でも、今後親からの遺産相続が見込める場合には、資産計画が良い方向へ変わるためライフプランを大幅に変更することとなると書いてあれば良いのにと思う。理由として金融機関は危機意識をあおり、将来のために投資しましょう、生命保険に入りましょうと勧誘するためだろうとうがって考えているが・・・
相続により多額の資産を受け取ることができる説明がないために、多くの国民が、貯蓄額が少ない上に年金の受給も不透明なため年老いた時に心配だなどと不安となっている。
遺産相続を勘案することにより、将来の不安が物心両面において軽減されゆとりを持って対応できる。
4) 相続を期待できないケース
親はすでに亡くなっている、あるいは親は借家住まいで年金だけの暮らしをしており資産はない、親は事業に失敗し借金を抱えているなどの場合には遺産相続を期待することはできないため、従来のライフプランに沿って堅実な老後を送れるように実行するしかない。
また、親が自営業の場合、表向きは派手で事業がうまく経営しているように見えるが、実体は多額の借金を抱え自転車操業かもしれない。自営業者の保有する土地、住宅は事業を営むため銀行などの担保に入っているのは当り前であるし、最悪の場合には連帯保証人になっている可能性もあり、相続時に財産と負債がどうなっているかは蓋を開けてみないと分からない。
相続に当り、サラリーマンの親の場合には見かけと実体は余り違わないが、自営業の親の場合には過度な期待は禁物である。取らぬ狸の皮算用となる可能性も高い。
6. 遺産はどの程度もらえるか?
親から受け取る遺産はどの程度であろうか?
遺産相続に関する事柄は、各家庭において最重要秘密事項なので統計データが少なくかつ色々な要素がからむので一概にまとめにくい。
しかし各種データから相続によりどの程度親から子供へと資産が移ったかを想定してみる。
1) 富裕層の遺産相続
遺産相続のデータが正確に開示されているのは、死亡者100万人中、相続税を払っているわずかに4.7万人分だけである。しかし、相続税を払っている富裕層のデータをいくら調べても、相続税を払うほどの資産を持たないサラリーマンの相続の実体はわからない。
参考に富裕層が納税した相続税の概要は
100万人の死亡者中4.2%の約47,000人が相続税の対象者。
相続課税対象遺産は10兆円を超え、死亡者1人当たり2.3億円を残し、平均3.2人(配偶者+子供2人であろう)へ相続した。1人当たりの相続遺産金額は均等に分けたとすると8,000万円となる。富裕層は死ねば相続税を取られることがわかっているため、事前に資産の評価額が小さい土地・建物へ資産を移したりして相続税対策を行った結果であろう。
それにしても、富裕層の子供達への相続遺産が1人当たりたったの8,000万円とは?
日本にはスバ抜けた富裕層はいなくて公平な社会と言うべきか?課税、徴税方法に抜け穴があるのか?
はたまた、人間はお金をもっていると、なくなるまで使ってしまう本性がある?世の中富裕層向けに超リッチに散財する物やサービスであふれており、人生を謳歌するために使ってしまった?寄付を行い社会的貢献に寄与した?日本では多額の報酬を得ている経営者、資産家、政治家、タレント、スポーツ選手などが寄付をしたこと聞くのは、ほんの数えるほどしかないが・・・
(参考)相続税の申告
親がサラリーマン世帯では相続税の控除枠に相続資産が達しないため、税務署へ相続税の申告をする必要は無い。
ただし、親がたくさんの不動産を保有、取引をしていたり、多額の家賃収入、役員報酬などがあったりすると、後日、税務署から相続に関するお伺いがある可能性がある。
しかし、親がサラリーマン家庭の場合には、多額の資産を残すことはできないため税務署がわざわざ手間をかけてお伺いを立てることは無い。サラリーマン世帯から追徴できたにしても数百万円程度なので割りに合わない。
それよりも、相続税の申告をした富裕層の相続人に対して、遺産隠しがないか、申告漏れがないかを調査した方がより確実に多額の相続税を追徴できるため、そちらの方へ精力を注ぐのは当たり前である。相続税の申告者の約1割に実地調査が入り、85%が申告漏れにより追徴課税されている。
2) 一般人の遺産相続のシミュレーション
(1) 高齢者の保有資産が相続分
年老いた親が住んでいた土地、住宅及び命をまっとうするまでの老後資金として保有している金融資産は、相続によりそのままそっくり子供へ移転すると考えられる。
相続を受け取る子供の年齢は平均40歳(父親死亡時の年齢は39歳、母親死亡時の年齢46歳)とすると、男女の平均寿命は80歳程度なので、70歳以上の世帯が保有する資産から40歳代の保有する資産の差が相続分となる。
なお、親から子への相続は親の一世帯から子の一世帯へ(標準的な世帯と想定:夫婦とも両親を持ち、親の兄弟は2人の場合)と考えれば遺産のダブリも欠損もない。
採用した資産データの年代は多少異なるが、日本の経済状況はそれほど大きく変わっていないため、大きな狂いはないと考えられる。
想定に使用したデータは
これらのデータから70歳代以降と40歳代の土地、住宅と金融資産額を差し引いたものが遺産額となる。数値は概算とした。
表4 世帯当りの想定遺産受け取り額(万円)
保有資産内訳 | 年 齢 | 遺 産 |
70歳代以降 | 40歳代 |
土地、住宅 | 3,900 | 2,400 | 1,500 |
金融資産 | 2,000 | 200 | 1,800 |
耐久消費財 | 100 | 100 | 0 |
合計 | 6,000 | 2,700 | 3,300 |
注)土地、宅地は実際の取引価格。遺産相続時の評価額は居住用宅地ではゼロ、その他の土地・宅地も実際の取引価格より相当低い。
親から受け取る遺産は土地・住宅分が1,500万円、金融資産が1,800万円の合計3,300万円となる。そのうち、土地・住宅分は、容易に売買できないが、自分の家族が今住んでいる住宅を売却して移り住めば金融資産となるし、他人に貸せば賃貸が入るし、親元へ戻らないのなら土地・住宅の売却も考えられる。
いずれにせよ、1,500万円の価値を持つ不動産である。
金融資産は、いつでも、何にでも使える動産である。若い世代なら住宅ローンの一括返済、教育資金や老後資金としてそのまま貯蓄するなどいかようにも使うことができる。
(2) 実際の相続のデータ
相続に関する統計資料は少ないが、その中に相続の実体を表しているものとして、
が良くまとまっているので紹介する。
a) 遺産を相続した子供の割合
資料では父死亡時あるいは母死亡時に遺産を相続したものは25%となっているが、別のデータでは一人っ子の父、母からの遺産を受けたものは68%,両親の死亡別順位からは72%が遺産を相続していることから、70%の家庭が遺産を相続していると想定される。
これらのデータから、大半の世帯 (夫、妻ともに遺産をもらっていない確率は0.3×0.3=0.09、すなわち9%の世帯) は、夫あるいは妻のいずれかの両親から遺産を受けていると想定される。
b) 相続した資産額
相続した金融資産は一人っ子の相続額が父母を合わせると2,186万円、両親死亡時の相続額1,700万円の二つのデータから、親は2,000万円程度の金融資産を子供へ遺している。
親が2,000万円もの金融資産を保有していたことから、当然のこととして、親が住んでいた土地、住宅は自己保有であろうから、これらも遺産として引き継がれる。
(3) 遺産相続のまとめ
(1)高齢者の保有資産が相続分及び(2)相続のアンケート資料から、遺産相続の概要が明らかとなった。
① 大半の世帯が遺産相続を受けている。
② 遺産相続は居住用土地、住宅、実取引価格で1,500万円+金融資産1,800万円。
③ この程度の遺産相続では相続税の申告も納付も不要。
④ 相続税を納めているのは、年100万人の死亡者中わずかに4.3万人の富裕層に限定。
(2015年1月施行の、相続増税により、相続税の納税者が一流企業の部長クラス程度まで広がり6万人程度が収めることとなる。
参照資料
雑情報を作成するにあたり、参考となる/参考にした新聞、雑誌などの出典元、年月日、タイトルを載せる。
1. 人間は土から生まれ土へ還る
★日本経済新聞 2011年1月23日 ナゾ謎かがく 人はなぜ死ぬのか?
種の保存へ固体死不可避
★田沼靖一 ヒトはどうして死ぬのか 死の遺伝子の謎 幻冬舎新新書 720円
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- 2013年01月26日 11:54 |
- 葬儀・相続(ビジネス 遺産)
-
-
2011年1月22日
雑情報 (38)
相続をどうするか(相続税改正により納税該当者になるか も?)(2013年1月の税制改正大綱を反映済み)
要旨
1. 相続税の改正 1) 納税該当者は大企業の部長クラスまで広がった * 2013年1月24日、2013年度税制改正大綱を決定したことにより、2015年1月から相続増税が施行されることとなった。 * 改正により相続税の納税者は全死亡者の4.1%→6%程度へと拡大。 2) 相続税の必要性 ① 格差是正と社会への還元 * 相続税は格差の固定や格差拡大の防止及び生前に稼いだお金を社会に還元する富の再配分。 ② 機会平等 * 相続税は生まれた時からの不平等を少しでも緩和し、人生のスタートラインをできるだけ機会平等とするため一つの策。 * 機会平等は維持すべきであるが、能力、努力、運などにより結果が不平等となるのはやむを得ない。 ③ 3代相続すると財産がなくなる * どのような世界にいようと競争に打ち勝つだけの才覚を得、能力を磨き、努力や苦労、プラスして運に恵まれないと落ちぶれるのは当然 3)各国の相続税の現状 * 先進国では大半の国が相続税を導入し5~50%の税率、納税者は死亡者の5~30%。 2.相続税改正の要点 No. | 相続税の項目 | 従 来 | 改正後 | 1 | 基礎控除の減額 | 5,000万円+1,000万円×法定相続人の数 | 3,000万円+600万円 ×法定相続人の数 | 2 | 税率の細分化、最高税率のアップ | 6段階、50% | 8段階、55% | 3 | 死亡保険金の非課税枠の縮小 | 法定相続人は非課税 | 未成年者、障害者をを除く一緒に生計をしていない法定相続人の除外 |
3. 高齢者は死への準備を 1) 長生きできたことを感謝 * 人の死はいつ訪れるか予測できないが、誰もが確実に死に、高齢者ほど残された日数は少ない。高齢者は同世代に生まれ、病気、事故などで既に亡くなったものより、長生きできたことを家族や社会に対し感謝する気持ちをもちたい。 2) 葬式と遺産相続の準備 * 高齢者は死んだ後に家族が遺産をめぐる争いをしないよう前もって保有する資産の記帳、遺族との遺産の配分、葬式の方法などの話し合いをしたり、遺言書を作成するなどにより、死んだ後のもめごとを回避したい。 |
△ページトップへ戻る 1. 相続税の改正
1) 納税該当者は大企業の部長クラスまで広がった
2010年12月に平成23年度(2011)の税制改正大綱が発表された。2011年3月に国会に上程され可決成立すると2011年4月1日から施行となる。ねじれ国会ではあるが、与野党ともにこの法案に反対していないためすんなり可決の見込み。
(2013年1月25日追加)
政府与党は2013年1月24日、2013年度税制改正大綱を決定したことにより、2015年1月から相続増税が施行されることとなった。
相続税の改正により、従来なら全死亡者の4.1%が相続税を収めていたが、今後は6%程度まで範囲が広がる。
概略、相続税の納税者は大企業の役員以上の世帯のみとされてきたのが、改正後は大企業の部長程度も含まれることとなる。
人の死は勝手に決められないが、2015年1月1日以降に亡くなった遺族は2014年12月31日に死ぬ世帯より相続税を多く納めることとなる。
2) 相続税の必要性
① 格差是正と社会への還元
相続税は格差の固定や格差拡大の防止及び生前に稼いだお金を社会に還元する富の再配分の意味から各国で採用されている。相続税は努力もせずに単に裕福な家庭に生まれたことにより得た、あるいは得る予定の資産を軽減させるために必須の制度である。
② 機会平等
相続税は生まれた時からの不平等を少しでも緩和し、人生のスタートラインをできるだけ機会平等とするため一つの策として大変有効である。ただし、機会平等は維持すべきであるが、能力、努力、運などにより結果が不平等となるのはやむを得ないことである。昔のソ連や中国の共産主義、社会主義国家における、努力をしてもしなくとももらえる成果は同じの結果平等は絶対に避けるべきである。
③ 3代相続すると財産がなくなる
日本において「3代相続すると財産はなくなる」との言い伝えは、相続税の高さに嘆く資産家、事業主の意見であるが、日々なんとかやりくりして生活しているサラリーマンにとってはまったく縁のない話である。金持ちの子供として生まれると、最高の住まいに住み、最高の教育を受け、会社の創設者の子供や孫なら従業員からちやほやされ、お坊ちゃんやら帝王学とのことで何でも別格に取り扱われる。並み程度の能力ならなんとかやむなく従う周囲のバックアップでその地位を維持できるであろうが、能力がないとそのうちに追い出され次第に親の財産を食いつぶしていく。
どのような世界にいようと競争に打ち勝つだけの才覚を得、能力を磨き、努力や苦労、プラスして運に恵まれないと落ちぶれるのは当然である。
3) 各国の相続税の現状
イギリスでは1974年まで相続税がなかったため、いまだに国民の生活とはかけ離れた贅沢三昧をしている貴族の子孫がたくさん存続し階級制度が色濃く残っている。
先進国では大半の国が相続税を導入し5~50%の税率、納税者は死亡者の5~30%である。アメリカではブッシュ減税の一環として金持ち優遇策として相続税を40%から段階的に減らし2010年にはゼロとなったが、オバマ政権発足に伴い相続税は復活しそうである。香港、シンガポールなど海外の資産を呼び込みたい地域は相続税を廃止している。
相続税は各国とも国家の財政、国際情勢、政治状況により改正しているため相続税に対する統一した見解はないし、今後も変わっていくであろう。
2. 相続税改正の要点
相続税改正により、基礎控除額が大幅に縮小されるため、相続人が3人(配偶者と実子2人)の場合、従来なら、5,000万円+1,000万円×2=7,000万円まで相続税がかからなかったのが、改正後は3,000万円+600万円×2=4,200万円となる。
この結果、大企業の部長クラス程度であっても、都心に一戸建を保有しそれなりに蓄財してきた世帯は、相続税を払うこととなる。
ここ数年の予算は国債による借り入れが税収よりも多い借金漬けとなっており、消費税増税、社会保障費の見直しなどの目処が立たない状況にあって、取りやすいところから税収増を計る政治家と官僚の合作であろう。
景気停滞が慢性化し、若者の就職難、失業率が4~5%と高止まり、働きたくとも職がない状況と比較すると、民間企業より厚遇された給与を受け取り、退職後も恩給を受け取っている元公務員、破綻しても一般の民間企業より5割以上も多い年金(厚生年金+企業年金)を受け取ることができるJALの退職者、在職中に企業年金を積み立てて退職後は厚生年金にプラスしてもらえる企業年金により悠々自適の老後を過ごしている元金融機関、商社の退職者などに相続税の網が広げられる。
これらの退職者はいずれも金満家庭とは言い難いが、大多数のサラリーマンよりも長年にわたり裕福な生活を過ごし、今後も恵まれた年金額が下がることはないため生活レベルを落とす必要はない。しいて言えば、今までは配偶者や子供たちへ多くの遺産を残すことができたが、今後は相続税として収める額が増えることにより遺族への遺産が若干減るが減った分だけ社会へ還元されるだけなので、やむを得ないであろう。
表1 相続税改正の概要
No. | 相続税の項目 | 従 来 | 改正後 |
1 | 基礎控除の減額 | 5,000万円+1,000万円×法定相続人の数 | 3,000万円+600万円×法定相続人の数 |
2 | 税率の細分化、 最高税率のアップ | 6段階、50% | 8段階、55% |
3 | 死亡保険金の非課税枠の縮小 | 法定相続人は非課税 | 未成年者、障害者をを除く一緒に生計をしていない法定相続人の除外 |
3. 高齢者は死への準備を
1) 長生きできたことを感謝
人の死はいつ訪れるか予測できないが、誰もが確実に死ぬし、高齢者ほど残された日数は少ない。高齢者は同世代に生まれ、病気、事故などで既に亡くなったものより、長生きできたことを家族や社会に対し感謝していることであろう。
2) 葬式と遺産相続の準備
葬式と遺産相続は一生のうち何度もあるものではないので、始めての経験のケースが多い。
葬式は不意に起こり、悲しみ、未経験、やらなければならないことが多い、時間がないなどのことから、ついつい葬儀業者と坊主の言いなりになり食いものにされ、無駄金を使う羽目となる。
遺産相続は故人の遺産として何があるのか、土地、建物の評価額は?相続人はだれかなど、故人が生きておれば簡単にわかることが亡くなってしまうと調べるのに相当な手間がかかってしまう。
遺産相続では相続税申告と手続までに10ヶ月あるが、事前に相続する側でも相続される側でも準備をしておくと円滑に相続の手続が済むし、もめごとも少なくできる。
高齢者は自分が死んだ後に家族が遺産をめぐる争いをしないよう前もって保有する資産をノートなどに書きしるしたり、遺産を残したい子供達と遺産の配分、葬式の方法などの話し合いをしたり、遺言書を作成したりして、死んだ後のもめごとを回避するようにしたい。
葬儀については、既発行を参照。
また、高齢者と家族との葬式、相続などの話し合い時に打ち合わせる内容などについては、以下を参照。
「帰省を機会に本音を話そう」
労親が元気なうちに
介護、葬式、遺産 これだけは確認
寄り添い、結論はあせらず
4. 相続に関する最新情報
1) 週刊ダイヤモンド「相続が大変だ」
に相続税の改正の内容から節税術、相続時の親族間の遺産をめぐる争い防止、書込み式の相続準備シートなどが掲載されている。
年老いた親がいる世帯では親からの相続、自分が70代を過ぎた世帯では自分が死んだ後で遺産をめぐり親族間でトラブルの発生がないよう一読してはどうだろうか?
週刊ダイヤモンド 2011年1月22日号から目次を紹介する。
★p.31~33 相続のイロハ
相続の手続と流れ:親の死亡から相続税の申告と納付
法定相続人に関するルール:増続人の範囲と優先順位、分割割合と遺留分
遺産の評価法:金融資産、不動産、死亡保険
★p.73~77 備えあれば憂いなし あなたの「相続」はこうなる
相続の6つのステップ
① 残された(残す)財産は何があるのか
② いくらで評価されるのか
③ 相続権のある人は(法定相続人)は誰か
④ 課税対象となる金額はいくらか
⑤ 誰に、何を、どれだけあげるか
⑥ 相続税は、誰が、いくら払うのか
相続が近い将来有るかも知れない、相続が気になる読者は、書店でこの本を購入すると参考となろう。
2) 週刊ダイヤモンドの購入方法
書店が遠い、近くのコンビニにはおいていない場合には、ネットを利用すると、ダイヤモンド社のサイトから直接購入できる。
最新刊の場合、送料込みで定価と同じ690円、カード払いOKである。ネットで購入するとメール便にて翌日あるいは翌々日には届く。
バックナンバーとして購入の場合、ダイヤモンド社と提携したブックサービス社がネットで取り扱っているが、定価690円+輸送費300円(本の価格が1500円以上の場合は無料)が必要となる。
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- 2013年01月25日 16:49 |
- 葬儀・相続(ビジネス 遺産)
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2010年2月9日
雑情報 (29)
葬儀はどのようにすればよいか?
要旨
1. 変わらざるを得ない冠婚葬祭 * 形骸化した葬式 葬式は亡くなった本人の意向を尊重し遺族の死者との決別、遺族の再起の原点となるべきものであるが、実情は取り仕切る葬儀会社と宗教法人及び坊主、仏壇屋、墓石会社などの金儲けの手段として形骸化し虚礼として格好だけが残っている。 * 変わらざるを得ない冠婚葬祭 長生きの世の中となり、家族であっても成人するとばらばらに住み、地域住民との関係が希薄化し、誰もが日々の生活を営むのに忙しい中では、冠婚葬祭の考えややり方が変わるのは当然である 2. 葬儀や坊主の実態 * 坊主は不労所得者の筆頭 今の坊主は世襲によりバカ息子でも坊主になれ、檀家などの葬儀や供養、法事により布施を集めている。更に金を求めて、お寺の改修をするとかなんとかの名目で布施を集めて廻っている。まさに坊主丸儲けである。 まともな仕事もせずに、世の中で不労所得を得ている筆頭が坊主である。 * 坊主と付き合うのを止め、理にかなった葬儀を 葬儀の原点へ立ち返らないと一生懸命働いて得たサラリーマンのお金が不労所得にあぐらをかき贅沢三昧をしている坊主へ召し上げられるばかりである。 無駄な葬式を実の有る葬式に変えていくことが必要である。 3. 葬儀に関する各種情報 3.1 新聞情報 * 直葬(ちょくそう) 以前は死亡記事のみであったが、葬儀の記事が増えてきた。 今流行の直葬(ちょくそう)なども話題となっている。 * 手元供養 葬儀が終わり、火葬した遺骨を寺や納骨堂へ納めずに海へ散骨したり、一部を加工したり、そのまま手元においておき供養する手元供養が増えてきている。 坊主を排除し、故人を身近にしのぶことができる手元供養は、直葬と共に今後の故人の供養の方法として定着していきそう。 3.2 テレビ放送 * テレビでも葬儀の実情などを放映し始めた 3.3 雑誌や本 * 雑誌や本でも葬儀の実情、騙されない葬儀について続々と出版されている
3.4 ネット情報* ネットにはなぜだか葬儀会社と宗教法人の情報ばかり ネット上には葬儀会社や宗教法人のホームページで満ち溢れ、葬儀を行う当事者の本音を乗せたサイトは後方へ追いやられている。 * 葬儀会社のたくらみ 葬儀サイトには亡くなった場合の葬儀会社の連絡先、見積先などがたくさん載っており、同業者が談合し業界ぐるみ、いかに葬式で儲けようかとたくらんでいるようである。 当然のことながら、葬儀会社とぐるになった宗教法人、坊主、墓石屋、仏具店なども同類である。 * 葬儀会社に騙されないように 儲かる葬儀ビジネスのためたくさんの葬儀会社がホームページを立ち上げ騙す顧客を待っている。 葬儀ビジネス集団に資産を騙し取られないように、葬儀に関する動向、価格などの最新情報を入手し続けよう。 * イオングループが葬儀ビジネスへ進出 最近、イオングループが葬儀の透明化を掲げてこの市場へ進出してきた。 大手企業の参入で、葬儀の内容、費用の不明朗、不透明さが改善され、悪徳業者が淘汰されることを期待したい。
4.今後、葬儀をどうするか
a) 葬儀に対する考えは、不景気の長期化、高齢化の進捗により大きく変わってきた。 変わらない拝金システムの宗教法人や坊主の意のままの、あるいは葬儀会社のお金のかかる葬儀を改めよう。 日本の葬儀にかかる費用が231万円とアメリカの5倍、イギリスの10倍以上もかかっているのは、絶対におかしい。 b) 宗教法人や坊主との係わり合いは、習慣として長くから当たり前とされてきたが、今まで当たり前のことをやってこなかった宗教法人や坊主に葬式の時だけしゃしゃりでて、金をふんだくる行為を止めさせる良い機会である。 c) いつ訪れるわからない葬儀に対し、最新の葬儀に関する情報を知り、かつ事前に葬儀会社を決めておいたり、檀家をどうするかなどについても、家族で話し合い、筋道をつけておくのが良い。 d) 葬儀の方法として、身内や親しい親族だけで家族葬あるいは直葬を行い、火葬後の遺骨を散骨したり、手元供養する方法が今後急速に増えて行くのは必然である。 e) 葬儀にかかる費用は、すべて含めて50万円以内が妥当な線であろう。 f) 葬儀などにかけるお金の多寡により、故人への思い出や遺族の気持ちが変わるはずがない。 g) お金がありあまっているなら、坊主や葬儀会社へ散財するより、故人や自分が社会貢献したいところへ寄付するのが一番! |
△ページトップへ戻る 1. 変わらざるを得ない冠婚葬祭
1) 冠婚葬祭とは
冠婚葬祭(かんこんそうさい)とは人が生まれ、死ぬまで及び死んだ後の家族的な行事を示し、“冠は成人式”“婚は結婚式”“葬は葬式”“祭は先祖の霊を祭る法事、お盆、墓参り”の意味である。
なお、葬儀と葬式は同じ意味である。
2) 形骸化した葬式
現在、冠婚葬祭の中で結婚式と葬式の二つはセレモニーとして盛大に行われている。
結婚式は派手婚、ジミ婚、式のみなどさまざまな形式を結婚式場やウエディング会社が取り仕切っているが、どのような形式であっても当事者二人や家族の意向を反映して行われている。
しかし、葬式は亡くなった本人の意向を尊重し遺族の死者との決別、遺族の再起の原点となるべきものであるが、実情は取り仕切る葬儀会社と宗教法人及び坊主、仏壇屋、墓石会社などの金儲けの手段として形骸化し虚礼として格好だけが残っている。
3) 葬儀と村八分
葬儀と聞いて、思い浮かべるのが村八分(むらはちぶ)*1)の言葉である。
都会では、他人とのウエット(密接)な関係を避けて暮らすのが当たり前となり、他人のことに係わらない、口を出さないドライ(疎遠)な関係が当たり前となっているが、日本の昭和30年代の高度成長期以前はどこの地域でも向こう三軒両隣*2)の関係により、近所とはいろいろな面で助け合い協力し合って生活していた。
その中にあって、何らかの理由により、ある一軒と絶交する時に使われる言葉が村八分である。
*1) 村八分
江戸時代、村で行われている10の行事、「結婚式」「出産」「冠(成人式)」「病気の世話」「家の新増築時の手助け」「水害時の援助」「年忌(ねんき)の世話(亡くなったあとに行われる法要)」「旅行」「火事の時の消火活動」「葬式の世話」のうち、火事は発生するとすぐに消火を行わないと自分の家へ延焼するおそれがあること及び葬式は死ねば絶交の理由がなくなること、あるいは早く葬式をしないと死者から疫病が蔓延するのを防ぐことから「火事」と「葬式」の2つを除外することを示す。
*2) 向こう三軒両隣(むこうさんげんりょうどなり)
そのままの意味は自分の家の向かいの3軒と自分の家の両隣を示すが、本来の意味は普段から良く付き合っている近所を示す。
4) 変わらざるを得ない冠婚葬祭
昔なら出生してもかなりの数の赤ちゃんが生まれてもすぐに亡くなることが多く、成人に達することは家族にとって喜ばしいことであった。子供が成人し結婚して伴侶を得ることは、次の世代への橋渡しとなり、人生50年を全うすれば、飢餓、病気、災害などにもめげずに生きられ良い一生であった見なされていた。また、昔は人生において現在ほどいろいろな体験できるほどの出来事は少なかった。冠婚葬祭は、狭い集団の中でいつも一緒に暮らしている地域住民の繰り返しの生活の中で、非日常的なイベントとして営々と続けられた。その際の着飾ったり、おいしいものを食べたり、酒を飲んだりなどの特別の出来事は、変化のない生活のメリハリとなっていた。
しかし、現在は毎日が新たな出来事の連続で誰もが仕事、遊び、人との交流などで忙しい。そのため、冠婚葬祭は当事者や密接に関係している家族にとっては、一大イベントかもしれないが、それ以外の第三者にとっては、単に普通使っている日程表に書き込む一行程度の意味しかない。
昔のように小さな集団の中で、毎日顔を合わせていたり、良く知っている中での冠婚葬祭と、現在のように家族であっても成人するとばらばらに住み、地域住民との関係が希薄化し、誰もが日々の生活を営むのに忙しい中では、冠婚葬祭の考えややり方が変わるのは当然であろう。
2. 葬儀や坊主の実態
1) 葬儀や坊主の評判は最悪
葬儀は誰にとっても頻繁に起きることでないためマスコミ情報は少ない。
ちらほら聞く葬儀に関するうわさは、葬儀屋にバカ高い金をふんだくりとられた、坊主へのお布施の金額により戒名が異なるとか、なまぐさ坊主がベンツを乗り回しているなどの良くないことがほとんどである。
2) 坊主は不労所得者の筆頭
実際、葬儀の時に呼ぶ坊主の対応には疑問を感じることが多い。
だいたい、通夜や告別式の予定時間通り来ない、一人で来ると思ったら坊主仲間で示し合わせて何人かで押しかけて来て読経したくさんの布施を要求する、布施以外の車代なるものも別途もらうのが当たり前になっている。
その後も法要、盆の供養、命日、その後も頼みもしないのに勝手に来て、10分ほどわけのわからない読経を読んで布施をもらって帰る。
現代社会において、いまでも無法がまかり通っているのはやくざと坊主の世界だけであり、いずれにもできれば係わりたくない相手である。
やくざは犯罪と係わりがある違法行為や法律のグレーゾーンのあぶないクスリ、オンナ、カネに近づかなければ一生涯縁がない。
しかし、坊主だけは、用もないのに人の死のにおいをかぎつけると勝手に押しかけ、一旦食らい付くといつまでもその家に居つきだいじなお金を吸い取る寄生虫のような存在である。
それでも、昔の坊主のように礼節を知り、質素な生活を行い、修行を欠かさず、地域のために活動しておれば尊敬されそれなりの布施を渡すであろう。しかし、今の坊主は世襲によりバカ息子でも坊主になれ、檀家などの葬儀や供養、法事により布施を集めている。更に金を求めて、お寺の改修をするとかなんとかの名目で布施を集めて廻っている。まさに坊主丸儲け*3)である。
坊主はベンツを乗り回し、奥さんは上から下までブランドで固め、2台目のベンツを運転しデパートなどへショッピングに行き、バカ息子たちも親の真似をしているようでは、誰も救われない。
そもそも布施は檀家が自分の払える範囲で支払えばよいとされているが、今では半強制的にお寺から布施はあなたのところはいくら程度とか書いた書類が送られてくる。檀家は止む無くなけなしの金から布施として毎年数万円を払っているのがほとんどである。
葬式になると、なおさら不明瞭な戒名料を召し上げられる。数十万円から数百万円の戒名料の多寡(たか、多い少ない)に応じて院号、位号が異なるなどまったくもって仏の信念に反することを当然のごとく行っている。
亡くなった人にあった戒名などはだれでもつけられる程度の戒名に数十万円もふっかける行為は詐欺に等しい。
(2013年1月25日追加)
★島田裕巳 戒名は、自分で決める 幻冬舎新書 740円
だれでも、簡単に作ることができる10文字程度の戒名を坊主は遺族に平均40万円で売りつけている。戒名などはなくとも良いのに・・・、もし、戒名が欲しいなら自分で作ろう。
当然のごとく、坊主が普段から檀家などへそれなりのことをしておかなかったつけが葬式の時に噴出する。坊主の法外な戒名料の要求はあちこちでトラブルとなり、ますます坊主が嫌われる。
更に坊主はお寺を宗教法人組織として、布施による集めた不明朗なお金に対して税金を逃れている。
まともな仕事もせずに、世の中で不労所得を得ている筆頭が坊主であろう。
坊主は地獄へ落ちろ!
*3) 丸儲けは、「花八層倍(はなはっそうばい)、薬九層倍(くすりくそうばい)、お寺の坊主は丸儲け(まるもうけ)」のことわざの一節。
意味は花屋は元手の8倍、薬屋は元手の9倍の儲けがあるが、坊主はまったくの元手ゼロで100%利益がでる意味である。
3) 坊主と付き合うのを止め、理にかなった葬儀を
坊主が命日、供養、お盆になると呼びもしないのに勝手に出向き、自分も理解していないと思われるようなお経を読み、説教をしていかにもありがたいお話のようにしているさまは、学校を卒業し日々仕事に励んでいるサラリーマンから見ると、まったくばかげた猿芝居である。このような意味のない、お金をふんだくり取られる葬儀やセレモニー、坊主と付き合うのははやめたほうが良い。
いつまでたっても、不労所得を当たり前のように得続けているお寺や坊主の体制や仕組みを少しずつ変えていきたい。
葬儀は、原点へ立ち返り、理にかなった、死者への弔いと遺族の死者との決別と再出発のためのものとし、それ以降の供養も遺族の意向に沿ったものにしていかないと、一生懸命働いて得たサラリーマンのお金が不労所得にあぐらをかき贅沢三昧をしている坊主へ召し上げられるばかりである。
無駄な葬式を実の有る葬式に変えていくことが必要である。
3. 葬儀に関する各種情報
3.1 新聞情報
1) 以前は死亡記事のみ
新聞の朝刊3面の一番下には、小さく有名人、著名人の死亡記事が載っている。死亡欄の中でいがいに件数の多いのは大企業の親族や引退した社長などの死亡記事である。
サラリーマンにとって、有名な会社の現社長の死亡記事はビジネス情報として必要かもしれないが、一般の読者にとっては、在任中の社長ならいざしらず、社長の親族や引退した後のあまり知られていない社長の死亡記事などはどうでもよいことであり、載せる価値はあるのかと、疑問に思う。
2) 葬儀の記事が増えてきた
長い間、葬儀に関し新聞には死亡欄以外の記事がほとんどなかったのは、誰もが葬儀に余り関心がなかった、あるいは習慣としてこのようなものだと考えていたからであろう。
ところが、ここ数年、葬儀に関する新聞記事が少しずつ増えてきた。
a) 朝日新聞 備える、人生のエンディング
最初に葬儀が新聞記事として話題となったのは、朝日新聞に2008年8月29日から2009年2月18日までシリーズ物として連載された「備える、人生のエンディング」である。
新聞記事と同じ内容は朝日新聞のサイト「どらく」に載っており、葬儀に関する内容をわかりやすく解説しているので必見のサイトである。
葬儀に関する箇所のみ、以下に紹介する。
★どらく(朝日新聞)、備える、人生のエンディング
なお、このサイトは、葬儀以外にも、エンディングに関する事柄を網羅しており、いままで自分や親族のエンディングに関心がなかった、どのようなものかよくわからないものにとって、役に立つ情報が満載である。
b) 産経新聞 直葬(ちょくそう)~消える弔い~
その後、2009年9月22~24日、産経新聞に「直葬(ちょくそう)~消える弔い~」として3回の連載と、読者からの反響を掲載した。
同じ内容がmsnの産経ニュースのサイトに掲載されている。
(発行元のサイトは削除されているが、グーグルで検索すると読むことができる)
また、このニュースに対しての反響を続けて掲載。
★msnの産経ニュース 2009年10月6、7日
【Re:社会部】強い宗教不信 「直葬~消える弔い~」の反響から(上)
【Re:社会部】私も葬式をしない 「直葬~消える弔い~」の反響から(中)
【Re:社会部】送る人、送られる人 「直葬~消える弔い~」の反響から(下)
(発行元のサイトは削除されているが、グーグルで検索すると読むことができる)
これを一通りよむだけで今後の自分に関係した葬儀の参考となると思う。
更に、今流行の直葬(ちょくそう)なども話題となっている。
3) 手元供養
葬儀が終わり、火葬した遺骨を寺や納骨堂へ納めずに海へ散骨したり、一部を加工したり、そのまま手元においておき供養する手元供養が増えてきている。
坊主を排除し、故人を身近にしのぶことができる手元供養は、直葬と共に今後の故人の供養の方法として定着していきそうである。
3.2 テレビ放送
2010年1月12日、ニュースウオッチ9「無縁社会ニッポン」などで、葬儀が変わりつつあることが放映された。従来のような費用がかる通夜、告別式などを行わない直葬(ちょくそう)でとり行う例が東京では3割を超え、更に増えつつある現実も紹介され、都会では、普通の葬式の代わりに、直葬を行うことが普通になりつつある。
景気の低迷が続き、誰もが無駄を省いてより合理的な生活をしたいとの考えから、葬儀に関しても、従来業者に言われるがままに行ってきたことを、葬儀の原点に立ち返り、葬儀会社や坊主に従い無意味なことをやってきた、世間を気にして見栄を張りすぎてきたとの観点から見直しが行われている。
葬儀を変えていかなければと誰もが考え、行動を起こし始めている。
3.3 雑誌や本
最近、葬儀に関する雑誌の記事や本の出版が増えてきた。
それだけ、葬儀に関して多くの国民が不信をいだき、疑問に思っている証拠であろう。
今週(2010年2月)発売された 週刊ダイヤモンド 安心できる葬儀には、葬儀の実体、変わりつつある葬儀、全国390社の安心度ランキングが掲載されているので、自分や実家の近くの葬儀社を選定する際の参考となると思う。今週日曜日まで本屋や駅のキヨスクに並べられているので購入しては・・・
ゼロから葬儀社を探すより、安心して探せるかも?
また、新刊本として発行されたばかりの
★島田裕巳 「葬式は、要らない」 幻灯舎 777円
も参考となるので、本の宣伝資料を添付する。
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日本人の葬儀費用は平均231万円。これはイギリスの12万円、韓国の37万円と比較して格段に高い。浪費の国アメリカでさえ44万円だ。実際、欧米の映画等で見る葬式はシンプルで、金をかけているように見えない。対して我が国といえば巨大な祭壇、生花そして高額の戒名だが、いつからかくも豪華になったのか。どんな意味があるのか。古代から現代に至る葬儀様式を鑑みて日本人の死生観の変遷をたどりつつ、いま激しく変わる最新事情から、葬式無用の効用までを考察。葬式に金をかけられない時代の画期的な1冊。
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3.4 ネット情報
1) ネットにはなぜだか葬儀会社と宗教法人の情報ばかり
葬儀に関することをまとめるに当たり、葬儀の実体についてネットで調べ始めたら、不思議なことにネット上には葬儀会社や宗教法人のホームページで満ち溢れ、葬儀を行う当事者の本音を乗せたサイトは後方へ追いやられている。
今までグーグルでいろいろな言葉や用語の検索を行ってきた経験から、通常、ネット検索ではどのようなキーワードで検索をしても容易に1~2割の悪い情報や非難するサイトが見つかるのに葬儀に関してはなかなか見つけることはできない。
想像するに葬儀業界や宗教関係者による情報管理が行われているかも?宗教関係につきまとう、うさんくささ、隠蔽体質、布施、寄進などの名目で集められる不透明な金、贅沢三昧の宗主や坊主連中、閉鎖排他的集団などよろしくない言葉に彩られている宗教法人が裏で何かをしているのではと詮索したくなる。
2) 葬儀会社のたくらみ
具体的な例として、グーグルで「葬式」を検索すると表示されるのは葬儀会社のホームページばかりである。どのホームページも内容は、平均的な葬儀費用は230万円かかることをまず記載し、高すぎるので無駄を省いて葬儀費用を安くしましょうと書いてある。結局、250万円の葬儀費用をせいぜい200万円程度でやりましょうとの魂胆である(現在急速に普及している直葬なら20~30万円で済む)。他のホームページでも9割以上が葬儀会社や宗教団体が、無駄を省いて、死者の霊をきちんと葬りましょうとか美辞零句をこれでもかというほど並べたて、とどのつまり従来どおりの葬式を多少安くするのが一番ですと導いている。やむなく今はやりの直葬を従来の葬儀と並べて載せているケースでは、直葬は安いけれどあとで後悔しますよとの脅し文句を載せているのもある。
いずれの葬儀サイトにも、亡くなった場合の葬儀会社の連絡先、見積先などがたくさん載っており、同業者が談合し業界ぐるみ、いかに葬式で儲けようかとたくらんでいるようである。
当然のことながら、葬儀会社とぐるになった宗教法人、坊主、墓石屋、仏具店なども同類である。
3) 葬儀会社に騙されないように
儲かるビジネスのためたくさんの葬儀会社がホームページに上記のような文言を掲げ口をあけて騙す顧客を待っている。
ネットを表面上検索するだけでは、このような金儲け主義のホームページしか見つけられないため、ネット検索に慣れないユーザは、葬式とはそういうものかと、つい騙されてしまう。
一般庶民は、葬儀をきっかけとして初めて接触する葬儀会社、宗教法人、坊主、墓石屋、仏具店の金儲けビジネスにより、たいせつお金を葬儀の時のみならず、それ以降も供養などの名目で何年も何十年もふんだくり取られる。
これらの葬儀ビジネス集団に資産を騙し取られないように、葬儀に関する動向、価格などの最新情報を入手し続けよう。
4) イオングループが葬儀ビジネスへ進出
最近、イオングループが葬儀の透明化を掲げてこの市場へ進出してきた。
大手企業の参入で、葬儀の内容、費用の不明朗、不透明さが改善され、悪徳業者が淘汰されることを期待したい。
★産経新聞ネット 2010年1月24日 葬儀料金、透明化の動き
イオンが手応え(てごたえ)
(発行元のサイトは削除されているが、グーグルで検索すると読むことができる)
4. 今後、葬儀をどうするか
葬儀に対する考えは、不景気の長期化、高齢化の進捗により大きく変わってきた。
変わらない拝金システムの宗教法人や坊主の意のままに、あるいは葬儀会社の「誰もがこの程度の葬式はしていますよ」「慣例です」「通常の半額です」「戒名なしでは受け入れない」「檀家から出て行け」の騙しのテクニック、脅しや捨てぜりふに根負けして、亡くなった当事者や残された遺族のためにもならない、お金のかかる葬儀を改めていきたい。
日本の葬儀にかかる費用が231万円とアメリカの5倍、イギリスの10倍以上もかかっているのは、絶対におかしい。
宗教法人や坊主との係わり合いは、習慣として長くから当たり前とされてきたが、今まで当たり前のことをやってこなかった宗教法人や坊主に葬式の時だけしゃしゃりでて、金をふんだくる行為を止めさせる良い機会である。
いつ訪れるわからない葬儀に対し、最新の葬儀に関する情報を知り、かつ事前に葬儀会社を決めておいたり、檀家をどうするかなどについても、家族で話し合い、筋道をつけておくのが良い。
何もしないでおくと、従来とおり坊主や葬儀会社にうまく丸め込まれ、必要のないお金を取られてしまう。
葬儀の方法として、身内や親しい親族だけで家族葬あるいは直葬を行い、火葬後の遺骨を散骨したり、手元供養する方法が今後急速に増えて行くのは必然である。
葬儀にかかる費用は、すべて含めて50万円以内が妥当な線であろう。
葬儀などにかけるお金の多寡により、故人への思い出や遺族の気持ちが変わるはずがない。
お金がありあまっているなら、坊主や葬儀会社へ散財するより、故人や自分が社会貢献したいところへ寄付するのが一番!
参照資料
雑情報を作成するにあたり、参考となる/参考にした新聞、雑誌などの出典元、年月日、タイトルを載せる。
2. 葬儀や坊主の実態
★日本経済新聞 2003年8月16日 せいかつミステリー 戒名の相場
3. 葬儀に関する各種情報
★朝日新聞 2008年8月29日~2009年2月18日
「備える、人生のエンディング」
前記、朝日新聞、2008年8月29日~2009年2月18日、「備える、人生のエンディング」をネットで公開したもの。一通り読むと、エンディングの内容がわかる。
サブタイトルを以下に示す。
1.40歳代から考えを 大量死時代
2. 将来の設計、死後まで
3. 遺言:上 自筆か公正証書か選択を
4. 遺言:中 遺留分の計算、忘れずに
5. 遺言:下 相続以外の希望も
6. 金融資産 執行人の権限明確に
7. 持ち物始末する努力を
8. 終末医療:1 どこでどう迎えるか
9. 終末医療:2 我が家で迎える最期
10. 終末医療:3 施設で望む形の最期
11. 終末医療:4 延命の可否、家族で
12. 孤独死 近隣の声かけで予防
13. 臨終の時 元気なうちに話し合って
14. 葬儀 上 事前の見積必須
15. 葬儀 下 段取り家族と考えて
16. お墓 上 より多彩に自分映す
17. お墓 中 場所の長短所比べて
18. お墓 下 自然葬・手元供養も
19. 死後の手続き 香典返し・相続・・・疑問はプロへ
20. 成年後見制度:上 財産・契約、親族らに委託
21. 成年後見制度:下 公的な立場で支える
22. 遺族 悲嘆の影響、長期に
23. 読者から 葬儀、広がる簡素化
★産経新聞 2009年9月22~24日直葬(ちょくそう)~消える弔い~
(上)消えてしまいたい
(中)仏教界ズレ自覚
(下)涙見えぬ別れの場
★日本経済新聞 2009年4月21日 生活Wide 「直葬」都市部で広がり
通夜、告別式せずに火葬場へ
★日本経済新聞 2005年10月8日 日時計 台頭する「ジミ葬」
★日本経済新聞 2009年9月20日 マネー生活 納得できる葬儀にするには
知っておきたい費用の目安
★朝日新聞 2008年2月2日 個人でしのぶ手元供養
遺骨など身近に置き既存宗教には頼らず
死者より残された者の悲しみ癒す
愛する人への「私だけの小さな物語」
★日本経済新聞 2008年8月9日 手元供養
大切な人のお骨いつも身近に
遺骨の保管方法様変わり
★日本経済新聞 2008年8月9日 緩話急題 変わる供養文化
家から個、自分らしさへ
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- 2013年01月25日 13:49 |
- 葬儀・相続(ビジネス 遺産)
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