- 2017年01月04日 18:07 |
- 食品(食中毒 アレルギー)
-
-
2013年8月15日
雑情報 (52)
食物アレルギーについて理解し、対応方法を知っておこう
要旨
1. 食物アレルギー事故 1) 食物アレルギー事故をきっかけに対応が進み始めた * 2012年12月、東京都府中市の富士見台小学校において小学5年生の女児が食物アレルギーにより死亡した。 * この事故をきっかけに、食物アレルギーによる事故が再発しないよう、相次いで関連の情報、対応の仕方などが新聞、ネットなどで公開、対策がなされつつある。 2) 児童の食物アレルギー対策の基本 * 児童本人が食物アレルギーを認識 * 学校関係者、友人などに児童が食物アレルギーであることを周知徹底 * 食物アレルギーの児童は「エピペン」を保有する * 緊急時、教職員は子どもの代わりに「エピペン」を打つことができる 2. 食物アレルギーの実態 * 赤ちゃんでは10人に1人と多いが、3歳までに半数、小学校へ入るまでに80~90%の子どもが自然に治ってしまう。大人は1~2%が食物アレルギーをもつ。 * 食物アレルギー物質として、子どもは鶏卵、牛乳、小麦、大人は果実・野菜、小麦、甲殻類の割合が多い。 * 食物アレルギーは鶏卵、牛乳そのものに含まれるのみならず、それらを使用した加工食品にも含まれている。 3. 食物アレルギー対策 1) 食物アレルギー物質の食材、食品を購入しない 2) 周囲に惑わされて食物アレルギー物質を食べない 3) 外食の場合、必ず食物アレルギー物質が使われていないことを確認する 4) 「エピペン」を常に持ち歩く 5) 「エピペン」の使用方法を習得する 4. 学校教育へ反映させよう * エピペン、卵子の老化、AEDなどの内容を学校教育へ反映させよう。 |
△ページトップへ戻る 1. 食物アレルギー事故
1) 食物アレルギー事故をきっかけに対応が進み始めた
2012年12月、東京都府中市の富士見台小学校において小学5年生の女児が食物アレルギーにより死亡した事故をきっかけとして、学校などにおいて食物アレルギー防止対策が取られつつある。
この事故は、本来チーズアレルギーを持つ女児が、なぜ学校給食でだされたチーズ入りのチジミを自ら食べたのかが問題視され、最近その要因がわかった。
給食当日、給食に出されたチーズ入りチジミが、子どもたちに不評でたくさんあまり、それをなんとか残さないようにと、アレルギーをもつ女児がみんなのために給食の残りを少なくしようと食べたことが、逆にこのような悲惨な事態を招いたようである。
また、女児は食物アレルギーを緩和する注射「エピペン」を持っていたにもかかわらず、注射を打つタイミングが遅れたことも死亡につながった。
この事故をきっかけに、痛ましい食物アレルギーによる事故が再発しないよう、相次いで関連の情報、対応の仕方などが新聞、ネットなどで公開され対策がなされつつある。
昨年度、NHKで報道された卵子の老化、高速道路の天井板落下事故などの情報やニュースが公開され、発生すると、関係機関などが更なる調査、原因究明を行い、間髪を置かず対応策が取られ始めたられことは大変良いことである。
最近の官庁や役所の動きが、従来のふんぞり返った親方日の丸的な対応から、次第に国民目線へと変わってきたようである。
従来、このような報道や事故があっても、省庁間において、所轄、責任の押し付け合い、担当大臣が「十分調査の上、検討します」、「適切に対処します」など、まったく口先だけで何もしない、やったふりをして実際は何も変わっていないことが多かった。
最近は、問題が発生すると、中央官庁のみならず地方自治体においても、同様な事態を放置せずに、原因究明、再発防止対策がなされつつあることは、素晴らしい。
2) 児童の食物アレルギー対策の基本
a) 児童本人が食物アレルギーを認識
食物アレルギーの事故防止対策の基本は、各種食物アレルギーを持つ子どもや大人がまず、自分でどのような食物を食べるとアレルギーを発症するかを認識し、それらを口にしないようにすることが第一となる。
b) 学校関係者、友人などに児童が食物アレルギーであることを周知徹底
学校では、児童、家族から担任の教員、保健医、給食の責任者へ児童が食物アレルギーであることを伝え、その児童用に食物アレルギーがある献立は食べさせない、代用品を食べるなどを徹底することに尽きる。
また、周囲の児童、友人などにも食物アレルギーがあることを知らしめ、関係者全員で、児童が食物アレルギーを口にしないことを徹底させる。
c) 食物アレルギーの児童は「エピペン」を保有する
万一食物アレルギーが発症した場合には、症状を緩和する「エピペン」を注射できるよう、常に児童が保有する共に学校では誰でもわかる場所に保管しておく。
d) 緊急時、教職員は「エピペン」を打つことができる
学校関係者は、万一、児童がアレルギーショックを起こした場合、本人が症状の急速な悪化などにより「エピペン」(本人が持参しているケースが多い)を打つことができない場合には、教員、保健医などの教職員がエピペンを代わりに打つ。
文科省は2009年7月、教職員が緊急時にエピペンを使用するのは「医師法違反にならない」と全国の都道府県教委などに通知している。
エピペンは自己注射のため、本人及び子どもの場合は親が打つことを認められ、また学校関係者は子どもの代わりに打つことが認められているため、児童のアレルギーショックの程度を観察し、事態が悪化しているなら、ためらわずに打とう。
くれぐれも、「エピペン」が手元にあるのに、打つのが遅れることがないようにしよう。
現在、学校では教職員に対して「エピペン」の取り扱いの講習をしており、事態発生時に即座に対応できるようになりつつある。
2. 食物アレルギーの実態
1) 食物アレルギーとは
食物アレルギーとは、身体が食物に含まれる特定のたんぱく質を異物と間違え、防御のために過剰に反応することで発症する。
食物アレルギーの原因となる食物は、子どもの場合、鶏卵、牛乳、小麦などが多いが、大人になると小麦以外は少なくなり、新たに野菜・果物、小麦、エビ、カニなどが食物アレルギー物質となる。
アレルギーの中に、アレルギーの症状が短い時間にあらわれ命を落とすこともあるアナフィラキシーも含まれる。
それらの詳細は、以下を参照。
2) 食物アレルギーを発症する割合
特定の食品を食べて食物アレルギーを発症する割合は、赤ちゃんでは10人に1人と多いが、3歳までに半数、小学校へ入るまでに80~90%の子どもが自然に治ってしまう。
大人は1~2%が食物アレルギーをもち(表1)、近年、食物アレルギー症状をもつ大人が増加している。
食物アレルギーを持っている人口を算出すると、概略
5歳以上の子ども(15歳まで)
1,000万人*1)×2.6%÷100=26万人
大人(15歳以上)
(総人口12,700万人-1,650万人)×1.5%÷100=166万人
合計:26万人+166万人=192万人
子どもは50名、大人は100名に1人の割合、国民全体では200万人弱の人が食物アレルギーをもっており、いつなんどき、これらの人たちが原因物質を食べて食物アレルギーを発症してもおかしくない状況である。
*1) 日本の子どもの数
子どもの場合、食物アレルギーの患者は免疫の不調で起きるため、同時にぜんそくかアトピー性皮膚炎にかかっている割合が多い。
表1 世代ごとの食物アレルギーの発症割合 (%)
番号 | 世代 | 食物アレルギーの発症割合 |
1 | 赤ちゃん | 10 |
2 | 小学生以上 | 2.6(2~3) |
3 | 大人 | 1~2 |
3) 食物アレルギーの原因物質
食物アレルギーを発症させる原因物質は、人により異なり、また、子どもと大人とではかなり異なっている(表2)。
表2 世代による食物アレルギーの原因物質の違い
番号 | 全年齢(成人+子ども) | 成 人 |
原因物質 | 割合 | 原因物質 | 割合 |
1 | 鶏卵 | 38.7 | 果物・野菜 | 48.4 |
2 | 牛乳 | 20.9 | 小麦 | 15.7 |
3 | 小麦 | 12.1 | 甲殻類(エビ、カニ) | 7.2 |
4 | ピーナツ | 4.8 | スパイス | 5.9 |
5 | イクラ | 4.0 | ナッツ(ピーナツ) | 5.2 |
6 | エビ | 3.0 | | |
7 | そば | 2.4 | | |
8 | 大豆 | 1.5 | | |
9 | キウイ | 1.3 | | |
10 | カニ | 0.9 | | |
11 | クルミ | 0.8 | | |
12 | バナナ | 0.7 | | |
13 | サバ | 0.6 | | |
14 | ヤマイモ | 0.6 | | |
15 | その他 | 7.7 | その他 | 17.6 |
合計 | 100.0 | | 100.0 |
注)原因物質欄は色分けにより、表示義務、推奨表示を示す。
食物アレルギーは鶏卵、牛乳そのものに含まれているのみならず、それらを使用した加工食品にも含まれているので、何に含まれているかを知らないと誤って食べてしまう事になりかねない。表3に原因物質を含む加工食品の例を示す。
表3 原因物質を含む加工食品
番号 | 原因物質 | 加工食品 |
1 | 鶏卵 | マヨネーズ、アイスクリーム、揚げ物の衣 |
2 | 牛乳 | バター、チーズ、ヨーグルト、パン、コンデンスミルク、 クリームシチュー、クラムチャウダー、ピザ |
3 | 小麦 | パン、うどん、スパゲティ、パスタ、ギョウザの皮、 てんぷらの衣、ピザ |
4 | ピーナツ | ピーナツバター、ピーナツ入りクッキー類 |
5 | エビ | エビのすり身、エビハンバーグ |
また、加工食品会社では、いろいろな加工食品を同一の設備を使用し、期間を区切って多様な製品を製造している。例として、ピーナツを使った加工食品を製造したあと、ピーナツを使わない加工食品を製造している場合、ピーナツを全く含まない加工食品であっても、前の製造工程時のピーナツの粉などが混入している場合がある。
よって、加工食品の場合には、表示をよく読み、まったく食物アレルギー物質に接触していないものを購入、食べないといけない。
4) 食物アレルギーの発症状況
食物アレルギーがひどい場合には、その食品に触っただけで湿疹がでることもある。
食物アレルギー物質を食べると発症する人であっても、その発症状況は異なる。
特に大人に多い果物によるアレルギーは、生の果物ではアレルギーを発症しても缶詰の果物では発症しない、生のエビ、カニでは発症しても、熱をかけたものでは発症しないなど微妙に発症の程度は異なる場合もある。
5) 食物アレルギーの症状
食物アレルギーの症状には、軽いものから、命に係わる症状が重いものまでいろいろである。
a) 軽度のアレルギー症状
目 :充血、かゆみ、
口、のど :唇や舌がはれる、のどのかゆみ
皮膚 :かゆみ、じんましん、赤くなる、湿疹
鼻・肺 :くしゃみ、鼻水、せき、呼吸困難
全体症状 :気持ちが悪くなる、吐く、ぐったりする
b) 重度のアレルギー症状
皮膚 :全身が真っ赤、湿疹がたくさんできる
全体症状 :顔色が相当悪い、何度も吐く
c) 命を脅かす状態
全体症状 :意識を失う、倒れる、脈拍が弱い、脈拍がかすか
3. 食物アレルギー対策
1) 食物アレルギー物質の食材、食品を購入しない
特定の食物アレルギーをもつ人は、それぞれ対策を行っている。
第一に食物アレルギー物質を食べないことである。
自宅では、食物アレルギーが含まれた食材、加工食品は外見、食品表示により口に入ることはほとんどない。
2) 周囲に惑わされて食物アレルギー物質を食べない
大人になり社会に出ると、友人、会社での付き合いなどから、“ひょっとしたら食べても大丈夫かも”、“前回少し食べた際にはアレルギーは起こらなかった”、“周囲のみんな食べているので食べなければ”など、安易に自らあるいは周囲の状況にのまれて食べると大変なことになる可能性がある。
絶対に周囲の雰囲気に惑わされて、食物アレルギーが含まれた料理を食べないようにしよう。
3) 外食の場合、必ず食物アレルギー物質が使われていないことを確認する
外食した場合、レストランなどでメニューを頼むときに、当然、食物アレルギー物質を含まないものを選定するが、更に、ウエイター/ウエイトレスに「小麦(アレルギー物質)は使っていないですね」「そばアレルギーの場合には、うどんを頼む際、メニューにうどんとそばの両方がメニューに載っていれば、ゆでるお湯はうどん、そばを共用している場合がほとんどなので、別々にゆでていますか?」と食物アレルギー物質を使っていないことを確認することが自らの安全を守るうえで重要となる。
子どもの場合は、ウエイターなどへ親が代わりに聞いて確認することが重要である。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK1903Z_Z10C13A3000000/
4) 「エピペン」を常に持ち歩く 「エピペン」とは食物アレルギー症状を緩和し、血圧を上げ、心停止を防ぐ効果があるアドレナリン自己注射薬である。
自分で食物アレルギーが発症したと判断したら、自分で太ももの外側から打つ注射薬である。
そのため、児童はランドセルや手持ちのバッグに入れているか、学校では、食物アレルギーのいる学級の特定の場所、保健室などへ保管してあり、万一の場合、児童に代わり教職員は法律上も打てるようになっている。
エピペンは、2011年9月から健康保険の対象となり、1本10,000~15,000円(自己負担は3割)でエピペン処方医師として登録された医者から処方箋を受けて購入することができる。
ただし、「エピペン」の有効期間が1年と短く、使わなかった「エピペン」と交換でエピペン処方医師から新規に購入する仕組みである。
5) 「エピペン」の使用方法を習得する
全身に湿疹ができる、全身に湿疹ができる、何度も吐く、意識を失うようなら重度あるいは命を脅かす食物アレルギー症状と判断し、すぐに「エピペン」を太ももの外側から注射しないと危ない。
エピペンを本人、家族以外が使う場合には、万一、エピペンを打ったことによりトラブルが起きたり、法的に違反したりしないかが懸念されるため、打つことを躊躇する場合が相当ありそうである。(現在は、一般人がエピペンを打つことは認められていない)
そのため、「エピペン」を打つ場合の指針を日本小児アレルギー学会が示したので、それに従い打てば良い。
要旨は
a)「エピペン」は保護者のほか、学校や保育所では教諭や保育士が本人に代わって「エピペン」を使用することもできる。
b)消化器、呼吸器、全身の症状の三つに分類。これら十三の症状のうち、一つでも当てはまれば、「処方されているエピペンをすぐに使用するべきだ」としている。
c)アナフィラキシーショックの場合、タイミングを逃すと重症化する恐れがあり、できるだけ早くエピペンを打つことが重要。
3. アメリカでの食物アレルギーの取組
参考としてNHKで放送されたアメリカでの食物アレルギー対策を紹介する。
4. 学校教育へ反映させよう
いままで、情報マガジンに紹介したトピックに、誰もが常識、社会的マナーとして知っておくと役立つ、卵子の老化の情報、AEDの紹介、英語の習得、ITの重要性などを載せてきた。
これらは、実際の学校教育において、体育などの授業の必須授業として盛り込まれると自分、家族、社会のために役立つと考える。
現在、教育の場においては、日本の若者の学力低下、道徳、倫理の欠如などの要因となったゆとり教育の大失敗を経験し、その反省から現在、やっと子どもが当たり前の教育を受けられる体制となりつつある。
学校教育へ反映すると良いコンテンツを表4に示す。
その中のダンス、英語、IT教育、柔道は学校教育へ取り入れら始めた。
表4 学校教育への反映
番号 | 項目 | 概要 | 対象者 | 教える体制 |
1 | 卵子の老化 | 女性の卵子は年ごとに老化し、35歳を過ぎると卵子が老化して子供を産めなくなる。 | 中学生 一般人 | 中学校の体育及び生物の授業 自治体の広報 公共放送 |
2 | AED、 心臓マッサージ | 心停止となった患者は、まず、心臓マッサージを施し同時に救急車を呼び、近くにAEDがあれば持ってきて使用し心停止の患者に応急処置をする。 | 中学生 一般人 | 中学校の体育 自治体の広報 実地講習 |
3 | エピペン | 食物アレルギーの実態。食物アレルギー症状を緩和し、血圧を上げ、心停止を防ぐエピペンの使い方。 早急に、AEDと同様、緊急時には一般人もエピペンを打てるように法律を整備すべきであろう。少なくとも講習を受けた一般人は使えるようにしたい。 | 教職員 | 実地講習 |
4 | ダンス | 中学の体育の必須科目としてダンスが取り入れられたことは素晴らしい。 国際人となるためには、ダンスは気軽におどれるようになりたい。 | 中学生 | 体育 |
5 | 英語 | 小学校高学年から英語の授業がとりいれられ、だれもが国際化に対応できる体制に変わってきた。 英語は国際化のための必須のツール。 | 小学生 | 高学年 |
6 | IT教育 | IT機器を理解し使いこなせるよう小学校の授業にITの科目が組み込まれた。 電子黒板、タブレット教科書、タブレットを使った授業などが取り入れられつつある。 | 小学生 | 高学年 |
7 | 柔道 | 中学校の体育に柔道が必須科目となった。日本の伝統武道である柔道のさわりを知ることができる。 中学、高校時代に柔道、剣道を体験することは必要である。 | 中学生 | 中学校 |
5. 参照資料
雑情報を作成するにあたり、参考となる/参考にした新聞、雑誌などの出典元、年月日、タイトルを載せる。
★朝日新聞 2013年2月2日 ニュースおさらい 食物アレルギーって何?
小麦や卵食べると体に異変
給食にも注意が必要
★朝日新聞 2013年2月16日 食物アレルギー 学校と連携を
先生・友だちに説明
エピペン備えが肝心
★日本経済新聞 2013年5月15日 らいふプラス 子どもの食物アレルギー
給食の安全 親と学校連携
入念に材料確認/自衛意識も必要
★読売新聞 2013年6月3日 食物アレルギー 各学校で手引き
献立の確認 注射手順
指針の浸透 地域で差
★読売新聞 2013年7月30日 論点 調布のアレルギー事故
給食対策 全自治体で
△ページトップへ戻る
- 2013年08月15日 23:46 |
- 食品(食中毒 アレルギー)
-
-
2012年6月19日
雑情報 (44)
おいしさそのまま! 画期的な冷凍食品の解凍方法
要旨
1. 冷凍食品の消費量 * 冷凍食品の消費量はひとり1日に卵1個分。 * 冷凍食品の種類はコロッケ、ハンバーグなどの弁当のおかずや料理の一品となるも の及びうどん、ピラフ類など昼飯、軽食用が多い。 * アメリカ人の冷凍食品の消費量はひとり当たり年間70kg/年と日本人の3.5倍。 * アメリカではジャンクフードを良く食べることに起因する肥満者がいる一方、大多数のアメリカ人は身体に配慮した食生活を続け中高年になってもスリム/中肉的。 肥満あるいはスリムな体型、いずれを選ぶかは自分自身、自己責任。 2. 冷凍食品の使われ方 * 冷凍食品の特徴は ① 冷凍保存できる:鮮度が保たれている、栄養価が低下しない、衛生的である、まとめ買いができ、いつでも必要分だけ使える。 ② 料理に当たり:下地処理(ブランチング)済み、生ごみがでない ③ 旬の時期に生産、加工:価格が安く、安定している ④ 食生活を豊か:世界各国の食材を入手できる * 冷凍食品が家庭において昼、夜のおかずとしても使われ始めた。 3. 冷凍のこつ * 食材を冷凍するコツはすばやく冷凍させること! * 冷凍室内は氷点下のため、空気中の水分が凍結しいつも乾燥状態。このため、密封が不十分な食材は、保存している間に食材中の脂質が空気中の酸素と反応、酸化して臭い、変色、固くなった状態、いわゆる「冷凍やけ」が発生。 * 冷凍保存中の乾燥対策は食材を極力空気に触れさせないため、事前に空気を残さないようにラップでくるむ。 * 袋入り冷凍食品は霜がついてないものを購入。 4. 解凍方法 * 解凍方法は冷凍食品により異なる。 * 解凍の原則 ① 袋入り冷凍食品:袋の裏に書いてある解凍方法、特に解凍や料理時間に注意 ② 生や冷凍の海産物、畜産物、ホームフリージングした食品:氷水につけて解凍 * 袋入り冷凍食品は下地処理により8割加熱済みなので、調理時の煮すぎに注意。 * 生や冷凍の海産物、畜産物、ホームフリージングした食品の解凍は、いつも失敗ばかり。既存の解凍方法ではおいしく食べられなかった。 * 画期的な解凍方法がみつかった。単に氷水を入れた容器内に冷凍された生の海産物などを1時間程度つけておくだけの氷水解凍である。 * 家庭で行う最良の氷水解凍、だれでも手軽にできることまちがいなし! |
△ページトップへ戻る 1. 冷凍食品の消費量
1) 冷凍食品の消費量は1日に卵1個分
日本人ひとり当たりの1年間の冷凍食品の消費量は20kg/年となっている。
1日当たり冷凍食品を食べる量は、55g/日となり、
20kg/年×1000g/kg÷365日/年=55g/日
毎日Mサイズの卵1個分の重さ(60g/個)に相当する冷凍食品を食べていることとなる。
冷凍食品の国内生産量は55%、輸入品は45%(このうち冷凍野菜が7割)となっており、この10年間ほとんど変わっていない。図1を参照。
2) 冷凍食品の消費量はまだわずか
日本人ひとり1日当たりの食事の量は1.6kg/日、年間では584kg/年
1.6kg/日×365日/年=584kg/年
カロリーベースでは1,600Kcal/日となっている。
これらのデータから、献立中の冷凍食品の割合を算出すると3.4%
20kg/年÷584kg/年×100=3.4%
となり、まだ冷凍食品はメインの献立にはなっていない。
3) 冷凍食品の消費量ベスト20
どのような冷凍食品が好んで食べられているかを知ると、冷凍食品の位置づけがわかる。
表1から、良く使われている冷凍食品はコロッケ、ハンバーグ、カツ、ミートボールなどの弁当のおかずや料理の追加の一品となるもの及びうどん、ピラフ類、炒飯、スパゲッティなど昼飯、軽食として手軽に食べられるものと2つの用途に分けられる。
この結果から、冷凍食品はあくまでも、手軽に調理できることが重宝されているだけのようである。

4) 冷凍食品の消費量をアメリカと比較
ハンバーガーなどのジャンクフードの消費大国アメリカは、冷凍食品の消費量はひとり当たり年間70kg/年と日本人の20kg/年の3.5倍
70kg/年(アメリカ人)÷20kg/年(日本人)=3.5
となっている。
アメリカ人と日本人とは体格差があるので、図2の日本人とアメリカ人の体の違いを考慮して比較してみる。
アメリカ人と日本人との体重比較
男性:87kg(アメリカ人)÷64kg(日本人)=1.36
女性:74kg(アメリカ人)÷53kg(日本人)=1.40
アメリカ人は日本人より男女平均すると1.38倍、体重が重い。
これらから、アメリカ人は日本人より2.5倍の冷凍食品を消費していることとなる。
3.5÷1.38=2.5

5) アメリカは食事選択の自由度が大きい
アメリカへ旅行や滞在した経験があれば、アメリカ人の体格が日本人より一回り大きいこと、レストランで出される食事の量は日本の3割増しなのに、値段は日本と同じか少し安いことがわかる。また、家庭料理は、冷凍食品や缶詰の中身を電子レンジ、オーブン、電気ヒータで温めただけの献立がかなり多いようである。
しかし、アメリカでは自分の好みにあったことを自分で選択して決める自由があるため、各家庭、レストランなどにおいて各自いろいろな食事のとり方をしている。
レストランの場合、飲み物、サラダ、スープ、メインディッシュ、肉の焼き方、デザートまで客の好みに合わせて食事が作られ、かつそれぞれの料理が飲み物、前菜、メインディッシュ、デザートと料理ごとに、同じテーブルの全員に一度に出されるサービスにはいつも感心する。サービスが直接ウエイター/ウエイトレスのチップに響くためであろうが、気持ちの良いものである。
アメリカでは油脂分が多く、カロリーが高いジャンクフードを良く食べることに起因する肥満者がいる一方、大多数のアメリカ人は身体に配慮した食生活を続け中高年になってもスリム/中肉的な体型を維持している。
何事も、自分で物事を決めることができ、自己責任が当たりまえなのがアメリカの素晴らしいところであろう。その反面、トラブルがあってもなくても、自分にとって不都合なことは何でも他人のせいにする訴訟社会の顔も持っている。
肥満あるいはスリムな体型、いずれを選ぶかは自分自身、自己責任。
2. 冷凍食品の使われ方
1) 冷凍食品の特徴
冷凍食品は生の食材や料理と異なった特徴を持っており、表2に示す。
表2 冷凍食品の特徴
番号 | 項 目 | 内 容 |
1 | 冷凍保存*1) | 鮮度が保たれている | 冷凍食品は製造時、取れたての食材をマイナス30℃以下の低温で急速冷凍し、冷凍後もマイナス18℃以下で保存しているため、風味、香り、おいしさが保たれている。 |
2 | 栄養価が低下しない | 生鮮食品は常温や冷蔵庫内の保存では、しだいに熟成、腐敗などにより栄養価が低下するが、冷凍するとほとんど変わらない。 |
3 | 衛生的である | 冷凍食品はマイナス18℃以下で保存されるため、微生物が活動できず、腐敗が進行しない。 冷凍食品は工場などで衛生的な状況で加工生産される。また、生産された冷凍食品は包装された状態で保管、運搬、流通、店頭に並べられるので衛生的である。 |
4 | まとめ買いができる | 冷凍食品は長期保存ができるため、スーパーで休日や特売日にまとめ買いができる。 |
5 | 必要分だけ使える | 料理の必要な分量だけ解凍して使うことができ、残りはそのまま冷凍保存できる。 |
6 | いつでも食べることができる | 旬の時期に収穫、加工した食材を冷凍しているため、季節外れの時期にも食べることができる。 |
7 | 加工済み | 下地処理(ブランチング)済み | 冷凍食品はゆでる、加熱処理などの加熱下地処理をしたあとに冷凍されているため調理時間が短くてすむ。 |
8 | 生ごみがでない | 食材は収穫場所や加工工場で下地処理(野菜などは芯、根、皮剥き、魚類は頭、内臓、骨を取る)をしているため、家庭において生ごみがでない。 |
9 | いろいろな食材や料理 | 価格が安く、安定している | 冷凍食品は旬の時期に大量に生産、採取したものを加工しているため、価格が安いのみならず品質、価格が安定している。 |
10 | 食生活を豊かにする | 冷凍食品の種類は食材、半製品からそのまま解凍すると食べられる製品までバラエティに富んでいる。自宅にいながら、いつでも手軽に世界各地の食材、料理を食べることができるのは冷凍食品の強み。 |
表1を作成するにあたり参考としたサイト
*1)冷凍保存
食材の冷凍保存に関し、鮮度に関する基礎データを紹介する。
冷蔵庫の冷凍室内の最適温度はマイナス18~マイナス22℃、冷蔵庫内は1~5℃、野菜室は5~7℃。
日本を含む世界各国において冷凍食品の保存温度がマイナス18℃以下とされている理由として、図3の水産物の貯蔵温度と品質保持時間、図4の貯蔵日数とグリーンピースのビタミンC保持率がある。
2) 冷凍食品の魅力
家庭の主婦は冷凍食品のどのようなところに魅力を感じているのであろうか?
(社)日本冷凍食品協会が平成22年5月に行ったアンケート調査「冷凍食品の利用状況」の抜粋を図5に示す。
魅力を感じている上位3つは、前記の冷凍食品の特徴に示した
① 買い置きができる =4. まとめ買いができる
② 調理の手間が省ける =7. 下地処理ずみ
③ 必要な分だけ調理できる =5. 必要な分だけ使える
に当てはまる。
3) 冷凍食品の購入目的
同じアンケート調査による冷凍食品の購入目的を、時系列にまとめたものを図6に示す。
この結果から、今までの冷凍食品の主な購入目的であった、弁当のおかずは減少気味であるが、昼ごはん(おかず)、自宅で食べる夕飯(おかず)、料理に使う素材として購入は急激に増えており、冷凍食品が家庭において昼、夜のおかずとしても使われ始めたようである。
高齢化、核家族化による一世帯当たりの家族数の減少、共稼ぎ世帯が増え料理にかける時間が確保できない、景気が低迷し食費を削りたいなどの理由から、手間をかけないで料理を作りたい、簡単に食事をしたい、食費を安くしたい傾向は今後も続くことから、冷凍食品が献立のおかずとして重要な位置を占めそうである。
3.冷凍のこつ
ホームフリージングによりうまく食材を冷凍できると、その後解凍しても生の食感や風味を落とさずに食べることができる。
食材冷凍時の秘訣は・・・
3.1 食材を冷凍するコツはすばやく冷凍させること!
1)失敗続きの生の食材の冷凍
まとめ買いをした食材、贈り物としていただいた生の高級食材のカニ、鮮魚、牛肉は、食べきれなかった分を冷凍室へ入れ冷凍保存することがある。しかし、生の食材は凍結するまでに時間がかかるため、凍結中に食材の組織内に大きな氷の粒子ができ組織を破壊してしまう。その結果、解凍時にドリップ(食材を解凍する時にでてくるうまみが含まれている水分)が発生し風味も栄養分も損なわれ、パサつき、おいしくない。
冷凍食品メーカの冷凍工場では、一般家庭での冷凍と違い極力凍結時間を短くし、食品の組織内に発生する氷の結晶を小さくしているため、解凍してもドリップの発生は少なく、生と変わらない味と風味を味わうことができる。
2)うまく冷凍させるコツ
基本中の基本として、冷凍させたい食材は、温かい間は室温に下がるまで待ち、その後、冷凍室へ入れること。
冷凍室において、できるだけ速く凍らせるため、冷凍させたい食材を熱伝導率が高いアルミのトレイの上におき、かつ冷気が噴出してくる場所へ置くと良い。
数年前から販売されている新型の冷蔵庫には、マイナス18度の冷凍室の他に、ホームフリージング用のスペースが別途設けられ、食材を急速冷凍できるよう機能向上がはかられている。
仕組みは食材を置く場所に熱を奪う速度が速い(熱伝導率が高い)アルミのプレートと、その部分へマイナス40℃の冷気を吹きつけることにより、通常の5倍ほどの速度で急速冷凍することができる。
3.2 冷凍中の乾燥を防ぐ
1)冷凍室の中の食材はいつのまにか「冷凍やけ」
冷凍室内は氷点下の温度のため、周囲の空気中に含まれている水分が凍結しいつも乾燥状態となっている。このため、気密性が十分でない袋入りの冷凍食品あるいはホームフリージングで密封が不十分な食材は、保存している間に食材中の脂質が空気中の酸素と反応、酸化して臭い、変色、固くなった状態、いわゆる「冷凍やけ」が発生する。
2)冷凍中に食材を乾燥させないコツは凍結前の前準備
乾燥対策は冷凍食品あるいは冷凍をする食材を極力空気に触れさせないことに尽きる。
そのため、新規に冷凍する食材は空気を残さないようにラップで密にくるむことが肝要である。これさえ、しっかりしておけば、冷凍保存中に乾燥して風味が変わったり、パサつくことを防ぐことができる。
ホームフリージングをする際、スーパーで購入した食材が入っているトレイのまま冷凍するのではなく、必ず食材が空気に触れる部分を極力少なくなるようにラップでくるみなおしてから冷凍すること。
一度試してみると、「冷凍やけ」防止の効果が抜群なのを認識できる。
冷凍前に、食材を空気に触れさせないようにラップでくるみなおすだけなので、まだ、やっていない主婦はぜひ実行してみよう!
なお、冷蔵庫に食品を5℃程度で冷蔵保存する場合でも、食材を極力空気が残らないようにラップでくるみなおすと、おいしさや色を長くたもつことができるので、これも実行してみよう!
3)袋入り冷凍食品は霜がついてないものを購入
スーパーで袋入りの冷凍食品を購入する際、消費期限を確認するのみならず、冷凍食品の袋の内側に霜がついていないものを選択すること。
炒飯、コロッケ、ハンバーグなどの冷凍食品は銀色の包装袋に入り内部の食材の状況はわからないが、冷凍エビ、カニの海産物はトレイにラップをかけただけなのでラップをとおし食材や霜の付き具合がわかるので、内容物を見て買うことができる。
常日頃、食品を購入する時に行っていることを冷凍食品でも実行しよう。
冷凍食品ボックスケースの一番上に置かれた冷凍食品は、店内の室温の影響を受け表面温度が上がり品質が低下しているおそれがあるため、下の方に置いてある冷凍食品を選定するのがよい。
4.解凍方法
1)解凍方法は冷凍食品により異なる
冷凍食品を解凍する場合
①袋入り冷凍食品
②生や冷凍の海産物、畜産物、ホームフリージングした食品
とでは、おいしく食べるための解凍方法が異なる。
2)解凍方法の原則
解凍の原則は
①袋入り冷凍食品:袋の裏に書いてある解凍方法、特に解凍や料理時間に注意
②生や冷凍の海産物、畜産物、ホームフリージングした食品:氷水につけて解凍
とするのが良い。
4.1 袋入り冷凍食品の解凍
1)冷凍野菜は煮すぎに注意
袋入りの野菜は食品工場において冷凍する前に下地処理としてブランチング(Blanching)を行い、100℃の熱湯につけ、野菜が食べ頃となる加熱に必要な分の80%の加熱処理を済ませている。
ブランチングを行うことにより、野菜に含まれる酵素や微生物の活動を止め、冷凍保存中の酸化や変色及び加工時の変化を防いでいる。
この結果、冷凍野菜は下ゆで、熱加工が8割ほど終わっているため、解凍後の料理には調理時に残り2割の熱を加えるだけで、おいしく食べることができる。
くれぐれも、冷凍食材を調理する際には熱を加えすぎ、煮すぎ過ぎないように注意!
2)袋入り冷凍食品の解凍
冷凍食品メーカが販売している袋入り冷凍食品は、袋に記載に解凍方法に従うとおいしく食べることができる。
袋入り冷凍食品のほとんどは電子レンジによる解凍を推奨している。
現在はこれに加えて、手間がかからない自然解凍の袋入り冷凍食品も増え、冷凍食品メーカでは、電子レンジによる加熱が不要な「エコ冷食」として販売している。
しかし、原発事故に起因した電力不足を解消するためとの後付けの理由による「エコ冷食」はいかがなものであろうか?
様々ある加熱処理の方法のうち、もっとも効率的なものは、水分を含んだ食材を内部から自己加熱する電子レンジ、クッキングヒータ(誘導加熱)である。ガスコンロによる食材の加熱は、加えたエネルギーの半分以上が空気を暖めたりすることに使われ、熱効率が悪い。たかだか数分しか使わない電子レンジの電気使用量を節約して何の意味があるのだろうか?そもそも、夏場の午後の1~4時のピーク電力時に、家庭が電子レンジを使うはずがない。それより、トータルとしてエネルギー消費量を減らせることができる電子レンジは、効率が良い家電製品として大いに推奨すべきものである。
4.2 生や冷凍の海産物、畜産物、ホームフリージングした食品の解凍
1)解凍した高級食材の評価は最低
冷凍食品の種類もバラエティとなり、高級食材のカニや魚介類、和牛ステーキなどをいただいた、地方の海産、畜産物の特産品を自ら取り寄せしたものの、解凍がうまくいかずに、カニや高級魚は食感がパサパサ、牛肉はドリップが多量に出て風味がいまいちと、解凍にはいつも失敗ばかりした家庭がほとんどであろう。
主婦が子供たちに夕食に高級食材を使った献立を出すと言うと「久しぶりにおいしい物を食べられる」と期待するが、「食材は冷凍品」と聞くと、「おいしくないから、食べたくない」と高級食材の冷凍品にはさんざんな評価が定着していた。
2)従来の解凍方法はいずれも不満足
つい最近まで、生の食材の最適な解凍方法がわからなかったため、家庭では止む無く、室温解凍、冷蔵庫解凍、電子レンジ解凍、流水解凍などをいろいろ試してみたが、どの方法もいまいちいでこれぞと言う、良い方法を見つけることができなかった。
表3に冷凍食品の解凍方法の内容、解凍に要する時間、評価をまとめた。
解凍の良し悪しは、解凍品が生とそん色がなく、食感やおいしさがそのまま維持できているかどうかが最も重要である。いくら速く解凍でき、手間がかからなくとも、食感やおいしさが失われていればうまく解凍できたことにはならない。
だからといって、手間が大変な解凍方法は二度とやりたくないし、時間がかかったり、お金がかかる方法も使えない。
表3 冷凍食品の解凍方法
番号 | 方 法 | 内 容 | 所要時間 | 評 価 | 総合評価 |
1 | 緩慢解凍 | 自然解凍 | 冷凍食品を室内にそのままの状態で放置する。 | 1時間 | 一番簡単な解凍方法であるが、ドリップがかなり発生し、風味、味ともに低下する。 夏場は室温が高いため、解凍しすぎになる。解凍後、食材は早めに処理をしないと細菌の発生、腐敗が起こる。 | △ |
2 | 冷蔵庫解凍 | 冷凍室から冷蔵室へ移して解凍する。 | 9時間 | 半日もの時間がかかるわりに、あまりうまく解凍できない。 5℃で解凍するため、解凍しすぎを防ぐことができる。解凍後も低温で保存できるため細菌の発生や腐敗を抑えることができる。 | ○ |
3 | 氷水解凍 | 氷水をいれた容器につけて解凍する。 冷凍食品はポリ袋などで密封し、直接氷水へ触れさせないこと。 | 1時間 | 生の食材の冷凍食品に使える万能の解凍方法。 ドリップの発生量は他の方法と比較すると一番少ない。 手間と時間があまりかからず最も上手に解凍できる優れた方法。 | ◎◎ |
4 | 水中解凍、流水解凍 | 水をはった容器に冷凍食品を入れて解凍、あるいは、同時に容器内へ水道水をたれ流す。 冷凍食品はポリ袋などで密封し、直接水へ触れさせないこと。 | 20~30分 | 流水解凍は時間がかからないが、水道代がもったいない。 ドリップの発生量は氷水解凍より多い。 | ◎ |
5 | 解凍 プレート | 熱伝導率が高いアルミプレートの上で解凍する。 解凍速度は自然解凍の5倍。 | 10~20分 | 単なる厚み3~10mm、縦25cm×横30cmのアルミプレート(バカ高い価格1,500~4,000円)なので、もし使いたいのなら、代用品としてアルミ製のフライパンを使えば十分。 | △ |
6 | 急速解凍 | 加熱解凍 | 凍ったままの冷凍食品を煮る、加熱するなどの方法により直接料理する。 | 1~2分 | 冷凍食材の種類によっては、加熱処理を行うと逆においしく食べることができるものもある。 | ◎ |
7 | 電子レンジ解凍 | 電子レンジの加熱処理により急速解凍する。 電子レンジの機種によっては、解凍モードがある。 | 3~4分 | 短時間に解凍できるが、加熱むらができ、内部は加熱しすぎ、表面は凍結などの状態となる。 ドリップの発生量が一番多く、風味も味も失われてしまう。 止むを得ない場合以外は使わない。 | × |
表3を作成するにあたり参考としたサイト
a)ウイキペディア 解凍(食品)、2012年6月12日現在、氷水解凍の記載はない
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A7%A3%E5%87%8D_(%E9%A3%9F%E5%93%81)
b)冷凍食品の比較・選び方→生ものの解凍方法
http://www3.gctcn.com/post_8.html
3)画期的な解凍方法がみつかった
今年(2012年)3月14日放送のNHKの「ためしてガッテン」において、画期的な、どの家庭でも手軽に手間と時間をあまりかけずに上手に解凍できる方法を紹介。
いままでの料理の本、雑誌、ネットなどではまったくと言っていいほど紹介されてなく、びっくり仰天の方法である。
その方法は、単に氷水を入れた容器内に冷凍された生の海産物などを1時間程度つけておくだけである。
目からうろこの方法、これなら、だれでも手軽にできることまちがいなし!
4.3 氷水(こおりみず)解凍の方法
1)事前準備
a)凍結した冷凍食品を十分に入れることができる容器(ボウル)に氷水をつくる。
氷はもちろん、冷蔵庫の製氷室でつくったものを使う。
b)生の状態で凍結しカニ、鮮魚などのポリ袋に入っていない冷凍食品の場合、それらをポリ袋へ入れて密封し、冷凍食品と氷水が直接触れないようにする。
この時、冷凍食品がラップなどでくるまれていれば、事前に取り除いておく。
c)ポリ袋の中の空気が極力少なくなるように冷凍食品とポリ袋を密着させる。
氷水と冷凍食品との間に空気がはいっていると、熱伝導率*2)が低くなるため解凍に時間がかかり解凍後の品質が悪くなる(できるだけ早く解凍させた方が良い品質を保てる)。
このちょっとした事前の対応が、解凍後の口当たりや味の良し悪しを左右する。
ためしてガッテン→冷凍解凍に新ワザ誕生 速い! プリプリ!美味から引用 |
2)氷水解凍
この時、冷凍食品が浮かび上がらないように、重しとして平たい皿を冷凍品の上に載せておくと良い。
b)冷凍食品が浮かび上がり表面が氷水の上に出ている状況になると、空気と接触している上側の冷凍食材の解凍が遅くなり、その部分の品質が低下する。 c)速く解凍させるためには、冷凍食材と氷水との密着度が高いほどよいので、薄手のポリ袋の方が厚みのあるポリ袋より望ましいが、薄すぎるとポリ袋が破れて氷水が冷凍食材に混じるおそれがあるので、そのような危険を冒さないこと。
d)もちろん、冷凍食材と氷水との熱伝達を大きくするために氷水をかき混ぜるなどを行うとより速く解凍できる。この方法は食品工場など工業的にできるだけ速く熱を奪う場合には採用されているが、家庭において冷凍食材を解凍する場合には、神経質になる(手間をかけてやる)必要はない。
*2) 熱伝導率
熱の伝わりやすさが速い、遅いを示す値。熱伝導率の数値が大きいほど熱の伝わり方が速い。冷凍食品の解凍時には、冷凍食品が置かれている/触れている箇所の熱伝導率の数値が大きいほど解凍の速度が速くなる。
氷水(水)は空気の25倍(0.6÷0.024=25)も熱伝導率が高く、熱が伝わりやすい。
このことから、冷凍食品を氷水へ入れる際、熱伝導率が低い空気がポリ袋内に残らないようにする、サランラップを除去するなどにより、できるだけ氷水と冷凍食品とを接触しやすい状況を作ることが重要である。
更に、アルミは空気の9,800倍(236÷0.024=9,830)も熱が伝わりやすいため急速解凍としてアルミプレートを使うと効果がある。ただし、アルミプレートの代わりに同じアルミを使用したアルミのフライパンでもまったく同様の効果がある。
表4 解凍に関係がある物品の熱伝導率
品 目 | 熱伝導率(W/mK) |
空気 | 0.024 |
水 | 0.6 |
サランラップ(ポリ塩化ビニリデン) | 3.0 |
ポリ袋(ポリエチレン) | 0.42 |
鉄 | 84 |
アルミ | 236 |
★NKK「ためしてガッテン」2012年3月14日放送
冷凍解凍に新ワザ誕生 速い!プリプリ!美味
4)解凍の要点
おいしく解凍する要点は、マイナス18℃に凍った冷凍食品をなるべく速く均一に解凍させ、解凍後にマイナス3℃から零度の温度に保つことの2つを満たすことである。
これらの条件を家庭で行う最良の方法は、氷水解凍!
参照資料
雑情報を作成するにあたり、参考となる/参考にした新聞、雑誌などの出典元、年月日、タイトルを載せる。
4.解凍方法
★日本経済新聞 2012年6月6日 自然解凍「エコ冷食」増産
味の素・日水 節電の夏にらむ
★日本経済新聞 2012年5月19日 とことん試します
魚・肉、手早くウマく解凍したい
氷水、少し急いで味保つ
★朝日新聞 2011年2月19~23日 あなたの安心 冷凍のレッスン
1. 冷凍野菜は下ゆで済み 「ブランチング」って?
2. 電子レンジ 手動で設定 レンジで失敗、の例は?
3. 庫内で乾くと風味落ちる 上手なフリージングは?
4. 解凍は5度以下か加熱で 食材の解凍どうする?
5. 下味つけて小分けで保存 冷凍でラクラク調理とは?
{参考資料}
冷凍保存に関する科学的な基礎データをわかりやすくまとめたものを紹介する。
3.冷凍のこつ
ホームフリージングによりうまく食材を冷凍できると、その後解凍しても生の食感や風味を落とさずに食べることができる。
食材冷凍時の秘訣は・・・
3.1 食材を冷凍するコツはすばやく冷凍させること!
1)失敗続きの生の食材の冷凍
まとめ買いをした食材、贈り物としていただいた生の高級食材のカニ、鮮魚、牛肉は、食べきれなかった分を冷凍室へ入れ冷凍保存することがある。しかし、生の食材は凍結するまでに時間がかかるため、凍結中に食材の組織内に大きな氷の粒子ができ組織を破壊してしまう。その結果、解凍時にドリップ(食材を解凍する時にでてくるうまみが含まれている水分)が発生し風味も栄養分も損なわれ、パサつき、おいしくない。
冷凍食品メーカの冷凍工場では、一般家庭での冷凍と違い極力凍結時間を短くし、食品の組織内に発生する氷の結晶を小さくしているため、解凍してもドリップの発生は少なく、生と変わらない味と風味を味わうことができる。
2)うまく冷凍させるコツ
基本中の基本として、冷凍させたい食材は、温かい間は室温に下がるまで待ち、その後、冷凍室へ入れること。
冷凍室において、できるだけ速く凍らせるため、冷凍させたい食材を熱伝導率が高いアルミのトレイの上におき、かつ冷気が噴出してくる場所へ置くと良い。
数年前から販売されている新型の冷蔵庫には、マイナス18度の冷凍室の他に、ホームフリージング用のスペースが別途設けられ、食材を急速冷凍できるよう機能向上がはかられている。
仕組みは食材を置く場所に熱を奪う速度が速い(熱伝導率が高い)アルミのプレートと、その部分へマイナス40℃の冷気を吹きつけることにより、通常の5倍ほどの速度で急速冷凍することができる。
3.2 冷凍中の乾燥を防ぐ
1)冷凍室の中の食材はいつのまにか「冷凍やけ」
冷凍室内は氷点下の温度のため、周囲の空気中に含まれている水分が凍結しいつも乾燥状態となっている。このため、気密性が十分でない袋入りの冷凍食品あるいはホームフリージングで密封が不十分な食材は、保存している間に食材中の脂質が空気中の酸素と反応、酸化して臭い、変色、固くなった状態、いわゆる「冷凍やけ」が発生する。
2)冷凍中に食材を乾燥させないコツは凍結前の前準備
乾燥対策は冷凍食品あるいは冷凍をする食材を極力空気に触れさせないことに尽きる。
そのため、新規に冷凍する食材は空気を残さないようにラップで密にくるむことが肝要である。これさえ、しっかりしておけば、冷凍保存中に乾燥して風味が変わったり、パサつくことを防ぐことができる。
ホームフリージングをする際、スーパーで購入した食材が入っているトレイのまま冷凍するのではなく、必ず食材が空気に触れる部分を極力少なくなるようにラップでくるみなおしてから冷凍すること。
一度試してみると、「冷凍やけ」防止の効果が抜群なのを認識できる。
冷凍前に、食材を空気に触れさせないようにラップでくるみなおすだけなので、まだ、やっていない主婦はぜひ実行してみよう!
なお、冷蔵庫に食品を5℃程度で冷蔵保存する場合でも、食材を極力空気が残らないようにラップでくるみなおすと、おいしさや色を長くたもつことができるので、これも実行してみよう!
3)袋入り冷凍食品は霜がついてないものを購入
スーパーで袋入りの冷凍食品を購入する際、消費期限を確認するのみならず、冷凍食品の袋の内側に霜がついていないものを選択すること。
炒飯、コロッケ、ハンバーグなどの冷凍食品は銀色の包装袋に入り内部の食材の状況はわからないが、冷凍エビ、カニの海産物はトレイにラップをかけただけなのでラップをとおし食材や霜の付き具合がわかるので、内容物を見て買うことができる。
常日頃、食品を購入する時に行っていることを冷凍食品でも実行しよう。
冷凍食品ボックスケースの一番上に置かれた冷凍食品は、店内の室温の影響を受け表面温度が上がり品質が低下しているおそれがあるため、下の方に置いてある冷凍食品を選定するのがよい。
4.解凍方法
1)解凍方法は冷凍食品により異なる
冷凍食品を解凍する場合
①袋入り冷凍食品
②生や冷凍の海産物、畜産物、ホームフリージングした食品
とでは、おいしく食べるための解凍方法が異なる。
2)解凍方法の原則
解凍の原則は
①袋入り冷凍食品:袋の裏に書いてある解凍方法、特に解凍や料理時間に注意
②生や冷凍の海産物、畜産物、ホームフリージングした食品:氷水につけて解凍
とするのが良い。
4.1 袋入り冷凍食品の解凍
1)冷凍野菜は煮すぎに注意
袋入りの野菜は食品工場において冷凍する前に下地処理としてブランチング(Blanching)を行い、100℃の熱湯につけ、野菜が食べ頃となる加熱に必要な分の80%の加熱処理を済ませている。
ブランチングを行うことにより、野菜に含まれる酵素や微生物の活動を止め、冷凍保存中の酸化や変色及び加工時の変化を防いでいる。
この結果、冷凍野菜は下ゆで、熱加工が8割ほど終わっているため、解凍後の料理には調理時に残り2割の熱を加えるだけで、おいしく食べることができる。
くれぐれも、冷凍食材を調理する際には熱を加えすぎ、煮すぎ過ぎないように注意!
2)袋入り冷凍食品の解凍
冷凍食品メーカが販売している袋入り冷凍食品は、袋に記載に解凍方法に従うとおいしく食べることができる。
袋入り冷凍食品のほとんどは電子レンジによる解凍を推奨している。
現在はこれに加えて、手間がかからない自然解凍の袋入り冷凍食品も増え、冷凍食品メーカでは、電子レンジによる加熱が不要な「エコ冷食」として販売している。
しかし、原発事故に起因した電力不足を解消するためとの後付けの理由による「エコ冷食」はいかがなものであろうか?
様々ある加熱処理の方法のうち、もっとも効率的なものは、水分を含んだ食材を内部から自己加熱する電子レンジ、クッキングヒータ(誘導加熱)である。ガスコンロによる食材の加熱は、加えたエネルギーの半分以上が空気を暖めたりすることに使われ、熱効率が悪い。たかだか数分しか使わない電子レンジの電気使用量を節約して何の意味があるのだろうか?そもそも、夏場の午後の1~4時のピーク電力時に、家庭が電子レンジを使うはずがない。それより、トータルとしてエネルギー消費量を減らせることができる電子レンジは、効率が良い家電製品として大いに推奨すべきものである。
4.2 生や冷凍の海産物、畜産物、ホームフリージングした食品の解凍
1)解凍した高級食材の評価は最低
冷凍食品の種類もバラエティとなり、高級食材のカニや魚介類、和牛ステーキなどをいただいた、地方の海産、畜産物の特産品を自ら取り寄せしたものの、解凍がうまくいかずに、カニや高級魚は食感がパサパサ、牛肉はドリップが多量に出て風味がいまいちと、解凍にはいつも失敗ばかりした家庭がほとんどであろう。
主婦が子供たちに夕食に高級食材を使った献立を出すと言うと「久しぶりにおいしい物を食べられる」と期待するが、「食材は冷凍品」と聞くと、「おいしくないから、食べたくない」と高級食材の冷凍品にはさんざんな評価が定着していた。
2)従来の解凍方法はいずれも不満足
つい最近まで、生の食材の最適な解凍方法がわからなかったため、家庭では止む無く、室温解凍、冷蔵庫解凍、電子レンジ解凍、流水解凍などをいろいろ試してみたが、どの方法もいまいちいでこれぞと言う、良い方法を見つけることができなかった。
表3に冷凍食品の解凍方法の内容、解凍に要する時間、評価をまとめた。
解凍の良し悪しは、解凍品が生とそん色がなく、食感やおいしさがそのまま維持できているかどうかが最も重要である。いくら速く解凍でき、手間がかからなくとも、食感やおいしさが失われていればうまく解凍できたことにはならない。
だからといって、手間が大変な解凍方法は二度とやりたくないし、時間がかかったり、お金がかかる方法も使えない。
表3 冷凍食品の解凍方法
番号 | 方 法 | 内 容 | 所要時間 | 評 価 | 総合評価 |
1 | 緩慢解凍 | 自然解凍 | 冷凍食品を室内にそのままの状態で放置する。 | 1時間 | 一番簡単な解凍方法であるが、ドリップがかなり発生し、風味、味ともに低下する。 夏場は室温が高いため、解凍しすぎになる。解凍後、食材は早めに処理をしないと細菌の発生、腐敗が起こる。 | △ |
2 | 冷蔵庫解凍 | 冷凍室から冷蔵室へ移して解凍する。 | 9時間 | 半日もの時間がかかるわりに、あまりうまく解凍できない。 5℃で解凍するため、解凍しすぎを防ぐことができる。解凍後も低温で保存できるため細菌の発生や腐敗を抑えることができる。 | ○ |
3 | 氷水解凍 | 氷水をいれた容器につけて解凍する。 冷凍食品はポリ袋などで密封し、直接氷水へ触れさせないこと。 | 1時間 | 生の食材の冷凍食品に使える万能の解凍方法。 ドリップの発生量は他の方法と比較すると一番少ない。 手間と時間があまりかからず最も上手に解凍できる優れた方法。 | ◎◎ |
4 | 水中解凍、流水解凍 | 水をはった容器に冷凍食品を入れて解凍、あるいは、同時に容器内へ水道水をたれ流す。 冷凍食品はポリ袋などで密封し、直接水へ触れさせないこと。 | 20~30分 | 流水解凍は時間がかからないが、水道代がもったいない。 ドリップの発生量は氷水解凍より多い。 | ◎ |
5 | 解凍 プレート | 熱伝導率が高いアルミプレートの上で解凍する。 解凍速度は自然解凍の5倍。 | 10~20分 | 単なる厚み3~10mm、縦25cm×横30cmのアルミプレート(バカ高い価格1,500~4,000円)なので、もし使いたいのなら、代用品としてアルミ製のフライパンを使えば十分。 | △ |
6 | 急速解凍 | 加熱解凍 | 凍ったままの冷凍食品を煮る、加熱するなどの方法により直接料理する。 | 1~2分 | 冷凍食材の種類によっては、加熱処理を行うと逆においしく食べることができるものもある。 | ◎ |
7 | 電子レンジ解凍 | 電子レンジの加熱処理により急速解凍する。 電子レンジの機種によっては、解凍モードがある。 | 3~4分 | 短時間に解凍できるが、加熱むらができ、内部は加熱しすぎ、表面は凍結などの状態となる。 ドリップの発生量が一番多く、風味も味も失われてしまう。 止むを得ない場合以外は使わない。 | × |
表3を作成するにあたり参考としたサイト
a)ウイキペディア 解凍(食品)、2012年6月12日現在、氷水解凍の記載はない
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A7%A3%E5%87%8D_(%E9%A3%9F%E5%93%81)
b)冷凍食品の比較・選び方→生ものの解凍方法
http://www3.gctcn.com/post_8.html
3)画期的な解凍方法がみつかった
今年(2012年)3月14日放送のNHKの「ためしてガッテン」において、画期的な、どの家庭でも手軽に手間と時間をあまりかけずに上手に解凍できる方法を紹介。
いままでの料理の本、雑誌、ネットなどではまったくと言っていいほど紹介されてなく、びっくり仰天の方法である。
その方法は、単に氷水を入れた容器内に冷凍された生の海産物などを1時間程度つけておくだけである。
目からうろこの方法、これなら、だれでも手軽にできることまちがいなし!
4.3 氷水(こおりみず)解凍の方法
1)事前準備
a)凍結した冷凍食品を十分に入れることができる容器(ボウル)に氷水をつくる。
氷はもちろん、冷蔵庫の製氷室でつくったものを使う。
b)生の状態で凍結しカニ、鮮魚などのポリ袋に入っていない冷凍食品の場合、それらをポリ袋へ入れて密封し、冷凍食品と氷水が直接触れないようにする。
この時、冷凍食品がラップなどでくるまれていれば、事前に取り除いておく。
c)ポリ袋の中の空気が極力少なくなるように冷凍食品とポリ袋を密着させる。
氷水と冷凍食品との間に空気がはいっていると、熱伝導率*2)が低くなるため解凍に時間がかかり解凍後の品質が悪くなる(できるだけ早く解凍させた方が良い品質を保てる)。
このちょっとした事前の対応が、解凍後の口当たりや味の良し悪しを左右する。
- 2)氷水解凍
-
- この時、冷凍食品が浮かび上がらないように、重しとして平たい皿を冷凍品の上に載せておくと良い。
- 品 目
| - 熱伝導率(W/mK)
|
- 空気
| - 0.024
|
- 水
| - 0.6
|
- サランラップ(ポリ塩化ビニリデン)
| - 3.0
|
- ポリ袋(ポリエチレン)
| - 0.42
|
- 鉄
| - 84
|
- アルミ
| - 236
|
参照資料
- b)冷凍食品が浮かび上がり表面が氷水の上に出ている状況になると、空気と接触している上側の冷凍食材の解凍が遅くなり、その部分の品質が低下する。
- c)速く解凍させるためには、冷凍食材と氷水との密着度が高いほどよいので、薄手のポリ袋の方が厚みのあるポリ袋より望ましいが、薄すぎるとポリ袋が破れて氷水が冷凍食材に混じるおそれがあるので、そのような危険を冒さないこと。
- d)もちろん、冷凍食材と氷水との熱伝達を大きくするために氷水をかき混ぜるなどを行うとより速く解凍できる。この方法は食品工場など工業的にできるだけ速く熱を奪う場合には採用されているが、家庭において冷凍食材を解凍する場合には、神経質になる(手間をかけてやる)必要はない。
-
- *2) 熱伝導率
- 熱の伝わりやすさが速い、遅いを示す値。熱伝導率の数値が大きいほど熱の伝わり方が速い。冷凍食品の解凍時には、冷凍食品が置かれている/触れている箇所の熱伝導率の数値が大きいほど解凍の速度が速くなる。
- 氷水(水)は空気の25倍(0.6÷0.024=25)も熱伝導率が高く、熱が伝わりやすい。
- このことから、冷凍食品を氷水へ入れる際、熱伝導率が低い空気がポリ袋内に残らないようにする、サランラップを除去するなどにより、できるだけ氷水と冷凍食品とを接触しやすい状況を作ることが重要である。
- 更に、アルミは空気の9,800倍(236÷0.024=9,830)も熱が伝わりやすいため急速解凍としてアルミプレートを使うと効果がある。ただし、アルミプレートの代わりに同じアルミを使用したアルミのフライパンでもまったく同様の効果がある。
-
- 表4 解凍に関係がある物品の熱伝導率
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
- ★NKK「ためしてガッテン」2012年3月14日放送
- 冷凍解凍に新ワザ誕生 速い!プリプリ!美味
- http://www9.nhk.or.jp/gatten/archives/P20120314.html
-
- 4)解凍の要点
- おいしく解凍する要点は、マイナス18℃に凍った冷凍食品をなるべく速く均一に解凍させ、解凍後にマイナス3℃から零度の温度に保つことの2つを満たすことである。
-
- これらの条件を家庭で行う最良の方法は、氷水解凍!
-
- 雑情報を作成するにあたり、参考となる/参考にした新聞、雑誌などの出典元、年月日、タイトルを載せる。
-
- 4.解凍方法
- ★日本経済新聞 2012年6月6日 自然解凍「エコ冷食」増産
- 味の素・日水 節電の夏にらむ
-
- ★日本経済新聞 2012年5月19日 とことん試します
- 魚・肉、手早くウマく解凍したい
- 氷水、少し急いで味保つ
-
- ★朝日新聞 2011年2月19~23日 あなたの安心 冷凍のレッスン
- 1. 冷凍野菜は下ゆで済み 「ブランチング」って?
- 2. 電子レンジ 手動で設定 レンジで失敗、の例は?
- 3. 庫内で乾くと風味落ちる 上手なフリージングは?
- 4. 解凍は5度以下か加熱で 食材の解凍どうする?
- 5. 下味つけて小分けで保存 冷凍でラクラク調理とは?
-
- {参考資料}
- 冷凍保存に関する科学的な基礎データをわかりやすくまとめたものを紹介する。
- ★ニッスイについて→ニッスイアカデミー→おいしさを科学する→冷温
- http://www.nissui.co.jp/academy/taste/09/03.html
-
3. 冷凍のこつ
ホームフリージングによりうまく食材を冷凍できると、その後解凍しても生の食感や風味を落とさずに食べることができる。
食材冷凍時の秘訣は・・・
3.1 食材を冷凍するコツはすばやく冷凍させること!
1) 失敗続きの生の食材の冷凍
まとめ買いをした食材、贈り物としていただいた生の高級食材のカニ、鮮魚、牛肉は、食べきれなかった分を冷凍室へ入れ冷凍保存することがある。しかし、生の食材は凍結するまでに時間がかかるため、凍結中に食材の組織内に大きな氷の粒子ができ組織を破壊してしまう。その結果、解凍時にドリップ(食材を解凍する時にでてくるうまみが含まれている水分)が発生し風味も栄養分も損なわれ、パサつき、おいしくない。
冷凍食品メーカの冷凍工場では、一般家庭での冷凍と違い極力凍結時間を短くし、食品の組織内に発生する氷の結晶を小さくしているため、解凍してもドリップの発生は少なく、生と変わらない味と風味を味わうことができる。
2) うまく冷凍させるコツ
基本中の基本として、冷凍させたい食材は、温かい間は室温に下がるまで待ち、その後、冷凍室へ入れること。
冷凍室において、できるだけ速く凍らせるため、冷凍させたい食材を熱伝導率が高いアルミのトレイの上におき、かつ冷気が噴出してくる場所へ置くと良い。
数年前から販売されている新型の冷蔵庫には、マイナス18度の冷凍室の他に、ホームフリージング用のスペースが別途設けられ、食材を急速冷凍できるよう機能向上がはかられている。
仕組みは食材を置く場所に熱を奪う速度が速い(熱伝導率が高い)アルミのプレートと、その部分へマイナス40℃の冷気を吹きつけることにより、通常の5倍ほどの速度で急速冷凍することができる。
3.2 冷凍中の乾燥を防ぐ
1) 冷凍室の中の食材はいつのまにか「冷凍やけ」
冷凍室内は氷点下の温度のため、周囲の空気中に含まれている水分が凍結しいつも乾燥状態となっている。このため、気密性が十分でない袋入りの冷凍食品あるいはホームフリージングで密封が不十分な食材は、保存している間に食材中の脂質が空気中の酸素と反応、酸化して臭い、変色、固くなった状態、いわゆる「冷凍やけ」が発生する。
2) 冷凍中に食材を乾燥させないコツは凍結前の前準備
乾燥対策は冷凍食品あるいは冷凍をする食材を極力空気に触れさせないことに尽きる。
そのため、新規に冷凍する食材は空気を残さないようにラップで密にくるむことが肝要である。これさえ、しっかりしておけば、冷凍保存中に乾燥して風味が変わったり、パサつくことを防ぐことができる。
ホームフリージングをする際、スーパーで購入した食材が入っているトレイのまま冷凍するのではなく、必ず食材が空気に触れる部分を極力少なくなるようにラップでくるみなおしてから冷凍すること。
一度試してみると、「冷凍やけ」防止の効果が抜群なのを認識できる。
冷凍前に、食材を空気に触れさせないようにラップでくるみなおすだけなので、まだ、やっていない主婦はぜひ実行してみよう!
なお、冷蔵庫に食品を5℃程度で冷蔵保存する場合でも、食材を極力空気が残らないようにラップでくるみなおすと、おいしさや色を長くたもつことができるので、これも実行してみよう!
3) 袋入り冷凍食品は霜がついてないものを購入
スーパーで袋入りの冷凍食品を購入する際、消費期限を確認するのみならず、冷凍食品の袋の内側に霜がついていないものを選択すること。
炒飯、コロッケ、ハンバーグなどの冷凍食品は銀色の包装袋に入り内部の食材の状況はわからないが、冷凍エビ、カニの海産物はトレイにラップをかけただけなのでラップをとおし食材や霜の付き具合がわかるので、内容物を見て買うことができる。
常日頃、食品を購入する時に行っていることを冷凍食品でも実行しよう。
冷凍食品ボックスケースの一番上に置かれた冷凍食品は、店内の室温の影響を受け表面温度が上がり品質が低下しているおそれがあるため、下の方に置いてある冷凍食品を選定するのがよい。
4. 解凍方法
1) 解凍方法は冷凍食品により異なる
冷凍食品を解凍する場合
① 袋入り冷凍食品
② 生や冷凍の海産物、畜産物、ホームフリージングした食品
とでは、おいしく食べるための解凍方法が異なる。
2) 解凍方法の原則
解凍の原則は
① 袋入り冷凍食品:袋の裏に書いてある解凍方法、特に解凍や料理時間に注意
② 生や冷凍の海産物、畜産物、ホームフリージングした食品:氷水につけて解凍
とするのが良い。
4.1 袋入り冷凍食品の解凍
1) 冷凍野菜は煮すぎに注意
袋入りの野菜は食品工場において冷凍する前に下地処理としてブランチング(Blanching)を行い、100℃の熱湯につけ、野菜が食べ頃となる加熱に必要な分の80%の加熱処理を済ませている。
ブランチングを行うことにより、野菜に含まれる酵素や微生物の活動を止め、冷凍保存中の酸化や変色及び加工時の変化を防いでいる。
この結果、冷凍野菜は下ゆで、熱加工が8割ほど終わっているため、解凍後の料理には調理時に残り2割の熱を加えるだけで、おいしく食べることができる。
くれぐれも、冷凍食材を調理する際には熱を加えすぎ、煮すぎ過ぎないように注意!
2) 袋入り冷凍食品の解凍
冷凍食品メーカが販売している袋入り冷凍食品は、袋に記載に解凍方法に従うとおいしく食べることができる。
袋入り冷凍食品のほとんどは電子レンジによる解凍を推奨している。
現在はこれに加えて、手間がかからない自然解凍の袋入り冷凍食品も増え、冷凍食品メーカでは、電子レンジによる加熱が不要な「エコ冷食」として販売している。
しかし、原発事故に起因した電力不足を解消するためとの後付けの理由による「エコ冷食」はいかがなものであろうか?
様々ある加熱処理の方法のうち、もっとも効率的なものは、水分を含んだ食材を内部から自己加熱する電子レンジ、クッキングヒータ(誘導加熱)である。ガスコンロによる食材の加熱は、加えたエネルギーの半分以上が空気を暖めたりすることに使われ、熱効率が悪い。たかだか数分しか使わない電子レンジの電気使用量を節約して何の意味があるのだろうか?そもそも、夏場の午後の1~4時のピーク電力時に、家庭が電子レンジを使うはずがない。それより、トータルとしてエネルギー消費量を減らせることができる電子レンジは、効率が良い家電製品として大いに推奨すべきものである。
4.2 生や冷凍の海産物、畜産物、ホームフリージングした食品の解凍
1) 解凍した高級食材の評価は最低
冷凍食品の種類もバラエティとなり、高級食材のカニや魚介類、和牛ステーキなどをいただいた、地方の海産、畜産物の特産品を自ら取り寄せしたものの、解凍がうまくいかずに、カニや高級魚は食感がパサパサ、牛肉はドリップが多量に出て風味がいまいちと、解凍にはいつも失敗ばかりした家庭がほとんどであろう。
主婦が子供たちに夕食に高級食材を使った献立を出すと言うと「久しぶりにおいしい物を食べられる」と期待するが、「食材は冷凍品」と聞くと、「おいしくないから、食べたくない」と高級食材の冷凍品にはさんざんな評価が定着していた。
2) 従来の解凍方法はいずれも不満足
つい最近まで、生の食材の最適な解凍方法がわからなかったため、家庭では止む無く、室温解凍、冷蔵庫解凍、電子レンジ解凍、流水解凍などをいろいろ試してみたが、どの方法もいまいちいでこれぞと言う、良い方法を見つけることができなかった。
表3に冷凍食品の解凍方法の内容、解凍に要する時間、評価をまとめた。
解凍の良し悪しは、解凍品が生とそん色がなく、食感やおいしさがそのまま維持できているかどうかが最も重要である。いくら速く解凍でき、手間がかからなくとも、食感やおいしさが失われていればうまく解凍できたことにはならない。
だからといって、手間が大変な解凍方法は二度とやりたくないし、時間がかかったり、お金がかかる方法も使えない。
表3 冷凍食品の解凍方法
番号 | 方 法 | 内 容 | 所要時間 | 評 価 | 総合評価 |
1 | 緩慢解凍 | 自然解凍 | 冷凍食品を室内にそのままの状態で放置する。 | 1時間 | 一番簡単な解凍方法であるが、ドリップがかなり発生し、風味、味ともに低下する。 夏場は室温が高いため、解凍しすぎになる。解凍後、食材は早めに処理をしないと細菌の発生、腐敗が起こる。 | △ |
2 | 冷蔵庫解凍 | 冷凍室から冷蔵室へ移して解凍する。 | 9時間 | 半日もの時間がかかるわりに、あまりうまく解凍できない。 5℃で解凍するため、解凍しすぎを防ぐことができる。解凍後も低温で保存できるため細菌の発生や腐敗を抑えることができる。 | ○ |
3 | 氷水解凍 | 氷水をいれた容器につけて解凍する。 冷凍食品はポリ袋などで密封し、直接氷水へ触れさせないこと。 | 1時間 | 生の食材の冷凍食品に使える万能の解凍方法。 ドリップの発生量は他の方法と比較すると一番少ない。 手間と時間があまりかからず最も上手に解凍できる優れた方法。 | ◎◎ |
4 | 水中解凍、流水解凍 | 水をはった容器に冷凍食品を入れて解凍、あるいは、同時に容器内へ水道水をたれ流す。 冷凍食品はポリ袋などで密封し、直接水へ触れさせないこと。 | 20~30分 | 流水解凍は時間がかからないが、水道代がもったいない。 ドリップの発生量は氷水解凍より多い。 | ◎ |
5 | 解凍 プレート | 熱伝導率が高いアルミプレートの上で解凍する。 解凍速度は自然解凍の5倍。 | 10~20分 | 単なる厚み3~10mm、縦25cm×横30cmのアルミプレート(バカ高い価格1,500~4,000円)なので、もし使いたいのなら、代用品としてアルミ製のフライパンを使えば十分。 | △ |
6 | 急速解凍 | 加熱解凍 | 凍ったままの冷凍食品を煮る、加熱するなどの方法により直接料理する。 | 1~2分 | 冷凍食材の種類によっては、加熱処理を行うと逆においしく食べることができるものもある。 | ◎ |
7 | 電子レンジ解凍 | 電子レンジの加熱処理により急速解凍する。 電子レンジの機種によっては、解凍モードがある。 | 3~4分 | 短時間に解凍できるが、加熱むらができ、内部は加熱しすぎ、表面は凍結などの状態となる。 ドリップの発生量が一番多く、風味も味も失われてしまう。 止むを得ない場合以外は使わない。 | × |
表3を作成するにあたり参考としたサイト
3) 画期的な解凍方法がみつかった
今年(2012年)3月14日放送のNHKの「ためしてガッテン」において、画期的な、どの家庭でも手軽に手間と時間をあまりかけずに上手に解凍できる方法を紹介。
いままでの料理の本、雑誌、ネットなどではまったくと言っていいほど紹介されてなく、びっくり仰天の方法である。
その方法は、単に氷水を入れた容器内に冷凍された生の海産物などを1時間程度つけておくだけである。
目からうろこの方法、これなら、だれでも手軽にできることまちがいなし!
4.3 氷水(こおりみず)解凍の方法
1) 事前準備
a)凍結した冷凍食品を十分に入れることができる容器(ボウル)に氷水をつくる。
氷はもちろん、冷蔵庫の製氷室でつくったものを使う。
b)生の状態で凍結しカニ、鮮魚などのポリ袋に入っていない冷凍食品の場合、それらをポリ袋へ入れて密封し、冷凍食品と氷水が直接触れないようにする。
この時、冷凍食品がラップなどでくるまれていれば、事前に取り除いておく。
c)ポリ袋の中の空気が極力少なくなるように冷凍食品とポリ袋を密着させる。
氷水と冷凍食品との間に空気がはいっていると、熱伝導率*2)が低くなるため解凍に時間がかかり解凍後の品質が悪くなる(できるだけ早く解凍させた方が良い品質を保てる)。
このちょっとした事前の対応が、解凍後の口当たりや味の良し悪しを左右する。

2) 氷水解凍
a)ポリ袋を密閉し中の空気を追い出した冷凍食品を氷水に入れた容器につける。
この時、冷凍食品が浮かび上がらないように、重しとして平たい皿を冷凍品の
上に載せておくとよい。
b) 冷凍食品が浮かび上がり表面が氷水の上に出ている状況になると、空気と接触している上側の冷凍食材の解凍が遅くなり、その部分の品質が低下する。
c) 速く解凍させるためには、冷凍食材と氷水との密着度が高いほどよいので、薄手のポリ袋の方が厚みのあるポリ袋より望ましいが、薄すぎるとポリ袋が破れて氷水が冷凍食材に混じるおそれがあるので、そのような危険を冒さないこと。
d) もちろん、冷凍食材と氷水との熱伝達を大きくするために氷水をかき混ぜるなどを行うとより速く解凍できる。この方法は食品工場など工業的にできるだけ速く熱を奪う場合には採用されているが、家庭において冷凍食材を解凍する場合には、神経質になる(手間をかけてやる)必要はない。
*2) 熱伝導率
熱の伝わりやすさが速い、遅いを示す値。熱伝導率の数値が大きいほど熱の伝わり方が速い。冷凍食品の解凍時には、冷凍食品が置かれている/触れている箇所の熱伝導率の数値が大きいほど解凍の速度が速くなる。
氷水(水)は空気の25倍(0.6÷0.024=25)も熱伝導率が高く、熱が伝わりやすい。
このことから、冷凍食品を氷水へ入れる際、熱伝導率が低い空気がポリ袋内に残らないようにする、サランラップを除去するなどにより、できるだけ氷水と冷凍食品とを接触しやすい状況を作ることが重要である。
更に、アルミは空気の9,800倍(236÷0.024=9,830)も熱が伝わりやすいため急速解凍としてアルミプレートを使うと効果がある。ただし、アルミプレートの代わりに同じアルミを使用したアルミのフライパンでもまったく同様の効果がある。
表4 解凍に関係がある物品の熱伝導率
品 目 | 熱伝導率(W/mK) |
空気 | 0.024 |
水 | 0.6 |
サランラップ(ポリ塩化ビニリデン) | 3.0 |
ポリ袋(ポリエチレン) | 0.42 |
鉄 | 84 |
アルミ | 236 |
4) 解凍の要点
おいしく解凍する要点は、マイナス18℃に凍った冷凍食品をなるべく速く均一に解凍させ、解凍後にマイナス3℃から零度の温度に保つことの2つを満たすことである。
これらの条件を家庭で行う最良の方法は、氷水解凍!
参照資料
雑情報を作成するにあたり、参考となる/参考にした新聞、雑誌などの出典元、年月日、タイトルを載せる。
4.解凍方法
★日本経済新聞 2012年6月6日 自然解凍「エコ冷食」増産
味の素・日水 節電の夏にらむ
★日本経済新聞 2012年5月19日 とことん試します
魚・肉、手早くウマく解凍したい
氷水、少し急いで味保つ
★朝日新聞 2011年2月19~23日 あなたの安心 冷凍のレッスン
1. 冷凍野菜は下ゆで済み 「ブランチング」って?
2. 電子レンジ 手動で設定 レンジで失敗、の例は?
3. 庫内で乾くと風味落ちる 上手なフリージングは?
4. 解凍は5度以下か加熱で 食材の解凍どうする?
5. 下味つけて小分けで保存 冷凍でラクラク調理とは?
{参考資料}
冷凍保存に関する科学的な基礎データをわかりやすくまとめたものを紹介する。
- 2013年05月28日 16:28 |
- 食品(食中毒 アレルギー)
-
-
2011年6月3日
雑情報 (34-4)
食中毒の発生&生鮮食料品の保存
要旨
1.病原性大腸菌による食中毒の発生 1.1 ドイツなどで病原性大腸菌O104による死者が18人 1.2 O111による食中毒が発生 1)「焼肉酒家えびす」での食中毒 2)牛角において食中毒(O157) 3)生肉を食べるのは大変危険 a)生肉を食べる習慣 b)生肉は危険がいっぱい * 生の牛肉、鶏肉、それらのレバーにはカンピロバクターが生息し、生の豚肉にはさな だむしが寄生しているおそれがあるため、生食は避け必ず熱を加えること。 * 何事も常識を知らないものは自分の家族や友人の命を危うくする。 * 誰もが「君子危うきに近寄らず」を肝に銘じたい。 c)法規制 d)安いものには理由がある e)団塊の世代の責任 * 団塊及びそれ以前の世代は、若い世代へ人として社会の中で生きていく上に必要な道徳や社会的責任、義務をきちんと教えてこなかった。 * 日本全体に自分さえ良ければ、権利だけは人一倍主張し義務は果たさない、いわゆるモンスターペアレントが広がっている。 2.生鮮食料品の保存 2.1 野菜の保存 1)野菜の保存方法 * 野菜が育った情況に近い環境で、かつ南方系の野菜や果物以外は冷蔵庫の野菜室で保管すると長く保存できる。 2)主な野菜の保存方法 2.2 果物の保存 * リンゴ、バナナ、キウイはエチレンガスの発生が多いため他の野菜の鮮度を落とし、他の果物の熟成を早める。そのため、冷蔵庫内にリンゴ、常温の室内でバナナ、キウイ保存する場合には他の野菜や果物の近くに置かないこと。 2.3 生肉や鮮魚の保存 * 生肉や鮮魚はできるだけ低い温度に保ち、かつ空気に触れさせない(酸化による鮮度の低下を抑えるためラップで空気を追い出してくるむ)のが原則。 |
△ページトップへ戻る 1.病原性大腸菌による食中毒の発生
最近、ドイツと日本において病原性大腸菌による食中毒が発生し多数の死者が出ている。食中毒を防ぐための対策については、雑情報(34)~(34-3)
を参照。
1.1 ドイツなどで病原性大腸菌O104(オー・イチマルヨン)による死者が18人
2011年5月中旬から、ドイツ、スペイン、スウェーデン、英国、フランスなどで病原性大腸菌(=腸管出血性大腸菌)O104による健康被害を訴えた患者が計1,500人以上にのぼり、そのうち6月2日までに溶血性尿毒症症候群によりドイツで14人、スウェーデンで2名など18名が死亡した。
当初、ドイツ当局から原因はスペイン産のキュウリと発表されたが、5月31日になり感染源でないことが判明。
本当の原因は不明のため、当分生でキュウリやトマトを食べないようにと警告している。
世界保健機関(WHO)は今回の菌は「特異」なものとし新種の可能性があるとの見方を示している。
1.2 O111(オー・イチイチイチ)による食中毒が発生
1)「焼肉酒家えびす」での食中毒
2011年4月下旬頃から福井を中心とした焼肉チェーン店「焼肉酒家えびす」において病原性大腸菌O111を原因とする食中毒が発生し4名が死亡、重症者を含め100名が食中毒にかかった。
専門家によるとO111によるこれほどひどい食中毒は初めてのことである。
病原性大腸菌による食中毒と聞くとすぐに思い出すのは、1996年、菅首相が厚生大臣をしていた際のカイワレダイコンの試食パフォーマンスである。この時はO157による食中毒が発生した。
今回の食中毒の患者に共通するのは「焼肉酒家えびす」においてユッケを食べたことによる。どのようにしてO111が生肉で繁殖したのかは不明であるが、牛の腸などには元から大腸菌が生息しておりそれが広がった、あるいは牛肉を調理する過程においてO111が繁殖したかのいずれかであろう。
2)牛角において食中毒
2011年6月2日、牛角の福井県高岡店においてO157による食中毒が発生し、20人が食中毒の症状をうったえた。症状は軽く全員が回復に向かっている。
3)生肉を食べるのは大変危険
a)生肉を食べる習慣
日本には生肉を食べる習慣はなかったが、昔から魚をさしみで食べる素地があったことから、戦後、韓国から生肉のユッケや焼肉を食べる習慣が取り入れられ、次第に広まった。そのため、生肉を食べる習慣は若い世代には広がっているが、高齢者はそれほどでもない。
現在、韓国ではユッケを日本人ほど食べていない。特に子供や老人はユッケを食べるのを避けているし、焼肉も日本でO157による食中毒が発生した以降、良く焼いてから食べるようになっている。
また、韓国でも生肉による食中毒が毎年発生しているため、当局による抜き打ち検査が行われており、違反者は指導を受けている。
b)生肉は危険がいっぱい
従来から生の牛肉、鶏肉、それらのレバーにはカンピロバクターが生息し、生の豚肉にはさなだむしが寄生しているおそれがあるため、生肉をそのまま食べるのは避け、食べる場合には必ず熱を加えていた。
時代の変遷と共に、世界各地の様々な食材や料理法がマスコミで宣伝され、レストランのメニューに登場した。その結果、多少安全や健康に問題がある食べ物であっても、安全な食べ方、調理法がなされないまま口に入っていた。
リスクを知った上であえて本人が食べるのなら自己責任なので、あとはどうなろうとかまわないが、リスクを知らないで子供や老人にユッケや生牛レバー、鶏わさ、生鶏レバーを食べさせる親は常識知らずのバカである。
何事も常識を知らないものは自分の家族や友人の命を危うくする。
食中毒の危険性があるのが分かった上で生肉を客へ提供する店は悪質そのものであるが、ユッケなど生肉を注文する客側に常識がないことも問題である。
誰もが「君子危うきに近寄らず」を肝に銘じたい。
なお、会社の飲み会や集まりの席で、生肉の危険性を知っていながら、行きがかり上あるいはつまらないことに威勢を張って、危険なユッケ、鶏わさなどを注文したり、食べるのは絶対に避けよう。逆に、生肉の危険性を参加者全員へ説明する勇気、注文させない、食べさせない行動が求められる。
c)法規制
人の健康や食品の安全性などを統括する厚労省は、“ふぐ”のように明確に毒性があり食べると危険な食材に関しては調理免許や料理の仕方などに規制があるが、それ以外の食材や調理法に関しては多くの人への健康被害や死者が出ない限り、先んじて、あるいは予防的に法律を作ったり規制を加えることはない。
人々の自由な活動や発想を損なわないため、法律、規制、制限は極力少ないほうが望ましいが、事故、事件の発生後に再発防止のために法律が策定されるのはやむを得ない。
今回の事故をきっかけに、今まであいまいにされてきた生肉、生レバーなど生肉の加工法、調理法などに規制がかけられることとなった。
従来の厚労省のあいまいな規制がきちんとしたものとなりそうである。
d)安いものには理由がある
今回「焼肉酒家えびす」では和牛のユッケを280円で提供していたが、事件発覚後、調査したら、和牛ではない交雑牛(和牛と乳牛を掛け合わせたもの)を和牛と表示し偽装表示を行っていた。
食品安全の指導によると、ユッケを提供する場合、加工の段階でトリミングと呼ぶ肉塊の表面全部を5mm程度そぎ落とす工程(万一病原菌が付着していた場合でも除去できるよう)を卸業者、店舗それぞれにおいて行うこととなっていた。しかし、今回の食中毒の当事者である卸業者の「大和屋商店」、焼肉屋「焼肉酒家えびす」ともまったくトリミングを行っておらず、両社とも儲け第一主義、安全などそっちのけの情況が明らかとなった。
“安い肉には裏がある”との言葉通りのことが堂々とまかりとおり、商道徳などはそっちのけの実体であった。
「焼肉酒家えびす」を経営していた「フーズ・フォーラス」の勘坂康弘元社長は事件発覚後、何を思ったのか土下座をしていた。元社長は商道徳のかけらすらなく単なる金儲けに明け暮れていたにも係わらず、業界では風雲児として脚光を浴びていたことは驚きである。近頃、ライブドア事件の首謀者の堀江貴文が2年半の実刑を受けて刑務所へ収監されたのとダブって見える。
e)団塊の世代の責任
日本のバブル崩壊後、失われた20年のきっかけを作った団塊の世代とそれより高齢の世代は、若者へ人として社会の中で生きていく上に必要な道徳や社会的責任、義務をきちんと教えてこなかったつけがまわってきているように思える。
自分さえ良ければ、権利だけは人一倍主張し義務は果たさない、いわゆるモンスターペアレントが生まれ、広がっている。
常識や社会的責任感が欠如し、拝金主義の典型となった堀江貴文や勘坂康弘が次々と生まれてくるのはこれらの世代に対する子育て、教育、社会制度が失敗した結果であろう。
早急な建て直しが求められている。
2.生鮮食料品の保存
2.1 野菜の保存
1)野菜の保存方法
野菜や果物は収穫後も呼吸をしつづけ、成長しようとしているため、そのままでは、栄養分が呼吸などに使われ鮮度が落ちてくる。
野菜などのこのような活動を抑えることで鮮度を保つことができる。
基本的には、野菜が育った情況に近い環境で、かつ南方系の野菜や果物以外は冷蔵庫の野菜室(以降は野菜室)で保管すると長く保存できる。
野菜の保存方法は、種類により異なるので種類に応じた保存方法を知り実行すると良い。スーパーで野菜を買い、自宅へ持ち帰ったら即、種類別の保管方法を行おう。慣れれば苦にならずに、いつまでも新鮮な野菜を料理に使うことができる。
2)主な野菜の保存方法
家庭で良く食べているキャベツ、レタス、キュウリ、たまねぎ、じゃがいもなどの保管方法を示す。
a)キャベツ、レタス
野菜室へ入れる前に芯をくりぬいて、くりぬいた部分へ濡れたキッチンペーパーをつめたり、芯の部分に湿らせたキッチンペーパーを敷いた後ポリ袋へ入れ保存。
b)小松菜、ほうれんそう
小松菜、ほうれんそうは湿らせた新聞紙にくるみ、ポリ袋へ入れ立てて野菜室へ。
c)キューリ、ピーマン
ポリ袋へいれて野菜室で保存。
d)たまねぎ
風通しの良いところに常温保存。夏場のみ野菜室へ入れる。
e)ネギ類
野菜室の一角に立てて保存する。
f)大根、カブ
葉の付いた部分をカットし、根の部分をポリ袋へ入れて野菜室で保存。
葉の部分も料理につかうのならポリ袋に入れて保存。
g)はくさい
新聞紙につつみ冬場は冷暗所、夏場は野菜室に保存。
h)じゃがいも
常温保存とするが、新聞紙に包むと良い。夏場のみポリ袋へ入れて野菜室で保存。
保存中にじゃがいもの芽が出てきたら、芽には毒物のソラニンが含まれているため、きちんと芽の周辺を含めて取り除いてからじゃがいもを料理すること。
i)サツマイモ
常温保存とする。低温に弱いので、絶対に冷蔵庫へ入れないこと。
j)ゴボウ、ニンジン、さといも、丸ごとのかぼちゃ
常温保存でよいが、新聞紙にくるむと更に良い。
k)(グリーン)アスパラガス
ラップあるいはビニール袋へ入れ野菜室に立てて保存。
2.2 果物の保存
果物をスーパーから買ってくると、即、なんでもかんでも、当日食べる果物は冷蔵庫(上段)、数日かけて食べる果物は冷蔵庫の野菜室へと分けて保存している主婦が多いのでは?
間違ってはいないが、より良い果物の保存方法を以下に示す。
a)リンゴ
昔、リンゴは秋から冬の果物であったが、保存技術の発達により真夏でも食べることができる。
リンゴは温度変化が少ない野菜室で保存する。また、リンゴは冷やすことにより甘さを増す。
リンゴ、バナナ、キウイはエチレンガス(気体状の植物の成長促進ホルモン)の発生が多いため他の野菜の鮮度を落とし、他の果物の熟成を早める。そのため、冷蔵庫内にリンゴ、常温の室内でバナナ、キウイ保存する場合には他の野菜や果物の近くに置かないこと。
b)バナナ、マンゴ、アボガド
果物のうち熱帯や亜熱帯地方で収穫されたバナナ、マンゴ、アボガドは冷蔵庫へ入れると低温障害を起こし傷みやすくなるので、これらは常温保管とし、食べる数時間から半日前に冷蔵庫へ保管すると冷えておいしく食べることができる。
青いバナナを購入すると、2~3日で食べごろとなるが、もっと早く食べたい場合にはリンゴの近くに置いておくと熟成が早くなる。
c)キウイ
キウイは常温で保存し、触ってみて柔らかくなってきたら半日程度前に冷蔵庫に移し冷やしてから食べる。
キウイはニュージーランド産が多いため、固いままスーパーの店頭に並んでいる。食べごろまでに日数がかかるが、早く熟したものを食べたい場合には、バナナ、リンゴと一緒においておくと熟成が早まり食べごろとなる。
d)モモ(桃)
モモはいまだに初夏にしか出荷されない季節を代表する果物である。
モモはスーパーに並べられている段階では、外見は赤桃色でおいしそうに見えてもまだ完熟しておらず固い。外見に騙され完熟していないやモモをカットし、固くて食べられず捨ててしまったことを何度やったことであろうか。
モモは購入後、プラスチックのトレイを開け、表面をそっと触り、柔らかくなってきたころが食べごろで、食べごろとなったら、食べる数時間前に冷蔵庫へ入れるとおいしく食べることができる。
e)メロン
マスクメロンは高級果物の王様として君臨していたが、最近では様々なブランドのメロンを500円程度の価格で食べられるようになった。
しかし、メロンは食べごろの判定が難しく、熟度の判定を誤り、固すぎて食べられなかったり、逆に熟れすぎて食感が悪く捨ててしまうことを経験したことがあろう。
メロンは購入後、すぐに尻の部分を押してみて、若干柔らかくなり、弾力性が出てきた頃が食べ時である。尻を押すと簡単にへこむのは熟れすぎなので買わないこと。
ところが、最近のスーパーではメロンを緩衝材やラップでしっかりくるみ、尻を押せないようにして販売しており、熟成の度合いが分からなくなっている。このような状態のメロンを買うのは大きなリスクが伴う。
f)スイカ
最近、売られているスイカは大半が熟れ具合を出荷段階で検査済みなので、家庭でカットした祭、まだ熟れていなかったり、熟れすぎて割れが入っていることはほとんどない。
また、スイカを丸ごと1個買う家庭が減少し、1/4カットで販売しているケースが増えたため、冷蔵庫で半日冷やせばおいしく食べることができる。
g)ビワ、サクランボ
常温保存または冷蔵庫保存とするが日持ちしないので早めに食べよう。
h)カキ、なし、ぶどう
購入後、早めに食べること。特にカキはすぐに熟成して柔らかくなるため、即食べないといけない。
2.3 生肉や鮮魚の保存
生肉や鮮魚はできるだけ、低い温度に保ち、かつ空気に触れさせない(酸化による鮮度の低下を抑えるため)のが原則。
そのため、スーパーでトレイ+ラップ包装の生鮮魚肉は自宅へ持ち帰ったら、すぐに冷蔵庫へ保管する。
1)生肉
生肉の場合、一部を当日の料理に使っても、一部の生肉を別の料理に使ったりするため翌日まで保管することが良くある。
翌日以降まで保管する場合、トレイを捨て生肉を空気が入らないようにラップでくるみなおしたあと冷蔵、冷凍室に入れると長持ちする。
2)鮮魚
鮮魚は購入後、すぐに調理するケースが多いが、もし特売品の鮮魚を買い、当日中に食べきれない分あるのなら、冷蔵庫へ保管する前に鮮魚のはたわたとウロコを取り除き、よく流水で洗い、その後水分を拭き取り、ラップで空気が残らないようにくるみ冷蔵庫へ保管すると鮮度が落ちにくい。
参照資料
雑情報を作成するにあたり、参考となる/参考にした新聞、雑誌などの出典元、年月日、タイトルを載せる。
ネット上には、ニュースや有益でためになる情報がたくさんあるが、いつのまにか削除、変更されているケースも多く、もはや見ることができず、残念である。ニュース記事は数か月たつともはや無料では見ることはできない。
これらから、新聞、雑誌、本などの出版物は、図書館、中古品などによりなんとか入手が可能であるが、ネット上の情報は見つけるたびにパソコンへ保存しておかないともはや見ることができないため、まめな保存が必要である。
1.病原性大腸菌による食中毒の発生
★「焼肉酒家えびす」のユッケ
★2010年7月27日、産経新聞ネット、
★読売新聞 2011年6月1日 食きほん 食中毒しっかり予防
まな板、スポンジ最期は熱湯消毒
★読売新聞 2011年6月2日 食中毒対策
下痢・吐き気早急に受診
2.生鮮食料品の保存
★日本経済新聞 2007年2月3日 プラス1 暮らし委員会
読者おすすめの野菜保存法
新聞紙で包み新鮮さ長持ち
★読売新聞 2010年6月2日 食 「冷蔵庫で保存」過信は禁物
肉や魚 ラップで包み直す
△ページトップへ戻る
- 2013年01月05日 18:32 |
- 食品(食中毒 アレルギー)
-
-
2010年7月15日
雑情報 (34-3)
食中毒を防ごう、生鶏肉、生レバーは絶対に食べないこと
要旨
1.カンピロバクターとギラン・バレー症候群 1)大原麗子 * 2009年に亡くなった女優の大原麗子(享年62歳)ギラン・バレー症候群にかかっていた。 2)食中毒の原因として一番多いカンピロバクターはギラン・バレー症候群との関連性が強い * 病原菌による食中毒の第1位、全体の約65%を占めるのはカンピロバクター、第2位はサルモネラ菌の約10%。 * ギラン・バレー症候群の発症原因は明確にはわかっていないが、アメリカの事例によると1,000人のカンピロバクター患者中の1人がギラン・バレー症候群へかかる。また、ギラン・バレー症候群の患者の40%がカンピロバクターの感染がきっかけとなっている。 2.カンピロバクターにかかるリスクを減らす方法 * 生鶏肉、生牛レバー、生の牛肉は絶対に食べないこと!これが誰でもできる最善の策である。 * 生鶏肉(鶏レバー、ささみ、内臓の刺身、鶏のタタキ、鶏わさ)、生牛レバー及び生の牛肉(ユッケ)を絶対に食べないこと! * 鶏肉や生牛レバーの調理時にはドリップなどがまな板から他の食品へ移らないようにすることが重要。 * 牛肉を半生で食べるステーキのレア、牛のたたきなども危険性があるが、生鶏肉や生牛レバーと比較するとカンピロバクターへ感染するリスクは小さいようである。 しかし、カンピロバクターへの感染がゼロではないため避けたほうが望ましい。 |
△ページトップへ戻る 1.カンピロバクターとギラン・バレー症候群*1)
1)大原麗子
2009年に亡くなった女優の大原麗子(享年62歳)は、29歳の時にギラン・バレー症候群にかかり、それ以降は闘病生活をしながら活躍していたが、9年前から症状が悪化し表舞台へ出なくなっていた。
彼女は、死亡した数日後に弟と警察官により発見された。あれだけ綺麗で、中高年なら誰もが知っている大女優がギラン・バレー症候群にかかっていたことよりも、親族など誰も面倒を見ていなかったし、豪邸に住みながらお手伝いもいなかったことに大変驚いた。
ギラン・バレー症候群に関し見知った芸能人は、安岡力也が闘病中であり、釈由美子は発症したが現在では完治しているようである。
*1) ギラン・バレー症候群
2)食中毒の原因として一番多いカンピロバクターはギラン・バレー症候群との関連性が強い
病原菌による食中毒の第1位、全体の約65%を占めるのはカンピロバクター、第2位はサルモネラ菌の約10%。
ギラン・バレー症候群の発症原因は明確にはわかっていないが、アメリカの事例によると1,000人のカンピロバクター患者中の1人がギラン・バレー症候群へかかる。また、ギラン・バレー症候群の患者の40%がカンピロバクターの感染がきっかけとなっている。
2.カンピロバクターにかかるリスクを減らす方法
生鶏肉、生牛レバー、生の牛肉は絶対に食べないこと!これが誰でもできる最善の策である。
ギラン・バレー症候群になるのを避けるには食中毒カンピロバクターにかからないこと、そのためには、生鶏肉(鶏レバー、ささみ、内臓の刺身、鶏のタタキ、鶏わさ*2))、生牛レバー及び生の牛肉(ユッケ*3))を絶対に食べないことに尽きる。
鶏肉や生牛レバーの調理時にはドリップなどがまな板から他の食品へ移らないようにすることが重要。
牛肉を半生で食べるステーキのレア、牛のたたきなども危険性があるが、生鶏肉や生牛レバーと比較するとカンピロバクターへ感染するリスクは小さいようである。
しかし、カンピロバクターへの感染がゼロではないため避けたほうが望ましい。
*2) 鶏わさ(とりわさ)
鶏のささみをさっとゆがいた後、スライスしたもの。表面は多少煮えているが中は生のまま。
*3) ユッケ
韓国を代表する生肉料理。生の牛肉にゴマ、松の実などの薬味と醤油、ゴマ油を加え、真ん中に生卵を乗せたもの。ビビンバの上にユッケを乗せたユッケビビンバもある。
△ページトップへ戻る
- 2013年01月05日 17:30 |
- 食品(食中毒 アレルギー)
-
-
2010年7月13日
雑情報 (34-2)
食中毒を防ぐ
要旨
1.食中毒にかからないために 1)食中毒の発生件数 * 食中毒の発生数は年間1,500件、患者数は30,000人。 2)食中毒の発生場所 * 食中毒の患者数は飲食店、旅館などの外食産業によるものが大部分。 * 家庭での食中毒の発生はわずかに1.8%。外食しなければ食中毒にかかることはほとんどない。 3)食中毒にかかるのはまれである * 病院へ駆け込まなければならないような重症の食中毒にかかる確率は大変少ない。 * 食中毒にかかると下痢、腹痛その他の症状により大事になる可能性があるため、食中毒はかからないように注意したほうが賢明。 2.食中毒の種類、発生時期、概要 1)食中毒の原因物質 * 食中毒の原因物質となるものは、病原菌によるもの以外にジャガイモの芽、毒キノコ、フグ毒、貝毒、鮮度が落ちたサバなどの青魚を食べて発症するヒスタミン、イカ、アジ、サバを生で食べることによりアニサキス回虫も食中毒の一つである。 2)食中毒の原因となる微生物の種類 * 食中毒の原因となる微生物として、カンピロバクター、ノロウイルス、サルモネラ菌、黄色ブドウ球菌、病原性大腸菌(O-157)がある。 3.食中毒にかからない対策 1)食中毒にかからない方法 * 微生物の特徴、付着している食品、食中毒にかからない対処法を知っておくだけで、食中毒にかかる可能性を大幅に軽減できる。 2)食中毒にかからないための基本 a)冷蔵庫を使い、菌の繁殖を防ぐ b)手や調理器具を清潔にする c)加熱処理して菌を殺す * 一番効果的な食中毒の防止対策は、加熱処理。 * カンピロバクター、サルモネラ菌、黄色ブドウ球菌、O157などの病原性微生物は熱に弱く、いずれも75~80℃、1分程度で死滅する。 3)食中毒に関する情報を知る * 食中毒にかからないための基本プラス、食中毒に関する情報を知っておれば、鬼に金棒で、食中毒をほとんど撃退できる。 a)生の鶏肉、牛の生レバーは食べない b)焼肉は半生では食べないで、十分に焼いてから食べる c)豚肉は必ず中まで十分に火を通すこと d)カキは生で食べるとあたる可能性が高い e)ほたるいかの踊り食い、(生で食べる)、イカの刺身は危険 f)サバの刺身は食べない g)魚介類は良く真水で洗ってから調理する h)手や指に切り傷がある場合には、調理時には手袋をはめてから行う i)爬虫類、その他のペットに触ったらよく手を洗う 4)過剰な潔癖性こそ逆に問題 * 台所の周囲はばい菌だらけなので、常に潔癖、清潔でなければならないと考えることは、潔癖症の一歩手前?で過剰反応しすぎ。 5)食中毒を防ぐ弁当 * 弁当は食材から加工まではあまり食中毒とは縁がないが、作り終わってから昼食に食べるまでの間に、弁当の温度が上昇し病原菌などが繁殖して食中毒を起こす可能性がある。 * 弁当を会社の冷蔵庫などの低温の場所へ保管できないのなら、クーラボックスあるいは弁当箱の上下に保冷剤を入れ、断熱性のある厚手のタオルや布きれ、新聞紙10枚ほどでくるむと良い。 |
△ページトップへ戻る 1.食中毒にかからないために
食中毒の原因となる細菌やウイルスは食材中で増殖しても腐敗とは異なるため、味、色、臭いで区別することはできない。
食中毒原因のトップとなっているカンピロバクターは、鶏肉やレバーを生で食べて発症するが、この細菌は売られている鶏肉の7~8割に付着しているが外見ではわからない。
1)食中毒の発生件数
食中毒の発生数はこの15年ほど年間1,500件、患者数は30,000人となっており、食中毒1件当たり平均20人の患者がでている。
ただし、これらの数値は病院へ駆け込んだ食中毒の件数、患者数なので、腹痛程度の食中毒はこの数十倍発生*1)していると思われる。
*1)食中毒患者数と病院へ行かなかったが食中毒により腹痛があった隠れた患者数との相関関係は明確ではないが、参考としてハインリッヒの法則がある。技術系サラリーマンはこの言葉を聞いたことがあると思う。
ハインリッヒの法則(1:29:300の法則)は、アメリカ人のハインリッヒ(Herbert William Heinrich)が見い出した労働災害における経験則のひとつで、1件の重大事故の背後には29の軽微な事故があり、その背景には300の異常が存在するというもの。ハインリッヒの法則は労働災害以外に、ビジネスのクレーム処理の件数などにも利用されている。
年間の食中毒の発生件数と患者数の推移を参照。
2)食中毒の発生場所
病院などへ駆け込んだ食中毒患者の発生場所は、飲食店61%、旅館7.5%、仕出し屋6.0%となっており、家庭での食中毒の発生は15%と少ない。
このように食中毒の患者数は前記の外食産業によるものがほとんどを占め、家庭の食事に起因して発生した患者数はわずかに446人。総患者数のわずかに1.8%しかない。
年間の食中毒の発生件数と患者数は上記のサイトを参照。
3)食中毒にかかるのはまれである
上記のデータから、国民が1年間に食中毒にかかる確率は0.025%。
3万人/年÷12,600万人(総人口)×100=0.025% (1/4,000)
外食をしなければ、更に二桁程食中毒にかかる確率が下がり0.0005%となる。
0.025%×0.018%=0.00045%(1/220,000)
これらから、病院へ駆け込まなければならないような重症の食中毒にかかる確率は大変少ない。更に、食中毒の大半はレストランや仕出し屋、旅館、ホテルなど外食産業を利用することにより発生しており、家庭内の食事から食中毒にかかる可能性はほとんどない。
よって、食中毒は冬季に全国民の1割以上が感染するインフルエンザとはまったく異なり、まれにかかる病気である。
だからと言って、食中毒にかかると下痢、腹痛その他の症状により大事になる可能性があるため、食中毒はかからないように注意したほうが賢明である。
幸いなことに、食中毒に関する留意事項を知っておくと、食中毒にかかる可能性を相当少なくすることができるため、基本知識として覚えておくと良い。
2.食中毒の種類、発生時期、概要
1)食中毒の原因物質
食中毒の原因物質となるものは、病原菌によるもの以外にジャガイモの芽、毒キノコ、フグ毒、貝毒、鮮度が落ちたサバなどの青魚を食べて発症するヒスタミン、イカ、アジ、サバを生で食べることによりアニサキス回虫も食中毒の一つである。
食中毒の原因物質は以下のサイトを参照。
2)食中毒の原因となる微生物の種類
食中毒の原因となる微生物の種類は以下のサイトからノロウイルス、カンピロバクター、サルモネラ菌などが多い。
3.食中毒にかからない対策
1)食中毒にかからない方法
前記のデータから、表1に示す微生物の特徴、付着している食品、食中毒にかからない対処法を知っておくだけで、食中毒にかかる可能性を大幅に軽減できる。
まれにしか発生しない食中毒は、今まで通りの食事の支度、食品の保管、冷蔵庫の使用を行い、更に以下の事柄を徹底すれば安全性が増す。
表1 食中毒の原因となる微生物の種類及び対処法
発生件数 順位 | 細菌、ウイルス | 付着している食品 | 発生時期 | 生息環境 | 対処法 |
1 | カンピロバクター | 生鶏肉や生の牛レバー 生鶏肉の8割に付着 | 年間 | あらゆる動物 | 加熱処理 |
2 | ノロウイルス | カキなどの二枚貝 特にカキは危険 | 冬場 | 二枚貝に生息 | 数百個で感染。感染力が強く、吐しゃく物から他人へ感染 加熱処理。 |
3 | サルモネラ菌 | 卵、ペット | 年間 | 卵、爬虫類などのペットに付着、生息 | 加熱処理 |
4 | 黄色ブドウ球菌 | 人間の皮膚 | 年間 | 人間は2~4割程度保有、詰め、皮膚の間、髪の毛にある | 指に切り傷や化膿している場合には調理しない。調理前の手洗いが重要。 加熱処理。 |
5 | 病原性大腸菌(O-157) | 食品 | 年間 | 動物の糞便から土壌、水を経由して食品へ付着 | 少量の菌で発症。 加熱処理。 |
6 | ウエルシュ菌 | 加熱処理され放置された食品 | 年間 | 糞便、土壌、下水など | 耐熱性があり、大量に加工された食品が常温保存された場合。 早期に食べる。 |
7 | 腸炎ビブリオ | 魚介類 | 夏場 | 腸炎ビブリオは海水に生息し魚介類に付着 | 真水に弱いので魚類は良く水洗い、あるいは加熱処理する |
2)食中毒にかからないための基本
通常、誰もが知っており、行っていることが食中毒にかからない基本である。
a)冷蔵庫を使い、菌の繁殖を防ぐ
b)手や調理器具を清潔にする
c)加熱処理して菌を殺す
一番効果的な方法は、加熱処理する方法である。
カンピロバクター、サルモネラ菌、黄色ブドウ球菌、O157などの病原性微生物は熱に弱く、いずれも75~80℃、1分程度で死滅する。
このため、鮮度が落ちた食品や日数が経過した食品は加熱処理することにより安心して食べることができる。
3)食中毒に関する情報を知る
食中毒にかからないための基本プラス、食中毒に関する情報を知っておれば、鬼に金棒で、食中毒をほとんど撃退できる。
以下に、食中毒に関する情報を示す。
これらの内容は、中高年世代は常識として年の功により知っている内容が多いと思う。若い世代において初めて知った項目があれば、頭の隅に覚えておくと、食中毒を避けることができる。
a)生の鶏肉、牛の生レバーは食べない
新鮮な地鶏だから、比内鶏は地元では生で食べるのが通とか、ここのレバーで当たった人は誰もいないなど、まったく疫学的根拠がないまま、勧められて食べないこと。生の鶏肉の8割はカンピロバクターが付着している。
b)焼肉は半生では食べないで、十分に焼いてから食べる
焼肉に使われる肉は、ほとんどが横隔膜、ホルモンなど病原菌に汚染されやすい部位を使っているため十分に加熱しないと危ない。
O157など病原菌は、加熱することにより殺菌されるため、焼肉は良く焼いてから食べること。
また、生肉を焼いたり、ひっくり返す時に使う扱うトング、はしと自分が食べるためのはしは別にする。
c)豚肉は必ず中まで十分に火を通すこと
豚肉には寄生虫(サナダ虫)が付着している可能性が高いため、完全に加熱したものを食べること(豚のピンク色が残っていると危ない)。焼肉のトントロは十分すぎるくらい火を通し、豚しゃぶは十分に熱湯でピンク色が消えるほど火を通し、厚肉のとんかつの内部は完全に火が通ったものを食べること。
d)カキは生で食べるとあたる可能性が高い
カキは生で食べるとあたる可能性が高いので避けること。
e)ほたるいかの踊り食い、(生で食べる)、イカの刺身は危険
ホタルイカの取れる時期になると、粋がってとれたてや水槽の生のホタルイカを新鮮だからおいしいと、生のまま食べている状況がテレビで放送されているが、アニサキス寄生虫に感染する可能性が高い。
危険きわまりない食材を平気で放映しているので注意すること。
また、イカの刺身の場合には、よく噛んで、アニサキスを食いちぎるようにしないと危ない。
f)サバの刺身は食べないこと
築地などの市場では、新鮮なサバを刺身にして出しているようであるが、青味魚は鮮度が落ちるとヒスタミンが発生しアレルギーとなる。
また、サバの刺身などは鮮度が落ちると内臓に住み着いている寄生虫のアニサキスが刺身部へ移動するため危険。
サバに当たると良く言うのは鮮度が落ちたものを食べてヒスタミン中毒となるためである。
g)魚介類は良く真水で洗ってから調理する
夏場の鮮魚に付着している腸炎ビブリオは温度が高いと急速に繁殖するため、鮮魚を加工する場合には、十分水洗いすること。
h)手や指に切り傷がある場合には、調理時には手袋をはめてから行う
黄色ブドウ球菌は傷口があると広がり安いため、手や指に傷があり、やむなく調理する場合にはビニール手袋などを着用してから調理すること。
i)爬虫類、その他のペットに触ったらよく手を洗う
カメなどの爬虫類にはサルモネラ菌を保有しているケースが多いため、爬虫類を触ったり、ふんや水槽を掃除した後は、手を石鹸で十分に洗うこと。
4)過剰な潔癖性こそ逆に問題
台所の周囲はばい菌だらけなので、常に潔癖、清潔でなければならないと考えることは、潔癖症の一歩手前?で過剰反応しすぎると思う。
家庭内において食中毒がほとんど発生していない統計的なデータから、過剰反応する必要はまったくなく、今まで通り台所を管理し料理を作っておれば良いと思う。
5)食中毒を防ぐ弁当
景気が一向に回復しないため、サラリーマン家庭では共稼ぎ夫婦や子供がいる家庭では弁当を持参するケースが増えてきた。
弁当は食材から加工まではあまり食中毒とは縁がないが、作り終わってから昼食に食べるまでの間に、弁当の温度が上昇し病原菌などが繁殖して食中毒を起こす可能性がある。
特に外気温度が高くなる夏場は弁当の保管には気をつけないと危ない。
会社へ持参した弁当を冷蔵庫へ入れたり、低い温度の場所で保管できれば問題ないが、弁当がクーラの効いた部屋27℃、ロッカー室、たぶん外気温度と同じのため30℃程度におかれると腐敗と病原菌の繁殖が急速に進む。
よって、会社の冷蔵庫などの低温の場所へ保管できないのなら、クーラボックスあるいは弁当箱の上下に保冷剤(家庭の冷凍室において冷凍したもの)を入れ、断熱性のある厚手のタオルや布きれ、新聞紙10枚ほどでくるんでもよい。
保冷剤は断熱された箇所で使うと数時間は冷たいままなので弁当の腐敗、食中毒の対処方法として最適である。
お金をかけないで、ちょっとした工夫で弁当をおいしく安全に食べることができる。
4.主な食中毒の種類・症状と予防法
参照資料
雑情報を作成するにあたり、参考となる/参考にした新聞、雑誌などの出典元、年月日、タイトルを載せる。
3.食中毒にかからない対策
★日本経済新聞 2008年7月5日 健康 食中毒の季節要注意
増加続くO157感染
子供や高齢者重症化
30秒の手洗い徹底を
★日本経済新聞 2010年7月11日 夏休みのレジャー 食中毒にご用心
屋外の料理 手順や肉の加熱徹底
海外旅行 水道水や氷など盲点
★日本経済新聞 2010年7月3日 とことん試します
キッチン用品 除菌は大丈夫?
台ふきん生乾きはNG
★日本経済新聞 2009年8月1日 食中毒を防ぐ弁当作り
暑い夏は弁当作りに細心の注意を
ご飯、冷まして蓋を
「プチトマトで彩り」避けて
△ページトップへ戻る
- 2013年01月05日 16:51 |
- 食品(食中毒 アレルギー)
-
-
2010年6月26日
雑情報 (34)
食品の消費期限、賞味期限、特に卵の賞味期限を理解しよう
要旨
1.食品偽装 1)産地偽装、うそっぱちの表示 * 新聞に取り上げられた産地偽装されたり、嘘っぱちの食品は氷山の一角。 * 食品犯罪がなくならないのは、ブランド品と普及品の区別が外見や食感では区別できないことが原因。 2)食品偽装の行きつく先は規制強化 * 食品偽装が増えれば規制が強化されコストアップ要因となる。 * 規制、標準化は必要であるが、過剰な規制は自由を奪い、価格を上げる。 2.食品表示の変更 1)原産地表示、食品添加物の表示 * 食品表示が変わり、食品の原産地表示、食品添加物などがより分かりやすくなった。 2)食品アレルギー物質の変更 * 食品のアレルギー物質として「エビ」「カニ」についても表示の義務付け。 3.消費期限と賞味期限 1)食品の期限表示を正しく理解しよう * 食品の期限表示には消費期限と賞味期限の2種類。 * 消費期限が過ぎたから、即、腐敗などにより食べることができないのではなく、自分で判断して食べられる、食べられないの判断ができる能力を身につけることが必要。 2)消費期限と賞味期限とは? a)賞味期限 * 賞味期限とは、おいしく食べられる期間。缶詰、カップラーメン、乾物、ハム、生卵などに表示される。 * 賞味期限が過ぎても、即、その食品が食べられなくなるわけではない。 b)消費期限 * 消費期限とは、傷みやすい食品に表示され、消費期限を過ぎると食べると食中毒などの危険が増す鮮魚、生肉、弁当、サンドイッチなどにつけられる。 * 原則、消費期限が過ぎたものは食べないこと。食べる場合は自己判断で! 3)消費期限や賞味期限を伸ばす方法 * 消費期限や賞味期限寸前あるいは切れた食品については、生で食べるのはリスクがあるが、熱を加えることにより食べられす。 4)食品、特に加工食品には注意を! * 消費者は、生鮮食品の表示が正しいのかどうかは、ある程度、自分の目で鮮度を確かめることができるようになりたい。 * 加工食品は、内容物がどうなっているか分からないので注意しないといけない。
4.生卵の安全性 1)生卵とサルモネラ菌 * 生卵は10,000個中に3個の確率でサルモネラ菌に汚染されている。 * サルモネラ菌に汚染された生卵を食べた場合、大人は腹痛や下痢をする程度で収まるのがほとんどであるが、子供は症状が悪化することもあるので、子供には生卵を食べさせるのは避けたほうがよいかも? 2)生卵の賞味期限の中身を理解しよう * 生卵の殻の表面に印刷されている賞味期限は、あくまでも生で卵を食べる場合の賞味期限。 * 卵の賞味期限は卵を産んだ日から14日後としており、夏場であっても、常温で保管して2週間は安心して食べられる基準。 * 生卵を安心して食べられる期限は生卵に表示されている賞味期限より、常温保存した場合、夏場は2日、春・秋は11日、冬場は43日も余裕がある。 * 賞味期限内に食べないと危険との先入観にとらわれていているのなら、賞味期限を過ぎた生卵なら、捨てないで、賞味期限後の余裕期限内であればゆで卵や卵焼きなど加熱して卵を使えば食品を有効に使うことができる。 * ただし、賞味期限を過ぎた生卵は、乳幼児、高齢者に生で食べさせるのは止めよう。また、成人であっても体調が悪い時などは避けるべきである。 |
△ページトップへ戻る 1.食品偽装
1)産地偽装、うそっぱちの表示
秋田の比内鶏、熊本産たけのこ、浜松や鹿児島産のうなぎ、賞味期限切れの肉を加工してコロッケへなど、産地偽装や価格の安い食品から有名ブランド品へ偽装したり、禁止農薬や残留農薬が残留した安全とは言い難い中国産の野菜食品が流通したり、多量の化学肥料や農薬を使って栽培された野菜が有機野菜の名前で堂々とスーパーや食品店で販売されている。
新聞に取り上げられ、マスコミでたたかれ産地偽装されたり、嘘っぱちの食品は氷山の一角であろう。
食品偽装などの犯罪に関与し警察に捕まった経営者たちは、異口同音に「価格競争が激しく、本物を使ったり、まともに生産すると儲けにならないのでついやってしまった。やり始めたのはほんの数か月前からだと」止むにやまれず食品犯罪に手を染めたように弁明しているが、捜査の終了時には、「当初から儲けるために、産地偽装や不正な取引を行った」「加工してしまえば中身はどうであろうと誰にもわからない」と釈明する確信犯がほとんどである。
食品に係わる犯罪がなくならないのは、ブランド品と普及品の区別が普通の人は外見や食感では区別できないこと、特に加工し姿、形が原型と大きく変わってしまえばプロでも分からないからである。
要するに、普通の消費者でも、贅沢をしている大金持ちであっても、人間の味覚や視覚などの感覚は繊細なものではなく、外的要素に大きく影響されるため本物と偽物の区別はつかない。普通の品質のものであっても、ブランド名をつけたり、外見を豪華に見せたり、事前に情報として良いものとの先入観があると、いとも簡単に最高級品に成り上がる。
人間の感覚の鈍さを逆手に取り、初めからだますつもりで食品を取り扱っている経営者にはどうしようもない。
その上、食品加工工場には多数の従業員が働き、従業員は不正が毎日工場内において堂々と行われているにも係わらず、従業員は経営者などへ悪事を進言すると首になる、嫌がらせを受けることなどから、マスコミで追求されるまでうそを続けている。
従業員は悪いこととは知りながら、通告することによる自分への影響を考えると、何も言えずに不正に加担しているのであるが・・・
一昔までは、このような悪徳経営者は少なかったと思われるが?いつのまにか不正を行ってまで金もうけしようとのことで、あちこちで不正が当たり前のように行われているようである。
近頃、悪徳経営者が増え続けているように思えるのは、日本経済が沈滞,下降し、きちんとした経営を行っても、なかなか生活ができにくくなりつつある社会構造の変化も底流にありそうである。
2)食品偽装の行きつく先は規制強化
食品偽装が増えれば増えるほど、規制が強化され、検査、表示が厳しくなり、それら一つ一つが余分な経費となり食品業界、ひいては日本全体のコストアップ要因となる。
あうんの呼吸、明文化されていないものでも常識や自己管理、常識により対応していた今までの日本国のモラルの喪失がなせることであろう。
グローバル社会の中では統一された規制、標準化は必要であろうが、過剰な規制は自由を奪い、価格を上げる。
2.食品表示の変更
1)原産地表示、食品添加物の表示
食品表示のルールが変わり、食品の原産地表示、食品添加物などがより分かりやすく示されるようになった。
今まであいまいな表示で消費者を惑わせていたゼロカロリーとかのゼロ表示や有機農産物などの基準が今までよりも明確となった。
これらにより、原産地あるいは原産国が表示され、原材料、食品添加物は含有量が多い順に表示したり、ゼロ表示できる基準や生産者や流通業者が勝手に使っていた有機栽培、減農薬野菜などの表示の基準ができた。
2)食品アレルギー物質の変更
2010年6月4日から、食品のアレルギー物質として「エビ」「カニ」についても表示が義務付けられ、従来の表示対象物質「小麦」「そば」「卵」「乳」「落花生」の5品目から7品目となった。
3.消費期限と賞味期限
1)食品の期限表示を正しく理解しよう
食品の期限表示には消費期限と賞味期限の2種類がある。
それらの用語の意味や2つの違いは、突き詰められるとどうだったかな?と混乱してしまう。すべての消費者が本当のこれらの意味を理解しているとは思えない。
特に若い世代は裕福に育ち、自由きままにすごしたため、表示をうのみにして本来の意味を知らないケースもある。そのため、消費期限や賞味期限が1日でも過ぎた食品は、絶対に手をつけない、食べない者もいるが、何事も余裕をもって表示されていることを認識して欲しいものである。
冷蔵庫の中に入っている牛肉の消費期限が1日過ぎてしまった、乳酸飲料の賞味期限が3日過ぎた、賞味期限が1ヶ月過ぎたカップラーメンが見つかった、賞味期限が2年過ぎた缶詰が食品ストック棚から見つかった場合、どのように対処している?
消費期限が1日程度過ぎた牛肉なら熱を加えて加工すればまったく問題ないし、乳酸飲料なら、冷蔵庫に保管されていたのなら1週間程度過ぎても飲むことができるし、カップラーメンは半年ほど賞味期限を過ぎても食べられる。缶詰は3~5年程度先の賞味期限が表示されているが、賞味期限が数年過ぎた後に空けても食べることができる。
要は、消費期限が過ぎたから、即、腐敗などにより食べることができないのではなく、自分で判断して食べられる、食べられないの判断ができる能力を身につけることが、必要であろう。
一昔前までは、母親や祖父母などが食品の食べられる、もう捨てないとダメなどを実際に教えていたが、今は、母親も教えないし、子供たちも聞こうとはしない。
他人任せの良否の判断ではなく、自分の意思で判断したいものである。
スーパーに並べられている表示の意味に戸惑うたびに、もうすこし、この2つの用語の違いを誰もが間違わずに使い分けられる用語に変えたらどうかなと思ってしまう・・・
消費期限(食べられる最終日)、賞味期限(おいしく食べられる期限)のように添え書きしてあると誰もが迷わないと思う。
2)消費期限と賞味期限とは?
a)賞味期限
賞味期限とは、おいしく食べられる期間。缶詰、カップラーメン、乾物、ハム、生卵などに表示され、表示は数週間から数年後の年月日、年月となっている。
賞味期限が過ぎても、即、その食品が食べられなくなるわけではない。
b)消費期限
消費期限とは、傷みやすい食品に表示され、消費期限を過ぎると食べると食中毒などの危険が増す、鮮魚、生肉、弁当、サンドイッチなどにつけられ、おおむね製造後5日以内の年月日となっている。
消費期限が過ぎたものは、店頭では販売していないが、消費期限前に購入し冷蔵庫へ保管している場合などでは、腐敗が進んでいる可能性があるため、半日程度まではなんとか食べられるかもしれない?1日以上経過したものは廃棄しないと食中毒にかかるかもしれない?自己判断で食べる、捨てるの判断が必要。
原則、消費期限が過ぎたものは食べないこと。
消費期限、賞味期限付きの食品は、いずれも開封前の食品に応じた保管方法(室温、冷蔵、冷凍保温)においての期限を示しており、開封後は、なるべく早くすべての内容物を食べることが肝要である。
3)消費期限や賞味期限を伸ばす方法
スーパーなどで販売されている消費期限が張られている生鮮食品、生のさかな、生肉などは消費期限が迫ってくると、特売や見切売りで処分しようとするが、一部は売れ残りとなる。しかし、この売れ残りは加工し、魚類はフライやてんぷら、肉はトンカツやから揚げにしたり、ミンチにしてコロッケの原材料としたり、加工することで合法的に消費期限を伸ばすことは当然の商行為として行われている。
家庭内において、消費期限や賞味期限寸前あるいは切れた食品については、生で食べるのはリスクがあるが、熱を加えることにより安心して食べることができる。
あるいは、すぐに食べないのなら生のものを冷凍して、後に熱を加えて食べることにより廃棄することなく食品を利用することができる。
4)食品、特に加工食品には注意を!
悪徳スーパーなどは、生鮮食品のラベルを貼り替えたり、再包装して、一番高く売れる生のまま再度、生鮮食品の棚に並べているが・・・
消費者は、生鮮食品の表示が正しいのかどうかは、ある程度、自分の目で鮮度を確かめることができるようになりたいものである。
鮮魚や生肉の表示、現物の色、ドリップ(魚や肉からしみでた液体)の具合から良し悪しを判断したい。
昔から加工食品は、内容物がどうなっているか分からないので注意しないとダメだと言われている。
例として、サイコロステーキは、内臓肉やくず肉など安い肉と牛脂などを接着剤で固め加工したものである。
そのため、O157などに汚染されているリスクが普通の生肉と比較すると大きく、ペッパーランチの「サイコロステーキ」は当然起こるべきして起こった事例である。
肉類は、発色材を添加しているケースもあるため、日にちがたってもいつも新鮮な色をしている。また、精肉、鮮魚の陳列棚の照明は、多少鮮度が落ちても、新鮮に見えるように黄色系統の照明を使い鮮度落ちがわかりにくくしている。よって、生鮮食品の本来の色を知るために、通路の白色(昼光色)蛍光灯側へパック詰めの生鮮食品を向けてみると、照明により鮮度をごまかされていることがわかる。
ひき肉は、原材料として何が使われているか一番不明である。更にひき肉を使ったコロッケはどのような肉が使われているか確かめようがない。
(悪徳、食肉加工業者がはびこる要素が多々あり、できればこのような食品は避けたほうが無難であろう)
要するに、販売業者が、原材料の由来をきちんと明示して販売すれば、消費者は理解し、納得した上で購入できるのだが、消費者をごまかして高く売りたいため明示しないまま、偽者を本物らしくだまして販売していることが問題である。
4.生卵の安全性
1)生卵とサルモネラ菌
卵は食品の優等生とし人間に良質のたんぱく質を安く入手できる食品として長い間日本の食生活になくてはならないものとなっている。
卵の有用性については添付資料を参照のこと。ここでは卵の安全性について記載する。
生卵は10,000個中に3個の確率でサルモネラ菌に汚染されている。そのためサルモネラ菌に感染しないためには、生卵を食べないことが一番の解決策となっている。また、生卵の生産管理、保存、鮮度とサルモネラ菌の感染率とは無関係なことから、新しい卵だから安全とはいえない。
サルモネラ菌に汚染された生卵を食べた場合、大人は腹痛や下痢をする程度で収まるのがほとんどであるが、子供は症状が悪化することもあるので、子供には生卵を食べさせるのは避けたほうがよいかも?
サルモネラ菌に汚染された卵に当たる確率は10,000÷3=3,333に1個の割合なので
毎日、朝ごはんに生卵を食べ続けていると3333÷365=9.1年
10年に1回の確率でサルモネラ菌に感染するが、この確率が高いと思えば生卵を食べるのを控えればよいし、競馬の万馬券(1枚100円の馬券を買い、10,000円の配当に当たること、確率は10,000円÷100円=100倍)より確率が低いので、まず当たらないと考えれば卵を食べ続ければよい。
生卵の危険性を知ったうえで、自分で判断したい。
しかし、健康な大人なら、万一生卵を食べてサルモネラ菌に感染しても、死ぬことはまずないため、気にせずに大好きな生卵かけご飯やすき焼き時に生卵を食べたいものである。
(参考)アメリカでの生卵
アメリカでは生卵を食べる習慣がなく、卵の生産、流通、保管は基本的に熱を加えた卵を食べるための生産管理体制となっており、サルモネラ菌により汚染された生卵に当たる確率が高いと想定されるためアメリカでは生卵を食べないのが良い。
このため、アメリカでは生卵によるサルモネラ菌の感染は少ないようである。それでも、生卵を使った自家製のドレッシングや半熟卵を食べて腹痛などを起こしている例は発生している。
2)生卵の賞味期限の中身を理解しよう
生卵の殻の表面に印刷されている賞味期限は、あくまでも生で卵を食べる場合の賞味期限である。
卵の賞味期限は、卵を産んだ日から14日後としており、夏場であっても、常温で保管して2週間は安心して食べられる基準である。
表1 生卵を安心して食べられる期限
季 節 | 気温条件 ℃ | 生みたて後、生卵を安心して食べられる期限 日 | 生卵の表示期限 (賞味期限) 日 | 賞味期限後の 余裕期限 日 |
春・秋 | 23 | 25 | 14 | 11 |
夏 | 28 | 16 | 14 | 2 |
冬 | 10 | 57 | 14 | 43 |
これらから、生卵を安心して食べられる期限は生卵に表示されている賞味期限より、常温保存した場合、夏場は2日、春・秋は11日、冬場は43日も余裕がある。このため、スーパーから生卵を買い求め冷蔵庫へ保管(冷蔵庫の温度は6℃)すれば、これより更に長い余裕期間となる。
今まで、生卵の賞味期限を見て、1日過ぎたらもう危険だから生卵を食べるのをあきらめたり、知らなかったため生卵を捨てていたら止めよう。
賞味期限後の表示期限が過ぎても、夏以外はまだ十分生卵で食べることができるし、加熱すれば相当な期間安心して食べることができる。
もし、賞味期限内に食べないと危険との先入観にとらわれていているのなら、賞味期限を過ぎた生卵なら、捨てないで、賞味期限後の余裕期限内であればゆで卵や卵焼きなど加熱して卵を使えば食品を有効に使うことができる。
ぜひ、実践してみよう!
ただし、賞味期限を過ぎた生卵は、乳幼児、高齢者に生で食べさせるのは止めよう。また、成人であっても体調が悪い時などは避けるべきである。
参照資料
雑情報を作成するにあたり、参考となる/参考にした新聞、雑誌などの出典元、年月日、タイトルを載せる。
1.食品偽装
★日本経済新聞 2008年2月10日 サイエンス
食品偽装見破る
含有元素?DND手掛かりに鑑定
★日本経済新聞 2007年12月23日 補助線 食品偽装問題
不信が招く高コスト社会
★Nikkei Business 2008年2月4日 終わらない話
偽装の裏にあるもの
2.食品表示の変更
★朝日新聞 2010年1月23~27日 あなたの安心
食品表示を読む1 安い理由がわかるように
食品の表示とは?
① 情報の宝庫
② 価格差の理由も
③ 複雑でわかりにくい
食品表示を読む2 刺身盛りは原産地不要
食品の表示のルールは?
① 生鮮食品には義務付け
② 一部の加工食品の原料も
③ 11品目は科学敵判別可能
食品表示を読む3 「無着色」、無添加とは異なる
添加物はどうチェック?
① 原材料の後に表示
② 「調味料」が目印になる
③ 「不使用」に飛びつかない
食品表示を読む4 「ゼロ」は「皆無」ではない
ゼロ表示のポイントは?
① 5kcal未満はゼロカロリー
② 糖類ゼロと糖質ゼロは別
③ 栄養成分表示をチェック
食品表示を読む5 有機農産物厳しい基準
環境に配慮した農産物は?
① 有機表示は認証が必要
② 5割減は「特別栽培」
③ 「無農薬」の表示は禁止
★日本経済新聞 2010年4月14日 らいふプラス 食品表示、新ルール続々
卵業界など動く
天然卵→使用は×
地卵 →条件付き◎
分かりやすさ課題
★読売新聞 2010年6月7日 アレルギー物質 改正規則4日施行
「エビ」「カニ」に表示義務
3.消費期限と賞味期限
★朝日新聞 2007年11月23日 賞味期限のQ&A
保存状態で安全性に差/判断は自己責任で
期限を過ぎても食べられる? 缶詰なら10年以上もつ例も
開封したら? 劣化避け早く消費
冷凍食品は? 温度の変化に注意
ケーキ・おせちは? 「解凍もの」も多数
★日本経済新聞 2007年12月10日 食の健康学
食材理解し「期限」判断柔軟に
4.生卵の安全性
★朝日新聞 2009年11月29~ あなたの安心
知ってる?卵1 生や半熟料理で食中毒発生
生産・消費の現状は?
① 食べる量世界でトップ級
② 海外に頼る「ほぼ国産」
③ 課題はサルモネラ対策
知ってる?卵2 鮮度の目安は黄身の張り
どこを見る
① 盛り上がりが鮮度の目安
② 白も茶も栄養価は同じ
③ 黄色の濃淡 エサ次第
知ってる?卵3 栄養素たっぷりの優等生
栄養面から見ると
① 必須アミノ酸が豊富
② カルシウムやビタミンも
③ 健康なら日に1,2個OK
知ってる?卵4 生食なら賞味期限内に
食中毒を防ぐたまに
① 冷蔵し、使う直前に出す
② 割ったらすぐに使い切る
③ 賞味期限後はよく加熱
知ってる?卵5 「ブランド」表示にルール
表示ルールのポイント
① 根拠示し、わかりやすく
② 「栄養強化」通常品と比較
③ 特別な安全策・飼育法か
△ページトップへ戻る
- 2013年01月04日 20:40 |
- 食品(食中毒 アレルギー)
-
-